幼稚園・保育所向け番組のひろば

放送番組を利用した保育実践

豊かな心を育むための放送利用
~わくわくどきどきする体験の中で思ったことや感じたことをいろいろな方法で表現しよう~

美咲町保育協議会
(第23回岡山県保育所放送教育研究大会 発表より)

はじめに

美咲町の概要

 岡山県美咲町は平成17年3月、中央町・旭町・棚原町の3町が合併して誕生した。
町内には地区(旧3町)ごとに3つの保育所(園)があり、中央地区と旭地区では0~5歳児、棚原地区では1~3歳児(4,5歳児は幼稚園)が通園する。それぞれの保育所(園)は地域性や特色を生かした運営を行いつつ、積極的に交流を行っている。

研究テーマについて

 家庭において子どもたちは、テレビ・ビデオ・テレビゲームなどのメディアにひたり、保護者も子守として利用している状態がうかがえる。子どもたちをメディアから遠ざけることが難しい中で、メディアを子どもたちの生活の中に生かすために保育園ができることは何かを考えた。
その一つとして、園が意図的・計画的に放送教育に取り組むことにより、メディアを生活にどう取り入れていけばよいのかを、保護者や子どもたちに知らせることができるのではないかと考えた。また、人とのかかわりを大切にしながら、テレビやラジオを視聴・聴取することにより、子ども同士、大人と子どものコミュニケーションの一助となり、特に親子で一緒に会話しながら視聴することは、子どもたちの情緒安定、コミュニケーション能力の向上に役立つのでは、と考えた。
さらに、教育的意図を持った教育番組は遊びの動機付けとなり、その結果、遊びの中で感動したり、自分の思いを表現したり、イメージをふくらませたり、意欲的に何かに取り組んだり、愛情や親しみを感じる力が身につくのではないだろうか。
以上のことから、意図的・計画的にテレビ・ラジオ利用を保育に取り入れることで、直接体験が広がっていき、その体験の中で、一人ひとりが感じたり想像したことを、表現したいという意欲につなげていくことが、豊かな心が育つ基盤になるのではないかと考えた。

豊かな心とは

 人に愛され、信頼され、認められるという心地よさの中で、安心して過ごしていくことが豊かな心を育てるための基盤になる。
その中で、互換を刺激する「直接体験」や心が動く「感動体験」を通して、子ども自身が感じる心や想像する心が育ち、自分の気持ちを表現することや自分でしてみようという意欲へとつながってくる。
また、保育者や友達と一緒に視聴する「共通体験」を通して、イメージを共有したり、楽しさを味わったりする中で、友達との関係を深め、やさしさや思いやり(愛)の気持ちが育っていくようになる。
そこで、「感動」「想像」「意欲」「表現」「愛」の5つの言葉をキーワードに、子どもたちの豊かな心を育てていきたい。


研究の全体構想図


視聴番組

3歳児:
「おかあさんといっしょ」「こどもにんぎょう劇場」
4歳児:
「わたしのきもち」
5歳児:
「お話でてこい」

取り組み

  1. 保護者とのコミュニケーションを深める活動
  2. 様々な人とのかかわりを深める活動
  3. 身近な友達とのかかわりを通して 心の成長を促す活動