1.はじめに
今年度が始まり幼児の姿を見ていると落ち着いて話を聞くことのできない幼児の姿が多く見られた。初めのうちは集中していても、時間が経つごとに集中力がなくなり持続することができなかった。また、素話や昔話などを聞く経験も少なく、そういった機会を保育に取り入れていきたいと考える。
昨年度3歳児の後半からラジオ視聴を実施しており、幼児達が興味をもって聴取し、そこから遊びへと発展し友だちと一緒に楽しむ姿が見られた。今年度も聴取を通して話を聞く力や想像力を育てたり、集団視聴をすることで友だちと一緒にイメージを共有したりして遊びを広げる楽しさを味わって欲しいという願いから「おはなしでてこい」の継続聴取をすることにした。
2.本園の概要
本園は滑川町のほぼ中央に位置し、豊かな自然に囲まれ、裏山にはアスレチック施設が備えられている。畑では、さつま芋やじゃが芋などを栽培しており、草取り等の世話をしたり収穫をしている。園の周囲にある図書館や国営武蔵丘陵森林公園への水遊び、ラベンダー摘みなどの園外保育も取り入れ、自然の中でのびのびと遊んだり地域の方との交流を深めたりしている。また、今年度は裸足保育の実施をしている。
各保育室には40型のテレビやCDラジカセが設備されている。また、必要に応じて使用できるようにDVDプレーヤーがある。「こども人形劇場」や「つくってあそぼ」などのDVDも準備してあり、幼児の興味関心に合わせていつでも聴取することができる。
今年度は、3歳児90名、4歳児104名、5歳児106名、計300名で各学年4学級の計12学級編成である。職員数は園長、副園長、教諭、臨時職員、支援員の28名である。
3.クラスの実態

クラスの9割以上の幼児が3歳児から在園しており、進級と同時に4クラスに分かれた為、進級当初は年少時に同じクラスだった友だちと遊ぶ姿が多く見られていた。
新しいクラスに慣れてくると周りの友だちにも興味を示すが、友だち関係がなかなか広がらなかったので大勢で楽しめる遊びを提案していく。また、お集まりの時に落ち着いて座っていられない幼児が多く、教師の話を静かに聞くことができないことが多かった。絵本や紙芝居に興味を示しても最後まで集中して見ることができないこともあった。
4.実践事例
【おはなしでてこいの聴取計画】
- 第1回
- 「ねずみのよめいり」
- 第2回
- 「おむすびころりん」
- 第3回
- 「かちかち山」
- 第4回
- 「こんとあき」
- 第5回
- 「たなばた」
- 第6回
- 「めっきらもっきらどおんどおん」
ねらい
- ラジオ聴取に興味をもち、友だちと一緒に楽しく視聴する。
- 自分の中でお話のイメージを広げ、想像力や表現力を育てる。
- 友だちと一緒に共通のイメージをもち、遊びを広げていく。
- 継続聴取をしていくことで、一定の時間集中して話を聞く力を育てる。
※NHKホームページからダウンロードした『幼稚園・保育所向け番組と利用のてびき』を参考にお話を選び、ラジオをテープに録音して聴取する。