2012年08月02日 (木)トコジラミ なぜ復活?


「トコジラミ」という虫をご存じでしょうか?年配の方は「ナンキンムシ」と言った方が分かるかもしれません。昭和40年ごろには、ほとんど姿を消したと見られていましたがいま、トコジラミに刺され、強いかゆみを訴える被害が急増しています。消えたトコジラミがなぜ、復活したのでしょうか?

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東京都内で60年以上営業している旅館では、最近、困ったことが起きているといいます。トコジラミの発生です。客が被害にあったのは和室でした。旅館の経営者は、「これまでに5回くらいです。畳の下とか隙間がある所には全部どこでも入ってしまう」と、話していました。
20120802_2.jpg刺されると、どうなるのか。保健所から提供された別の場所での被害写真です。赤くなり、強いかゆみが出るといいます。

20120802_4.jpgまた、駆除費用も大変です。何回も専用の殺虫剤をまかなければならず、この旅館では宿のキャンセル料も含めると、1回の発生だけでおよそ20万円の損害になるそうです。旅館経営者は、「いくら清潔にしてもお客さんの荷物に付いてくるので防ぎようがない。私たちも被害者ですが、もし次の人がその部屋で被害にあったら今度は加害者になってしまう。全国のホテルや旅館がやられている。風評被害で客が来なくなったら、今度はつぶれる恐ろしさもあるから大変だ」と話していました。

20120802_5.jpgそれではなぜ、トコジラミが復活したのでしょうか?実は、もともと世界中にいた虫です。ところが、10年ほど前からアメリカでは寝台列車や映画館で、イギリスではロンドンの有名ホテルなどで被害が出ました。日本には、かばんや衣服などに紛れ込んで、持ち込まれたと見られています。

20120802_6.jpg持ち込まれたとみられるトコジラミの被害は、徐々に一般家庭にも広がっています。川崎市に住む女性は去年の夏、寝室で被害にあいました。ふすまの下やカーテンの縫い目の中にもひそんでいたといいます。女性は足の甲や手などを刺され、「かゆくてかゆくて大変。眠れない。夜中に一度は目が覚めたほどだった」と、話していました。なぜ部屋の中で発生したのか、明確な原因は分かっていません。駆除にかかった費用は10万円にのぼったそうです。

20120802_7.jpg東京都に寄せられるトコジラミの相談件数はいま急増し、去年は255件。10年間で7倍近くになっています。トコジラミの相談にあたっている保健所の担当者は、被害はさらに広がる恐れがあると見ています。担当者は「ダニ被害ということで相談が来て初めて話しの内容を聞いてトコジラミとわかる例が多い。ただの虫と考えると大変なことになってしまう」と警告していました。

20120802_8.jpg被害はどのように広がるのか。旅行カバンのベルトの隙間に入り込むこともありますし、人の背中にくっついて運ばれることもあります。そもそもトコジラミは、5ミリから8ミリほどで夜行性です。昼間は畳などの暗い隙間にひそみ、なかなか見つけられません。たとえ見つけても、最近のトコジラミは一般の殺虫剤が効かないタイプがほとんどでし。駆除が難しいため、どうやって早く見つけて対策を打つかにかかっています。見つけ方はこちら。本の底に小さな黒い点。これがトコジラミの糞です。血を吸ったトコジラミは、隠れ家となっている本や畳の隙間などに戻って糞をします。こうした糞が畳やベットなどにないか、チェックします。

20120802_9.jpgしかし、人の目には限界があります。そこで、活躍しているのが海外から導入された「トコジラミ探知犬」です。トコジラミはカメムシの仲間で、わずかですが特有のにおいがあります。訓練を受け、そのにおいをかぎ分けるのです。探知犬は今、日本でも養成中です。担当者は「犬は人間の1千倍1万倍の嗅覚を持つので、どんな所に隠れていても鼻で見つけられる。探知犬は非常に有効な手段になる」と、話していました。

20120802_10.gifトコジラミは殺虫剤に強く、自分で駆除するのが難しいため、見つけたら保健所や専門の業者に相談する必要があります。保健所の担当者は、「被害がある程度ひどくなてから初めて気づくという方が多い。そうなると個人レベルではもう駆除が出来なくなってくるので、専門家にまず相談し、家の状況に合わせて指導してもらうのが一番」と話していました。

20120802_11.jpgトコジラミを持ち込まないため、自分で出来る対策もいくつかあります。例えば、被害の多い地域に行った時は大きな袋を持参してトコジラミがつかないようにカバンなどを入れておくのもひとつの方法です。また、トコジラミは熱には弱いので、帰国後に着ていた服などを50度以上のお湯に1分以上漬けておくと、死滅させることができるそうです。日本ではまだトコジラミの大発生とまではいっていませんが、被害は広がりかねない状況です。いまのうちにひとりひとりがしっかりとした対策をとる必要があると思います。

投稿者:天間暁子 | 投稿時間:06時00分

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