考える授業の流れ

「身の回りにある」ふしぎを扱う

  • 児童が自分たちで活動して気付いたことをそのまま教材として使うことで、身近な問題として捉えることができます。

「ふしぎを見つける」ための展開

  • 2つの物体を見比べたときに気付いたことを、思考ツールを使うなどして整理することで、身の回りにあるふしぎを見つけることができます。

「ふしぎを見つける」方法を知る

  • 対象について何かに注目して比べることで、ふしぎに思うことが見つかる体験を通して、比較して問題を見いだすコツをつかむことができます。

授業の流れ

〇 学習活動 ● 番組 ◎ 動画クリップ □ 教材
■ 記入式シートなど ◇ 支援

ステップ(1) ふしぎ探しのテーマを把握
ものの重さについて「ふしぎ」を見つけるという課題をつかむ

シート

ステップ(1)の流れ

4分

重いものと軽いものにはどのような違いがあるのかを発表する。

教師の支援

意見を板書して整理する。(大きさ、見た目、材質、手触りなど)

3分

シート

動画①「番組シーン①~③」(0'00~3'14)を視聴する

3分

動画①を見て、重いものと軽いもののふしぎを見つけるという課題を共有する。

  • 大きくても軽い石もある。
  • 大きさと重さには、どんな関係があるのか、いろいろ比べたい。
  • いろいろな視点で比べてみたいな。
  • どんなふしぎが見つかるだろう。

教師の支援

比べることで、ふしぎの手がかり(おや? どうして? という違和感)が見つかることに気付けるよう支援する。

重いものと軽いものをくらべて ふしぎを見つけよう

重いものと軽いものをくらべて ふしぎを見つけよう

ステップ(2) ふしぎを見つける準備
何かに注目して比べるという「ふしぎを見つけるコツ」を知る

シート

ステップ(2)の流れ

5分

大きいが軽い石と小さいが重い石の観察をする。

大きくて重い石と小さくて軽い石の観察もする。

教師の支援

用意できれば、大きく軽い石、小さく重い石、同じ材質の大きく重い石を見たり、持ち上げたり、触ったりできるようにしておく。

10分

シート

それぞれの石を比べて気付いたことを書き出す。

教師の支援

ふしぎの手がかりを見つけるのが難しい場合には、下記のベン図を使って支援することも考えられる。

記入シート①(ベン図)と資料シート①(普通の石で比較した記入済みベン図)を配布する。

ベン図の上部に、比べた2つの石の写真を置くよう指導する。

2つの石の似ているところを中央に、違っているところを左右に、カードで書くように指導する。

すべての枠を埋めなくてもいいと伝える。

2つのベン図を「大きさ」「重さ」に注目して見比べて、番組で見つけた「ふしぎ」を確認する。

  • 大きい方が重いと思ったのに、軽いのがふしぎ

教師の支援

常識の方のベン図は、すでに埋まっているものを用意する(時間短縮する場合は、2枚とも完成したものを用意し、分析だけする)。

よく見かける同じ材質で大きさの違う石を比べたときのベン図と比較して、いつもと違うことにふしぎを感じていることに気付けるようにする。
※資料シート②-2を参考にしてもよい。

ベン図を使って、ふしぎの手がかりを見つける方法がわかりにくい場合は、動画クリップ「理科の見方・考え方 比較するとき」をみんなで視聴する。

教師の支援

比べる方法がわかりにくい児童が多い場合は、ベン図を使って、ふしぎの手がかりを探す方法を知るために、クリップを見る機会を作る。

ステップ(3) 新たなふしぎの手がかり探し
差異点と共通点を探して、「ふしぎの手がかり」を整理する

シート

ステップ(3)の流れ

2分

シート

ものの重さについて、新しいふしぎをさがす。

教師の支援

記入シート②(ベン図)を配布する。

動画②「番組シーン④⑤」(3'14~4'57)を視聴する

教師の支援

新たなふしぎを見つけるために、動画を見ることを伝える。

量をそろえて重さをくらべて ふしぎを見つけよう

13分

シート

番組を見て、新たに気付いたことをベン図に整理する。

セットを選んで比較し、観察して気付いたことを加えてもよい。

教師の支援

番組で出てくる素材(水とココア、食塩と小麦粉、発泡スチロール粒とプラスチックビーズ、など)や同じ量にそろえるためのカップなどを用意し、グループ毎に素材を選んで、比較できるようにする。

量が違うと重さが比べられないため同じ量にそろえて、重さを比較していることを助言する。

5分

みんなの気付きを発表する。

  • トロトロのココアの方が水より重い
  • ザラザラの食塩は、サラサラの小麦粉より重い
  • 少量では同じ重さでも、量を多くすると重さが違う など

教師の支援

大型モニターと児童のタブレット端末に同時に一覧表示。

クラス全体で児童の写真を共有する。

量をそろえて重さをくらべて ふしぎを見つけよう

ステップ(4) ふしぎを見つける
「ふしぎの手がかり」を使って「ふしぎ」を見いだす

シート

ステップ(4)の流れ

 

シート

手がかりから「ふしぎ」を見つけ出す。

教師の支援

記入シート③(ふしぎを見つけようシート)を配布する。

5分

シート

動画③「番組シーン⑥~⑨」(4'57~8'53)を視聴してもよい

量をそろえて重さを比べ、手ざわりや形に違いがあることからもふしぎを探す。

教師の支援

ふしぎを見つけられない児童には、見つけるためのヒントとして、動画を見る機会を作る。

何か(重さ、量、形、手ざわり)に注目して比べ、相違点や共通点を探すことで、ふしぎを見つけたことに気付けるように支援する。

15分

シート

「注目したこと」や「ふしぎに思ったこと」、「その理由」をまとめる。

教師の支援

形や材質などの「注目したこと」を書いてから、「ふしぎに思うこと」や「その理由」を書くように指導する。

同じ量にそろえて重さをはかってみると違いがはっきりすることを確認する。

ステップ(5) 調べたいふしぎをしぼる
確かめられるかどうかで「調べるふしぎ」を決める

シート

ステップ(5)の流れ

15分

どんなふしぎを見つけたのかを発表する。

  • 水よりもトロトロのココアが重いのはなぜ?
  • 見た目は似ているのに、なぜザラザラしていると重くて、サラサラしていると軽いのか?
  • どんなものが重いのか?
  • ひとつぶだと重さの違いが分からないけど、量が多いと違いがはっきり分かるのはなぜ? など

教師の支援

大型モニターと児童のタブレット端末に同時に一覧表示。

クラス全体で児童の考えを共有する。

意見を板書して整理する。

この学年で解決できない「ふしぎ」でも見つけたことを賞賛し、上の学年で知識が増えたら確かめようと伝える。

自分たちで確かめられるふしぎはどれか、調べたいふしぎを話し合って決める。

教師の支援

「自分たちで確かめられる」とともに「最初に確かめるとよい」「多くの児童が確かめたい」などの基準で、単元の狙いにつながるような「ふしぎ」を選べるように支援する。

ステップ(6) 実験計画を立てる
ふしぎについて、調べる方法を考える

シート

ステップ(6)の流れ

5分

シート

ふしぎに思うことを調べる方法を考える。

調べるふしぎの例

  • どんなものが重いのか。
  • いろいろなものの体積をそろえて重さを比べてみたとき、一番重いのはどれか。 など

教師の支援

A・Bのどちらか選択して授業を進める。
【A】同じようなふしぎを見つけた児童でグループを作る。
【B】クラスみんなで解決したいものを1つ選ぶ。

動画④「番組シーン⑩」(8'53~10'00)を視聴してもよい

教師の支援

ふしぎの調べ方を考える際のヒントとして、番組を参考に見ることもできるようにする。

5分

シート

ふしぎについて調べる実験方法を発表する。

教師の支援

児童が考えた実験方法を板書する。

次時以降(6~8時間目)

  • 自分たちで選んだふしぎに対して、自分たちの考えた調べ方で「実験」をする。
  • 実験結果からわかったことを話し合い、 物の形や体積と重さとの関係についてまとめる。