2013年04月01日 (月)やる気を引き出す"ほめ方"


新学期を迎えて、進学やクラス替えなどをきっかけに子どもたちにさらにやる気を出してもらおうという方も多いのではないでしょうか?ただ、「ついつい力が入って子どもたちを叱ってしまう」方もいると思います。どのようにほめると、子どものやる気を引き出せるのでしょうか?

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先月、横浜市で開かれた上手なほめ方を学ぶ講習会です。会場は小さな子どもをつれたお母さんでいっぱいです。

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講師の高取しづかさんは、子どもをやる気にさせる”上手なほめ方”の指導を10年ほど続けています。会場で高取さんは、「『ほめる力』というのは、自発的に動く子どもを育てる一番の土台になります」とアドバイスしていました。

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ほめ方の”コツ”は「小さなことからほめる」こと。その効果を感じてもらうため、ここでは初対面の母親同士で、互いをほめ合ってもらいます。母親たちは、向かい合って「すてきな笑顔」などとほめあっていました。母親たちからは、「言われると嬉しい」「ここちよかった」という感想が聞かれました。小さなことでも、”ほめられ””認めてもらった”という感情が”やる気”を引き出すと言います。

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講師の高取さんは、「子どもたちに声をかけるときには子どものことを見ながら、言ってあげることが大事です。『できている』ことを『できているね』って認めてあげて欲しい」と話していました。

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では、ほめることで、実際に子どもにやる気が出るのでしょうか?小さな子どもがいる家庭にカメラを据えて確かめてみました。3人の子育てに追われる宮浦智子さんの家庭です。

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特に手を焼いているのが、次男の伊織くん。集中して宿題ができないのが悩みです。宿題になかなか集中しない伊織くんをしかってしまいます。しかし、効果がありません。

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3日後、こんどは宿題を始めたらすぐほめることにしました。宮浦さんは、「字がきれいだね、すごくきれい!」などと声をかけます。すると、伊織くんは机に向かってもくもくと宿題に打ち込みます。ほめてもらえたこの日は集中して宿題ができました。

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宮浦さんは、「本当に、気分よかったです。ほめるほどの内容のことでなくても、ほめるように意識していこうと思いました」と効果を実感していました。

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”上手なほめ方”の指導をしている高取さんは、「小さなガッツポーズっていっているんですけど、子どもはできたんだと思うと、次ももうちょっと挑戦してみようという気持ちがわいてきます」と解説してくれました。

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ほめた後、次に何をしてほしいか、具体的に伝えるとさらに行動が変わります。7歳と4歳の男の子がいる加藤恭子さんのお宅です。悩みは、いくら言っても部屋の片付けをしないこと。

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ふだんの様子は、加藤さんが「もうご飯できるからね」とか「きれいにしといてね」などと何度も声をかけても「はーい」という返事だけで、片づける気配すらありません。

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2日後。まず”小さなことからほめてみました。いっしょの部屋で「きれいにできる人」と声をかけると子どもたちは「はーい」と返事。大きな声の返事をほめると子どもたちが、片づけを始めました。「よし、じゃあ掃除しよう。いっしょに手伝ってあげる」と元気づけます。その上で、「すごいね。ほかの物も片付けてみて」などと行動をほめた上で、次に何をして欲しいかも伝えてみます。すると、子どもたちの片づけの速度が上がっていきました。加藤さんは「早かったね。ほら、部屋がきれいになって気持ちいいじゃん」とほめていました。

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さらに翌日も変化がありました。今までしなかった自分たちの上着をきちんとかけるなど、片づけを積極的に行うようになりました。

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加藤さんは、「ほめるとこっちも気持ちが楽だし、子どもも全然気分が違って、さっとやってくれるので、そのうち言わなくても習慣になって自分たちでやってくれるようになるかなって思います」と喜んでいました。

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ほかの子どもでも、ほめる効果があるのか。都内のこども園の保護者に、小さなことからほめる子育てを2日間実践してもらい子どもの様子がどう変わったのか答えてもらいました。するとアンケートに答えた12人のほとんどが「子どもが意欲的になった」と答えていました。

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ではなぜ、ほめられると、子どもの行動が変わるのか。東京学芸大学の岩立京子教授は、「人はほめてくれる人を好きになる。その効果が大きい。人間はほめてくれる人に対して 非常にうれしさとか好きになります。すると、その人が“守ってほしいな”というルールに敏感になります。期待に添うように行動したりルールに沿うように行動するようになるんです」と話していました。そしてほめ続けることで、子どもの自主性も芽生えていくと言います。岩立教授は、「ほめられる自分、成功する自分というのに出会っていくので、そういった自己概念とか、自尊心とか自信につながると思います。その子の自己概念を作っていくので、ほめてくれる人がいなくても、それをするようになるということなんです。ですから、ほめることは一般に考えられている以上のよい意味があると思います」と話していました。

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ほめ方のこつとしては、具体的に観察して相手のことをほめるほうが、効果的だということです。「私のことをしっかりと見ている」と感じると、ほめられた相手は自信を持ち、やる気につながります。また、子どもだけでなく大人もほめることが大切だということです。みなさんも実践してみてはいかがですか?

投稿者:宮本知幸 | 投稿時間:06時00分

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