はじめに
1.本園の実態 ~島の小さな幼稚園~
本園のある櫃石島(ひついしじま)は、瀬戸内海に浮かぶ人口約230人の漁業が盛んな島である。昭和63年4月の瀬戸大橋開通により、島とJR坂出駅・JR児島駅(岡山県倉敷市)とを結ぶバス路線が設けられた。地域の人たちは教育活動に熱心で協力的であり、子どもたちの成長を楽しみにしている。

本園は、3歳児2名・4歳児3名と5歳児2名の異年齢混合2クラス構成(平成20年度現在)で、櫃石小学校の校舎内に教室がある。同じ敷地内に櫃石中学校もあり、幼・小・中・地域の連携を重視した教育活動に取り組んでいる。
兄弟姉妹が小・中学校に在校していたりお互いの家が近くにあるなど、子ども同士の結びつきは深く家族的である一方、幼いために許されることや黙っていても分かってもらえることが多くあり、自分の思いや考えを相手に伝えたり表現したりする力が十分身に付いているとはいえない。
2.研究テーマ ~生活を広げる ふるさとを愛する~
子どもたちは、島の豊かな自然や季節を毎日体中で感じている。そのような島の子どもたちの生活の中に放送を取り入れることで、子どもたちの新たな気付きが生まれ知的好奇心が高められるのではないか、そうして得る情報や知識は“生きたもの"になり、生活がいきいきと広がっていくのではないかと考えた。そこで、感動を伴った直接体験に結びつく間接体験としての放送番組を幼稚園の指導計画に取り入れて、子どもの興味・関心が番組視聴によってどのように高められていくのかを検証し、“豊かな心"や“生きる力"が育つよう実践研究を進めていくことにした。
また、家庭や小・中学校との連携を図りながら、自分が生まれ育っている櫃石を愛し、豊かに自分を表現する子どもになることを願ってテーマを設定した。
3.研究内容と方法
地域の特性を生かし、豊かに自分を表現する子どもになるための放送番組や視聴覚機器の効果的な利用を考える。
- 「しぜんとあそぼ ~かい~」の視聴
- ネット会議システムを使い、遠隔地の専門家に質問する
小・中学校との連携のあり方を考える。
- 海そうじ
家庭との連携のあり方・子育て支援を考える。
- 魚つり大会
- 家庭通信(ふれあいだより 月1回発信)や幼・小・中の合同掲示板利用
- ホームページの作成
- ふるさとおさんぽマップ作成