◇意見を板書して整理する。(大きさ、見た目、材質、手触りなど)
「身の回りにある」ふしぎを扱う
- 児童が自分たちで活動して気付いたことをそのまま教材として使うことで、身近な問題として捉えることができます。
「ふしぎを見つける」ための展開
- 2つの物体を見比べたときに気付いたことを、思考ツールを使うなどして整理することで、身の回りにあるふしぎを見つけることができます。
「ふしぎを見つける」方法を知る
- 対象について何かに注目して比べることで、ふしぎに思うことが見つかる体験を通して、比較して問題を見いだすコツをつかむことができます。
前時まで(3時)
- 粘土やアルミニウム箔を使った実験などを通して、物は形が変わっても重さは変わらないことを確かめ、物の形と重さの関係をまとめる。
本教材の活用(2時)※8時間単元の4時、5時
物の量や大きさ、重さに着目し、差異点や共通点についてじっくりと考えていく中で、ふしぎを発見できるように設計。
~1時~
<ステップ(1) ふしぎ探しのテーマを把握> ものの重さについて「ふしぎ」を見つけるという課題をつかむ
- 動画を視聴して、大きいけれど軽い石と小さいけれど重い石の観察結果から、重さの違う石を大きさに注目して比べると「ふしぎ」が見つかったことを知る。
- 重いもの、軽いものについて、興味をもち、そこからものの重さについてのふしぎを見つけるという課題をつかむ。
<ステップ(2) ふしぎを見つける準備> 何かに注目して比べるという「ふしぎを見つけるコツ」を知る
- 番組の児童が見つけたふしぎを参考にして、ふしぎが見つかるまでの考え方を追体験する。
- 思考ツールなどを使って、似ているところや違っているところを整理し、これまで常識と思っていた場合と比べて違うことから「ふしぎ」に思ったことを知る。
<ステップ(3) 新たなふしぎの手がかり探し> 差異点と共通点を探して、「ふしぎの手がかり」を整理する
- 動画を視聴して、量や大きさをそろえて、飲み物(液体)や粉の重さを比べることで、「ものの重さのふしぎ」を見つけるという新たな課題をつかむ。
- 飲み物(液体)や粉について、重さを比べ、手ざわりや形など、似ているところや違っているところを探して、気付いたことを整理する。
- 重さを比べるには、量をそろえて比べる必要があることも把握する。
~2時~
<ステップ(4) ふしぎを見つける> 「ふしぎの手がかり」を使って「ふしぎ」を見いだす
- 量をそろえて重さを比べ、何か(重さ、量、形、手ざわり)に注目して、相違点や共通点を探すことで、ふしぎを見つける。
- 他の人の別の組み合わせから気付いた手がかりも参考にする。
<ステップ(5) 調べたいふしぎをしぼる> 確かめられるかどうかで「調べるふしぎ」を決める
- クラスで見つけたたくさんのふしぎから、「確かめたいふしぎ」をしぼる。
- 自分たちで確かめられるふしぎはどれか、調べたいふしぎを話し合って決める。
<ステップ(6) 実験計画を立てる> ふしぎについて、調べる方法を考える
- 自分たちが確かめたいとこと(ふしぎ)は何かを意識して、計画を立てるようにする。
【次時以降】
- 自分たちで選んだふしぎに対して、自分たちの考えた調べ方で「実験」をする。
- 物の体積と重さの関係について、わかったことを話し合い、まとめる。
- 3年生の学習では、比較して問題を見つける活動を重視している。
そこでこの教材では、「ふしぎ」をどう見つけるかについて、思考ツールを活用することで、児童が自ら意識して思考できるように設計している。
<ベン図> 似ているところと違うところを探すことで気付きを広げる
- 比べる片方の石(など)の写真を左の円の上、もう片方の石(など)の写真を右の円の上に置く。
- 2つの石(など)を比較したときに、似ているところと違っているところについて、それぞれ円の重なり部分、円の残り部分に気付いたことを箇条書きする。
- 1つのベン図で考えるだけではなく、複数のベン図同士を比較して、違うところを探すことでも、ふしぎは見つかる。
活用単元
第3学年A(1)物と重さ
物の性質について、形や体積に着目して、重さを比較しながら調べる活動を通して、次の事項を身に付けることができるよう指導する。
-
ア次のことを理解するとともに、観察、実験などに関する技能を身に付けること。
(イ)物は、体積が同じでも重さは違うことがあること。 -
イ物の形や体積と重さとの関係について追究する中で、差異点や共通点を基に、物の性質についての問題を見いだし、表現すること。
教材を活用する際の注意点
- 主体的・対話的な学びを行うには、観察や実験で発見したことなどについて自分なりの考えをもつことから始める。
- 実験の際に目的意識を見失い、単に物の重さを比べる活動で終わってしまう場合があるので、児童の問題意識の醸成をはかる活動を十分に確保する。
- 「手触りと重さの関係」についての問題は、質的な見方を働かせて物を捉えた一例であるので、視聴後にこの問題だけに特化した展開にならないように注意する。
- 思考ツールについては、使い方がわからない児童には適切な支援・助言をする。
授業の流れ
〇 学習活動 ● 番組 ◎ 動画クリップ □ 教材
■ 記入式シートなど ◇ 支援
4時間目
この時間の詳細ステップ(1) ふしぎ探しのテーマを把握
ものの重さについて「ふしぎ」を見つけるという課題をつかむ
ステップ(1)の流れ
4分
○重いものと軽いものにはどのような違いがあるのかを発表する。
3分
●動画①「番組シーン①~③」(0'00~3'14)を視聴する
3分
○動画①を見て、重いものと軽いもののふしぎを見つけるという課題を共有する。
- 大きくても軽い石もある。
- 大きさと重さには、どんな関係があるのか、いろいろ比べたい。
- いろいろな視点で比べてみたいな。
- どんなふしぎが見つかるだろう。
◇比べることで、ふしぎの手がかり(おや? どうして? という違和感)が見つかることに気付けるよう支援する。
重いものと軽いものをくらべて ふしぎを見つけよう
重いものと軽いものをくらべて ふしぎを見つけよう
ステップ(2) ふしぎを見つける準備
何かに注目して比べるという「ふしぎを見つけるコツ」を知る
ステップ(2)の流れ
5分
○大きいが軽い石と小さいが重い石の観察をする。
○大きくて重い石と小さくて軽い石の観察もする。
◇用意できれば、大きく軽い石、小さく重い石、同じ材質の大きく重い石を見たり、持ち上げたり、触ったりできるようにしておく。
10分
○それぞれの石を比べて気付いたことを書き出す。
◇ふしぎの手がかりを見つけるのが難しい場合には、下記のベン図を使って支援することも考えられる。
■記入シート①(ベン図)と資料シート①(普通の石で比較した記入済みベン図)を配布する。
◇ベン図の上部に、比べた2つの石の写真を置くよう指導する。
◇2つの石の似ているところを中央に、違っているところを左右に、カードで書くように指導する。
◇すべての枠を埋めなくてもいいと伝える。
○2つのベン図を「大きさ」「重さ」に注目して見比べて、番組で見つけた「ふしぎ」を確認する。
- 大きい方が重いと思ったのに、軽いのがふしぎ
◇常識の方のベン図は、すでに埋まっているものを用意する(時間短縮する場合は、2枚とも完成したものを用意し、分析だけする)。
◇よく見かける同じ材質で大きさの違う石を比べたときのベン図と比較して、いつもと違うことにふしぎを感じていることに気付けるようにする。
※資料シート②-2を参考にしてもよい。
◎ベン図を使って、ふしぎの手がかりを見つける方法がわかりにくい場合は、動画クリップ「理科の見方・考え方 比較するとき」をみんなで視聴する。
◎比べる方法がわかりにくい児童が多い場合は、ベン図を使って、ふしぎの手がかりを探す方法を知るために、クリップを見る機会を作る。
ステップ(3) 新たなふしぎの手がかり探し
差異点と共通点を探して、「ふしぎの手がかり」を整理する
ステップ(3)の流れ
2分
◇ものの重さについて、新しいふしぎをさがす。
■記入シート②(ベン図)を配布する。
●動画②「番組シーン④⑤」(3'14~4'57)を視聴する
◇新たなふしぎを見つけるために、動画を見ることを伝える。
量をそろえて重さをくらべて ふしぎを見つけよう
5分
○みんなの気付きを発表する。
- トロトロのココアの方が水より重い
- ザラザラの食塩は、サラサラの小麦粉より重い
- 少量では同じ重さでも、量を多くすると重さが違う など
◇大型モニターと児童のタブレット端末に同時に一覧表示。
◇クラス全体で児童の写真を共有する。
量をそろえて重さをくらべて ふしぎを見つけよう
5時間目
この時間の詳細ステップ(4) ふしぎを見つける
「ふしぎの手がかり」を使って「ふしぎ」を見いだす
ステップ(4)の流れ
○手がかりから「ふしぎ」を見つけ出す。
■記入シート③(ふしぎを見つけようシート)を配布する。
5分
●動画③「番組シーン⑥~⑨」(4'57~8'53)を視聴してもよい
○量をそろえて重さを比べ、手ざわりや形に違いがあることからもふしぎを探す。
◇ふしぎを見つけられない児童には、見つけるためのヒントとして、動画を見る機会を作る。
◇何か(重さ、量、形、手ざわり)に注目して比べ、相違点や共通点を探すことで、ふしぎを見つけたことに気付けるように支援する。
ステップ(5) 調べたいふしぎをしぼる
確かめられるかどうかで「調べるふしぎ」を決める
ステップ(5)の流れ
15分
○どんなふしぎを見つけたのかを発表する。
- 水よりもトロトロのココアが重いのはなぜ?
- 見た目は似ているのに、なぜザラザラしていると重くて、サラサラしていると軽いのか?
- どんなものが重いのか?
- ひとつぶだと重さの違いが分からないけど、量が多いと違いがはっきり分かるのはなぜ? など
◇大型モニターと児童のタブレット端末に同時に一覧表示。
◇クラス全体で児童の考えを共有する。
◇意見を板書して整理する。
◇この学年で解決できない「ふしぎ」でも見つけたことを賞賛し、上の学年で知識が増えたら確かめようと伝える。
○自分たちで確かめられるふしぎはどれか、調べたいふしぎを話し合って決める。
◇「自分たちで確かめられる」とともに「最初に確かめるとよい」「多くの児童が確かめたい」などの基準で、単元の狙いにつながるような「ふしぎ」を選べるように支援する。
ステップ(6) 実験計画を立てる
ふしぎについて、調べる方法を考える
ステップ(6)の流れ
5分
○ふしぎに思うことを調べる方法を考える。
※調べるふしぎの例
- どんなものが重いのか。
- いろいろなものの体積をそろえて重さを比べてみたとき、一番重いのはどれか。 など
◇A・Bのどちらか選択して授業を進める。
【A】同じようなふしぎを見つけた児童でグループを作る。
【B】クラスみんなで解決したいものを1つ選ぶ。
●動画④「番組シーン⑩」(8'53~10'00)を視聴してもよい
◇ふしぎの調べ方を考える際のヒントとして、番組を参考に見ることもできるようにする。
5分
○ふしぎについて調べる実験方法を発表する。
◇児童が考えた実験方法を板書する。
次時以降(6~8時間目)
- 自分たちで選んだふしぎに対して、自分たちの考えた調べ方で「実験」をする。
- 実験結果からわかったことを話し合い、 物の形や体積と重さとの関係についてまとめる。
配布シート
ステップシート①
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動画シート①
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ステップシート②
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文字パーツ
・共通タイトル
ステップ(2)ふしぎを見つけるじゅんび
何かに注目してくらべると「ふしぎの手がかり」が見つかることを知ろう!
・本文
活動① 「大きくて軽い石と小さくて重い石」、「大きくて重い石と小さくて軽い石」、それぞれをペアでかんさつしよう
活動② しりょうシート①に書かれている「大きくて重い石と小さくて軽い石」をくらべて気づいたことをさん考にして、記入シート①に、「大きくて軽い石と小さくて重い石」についても、くらべて「にているところ」と「ちがうところ」を白のカードで書き出そう
書き方がわからないときにはクリップ①を見て、さん考にしてね
活動③ 気づいたことを書き終えたら、記入シート①としりょうシート①を見くらべよう「大きさ」と「重さ」に注目すると……
どうして「ふしぎ」だと思ったのか、わかったかな?
・フキダシ
「ふしぎ」を見つけるには、何かに注目してくらべることが大事だよ!
持ち上げたり、さわったりするとふしぎの手がかりが見つけやすいワオ!
いつものけいけんとくらべると?
ふしぎの見つけ方わかったワーォ?
記入シート①
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文字パーツ
・共通タイトル
ステップ(2)ふしぎを見つけるじゅんび
何かに注目してくらべると「ふしぎの手がかり」が見つかることを知ろう!
・小見出し
重いものと軽いものをくらべてふしぎを見つけよう
・思考ツール
ちがう
にている
資料シート①
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文字パーツ
・共通タイトル
ステップ(2)ふしぎを見つけるじゅんび
何かに注目してくらべると「ふしぎの手がかり」が見つかることを知ろう!
・小見出し
重いものと軽いものをくらべてふしぎを見つけよう
・思考ツール
ちがう
にている
資料シート②-1
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資料シート②-2
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動画シート②
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ステップシート③
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文字パーツ
・共通タイトル
ステップ(3)新たなふしぎの手がかりさがし
重さをくらべて「ちがうこと」と「にていること」をさがそう!
・本文
活動① 番組動画②を見て、ものの重さについての新しい「ふしぎ」を見つける手がかりをさがそう
活動② 動画やしりょうシート③を見て、気づいたことは、くらべたそざいべつに、記入シート②に、白のカードで書き出そう
活動③ グループでそざいをえらんで重さをくらべ、気づいたことを、記入シート②に、白のカードで書いてもいいよ
活動④ みんなの気づきを発表しよう
・フキダシ
今度は、どんなふしぎが見つかるワーオ?
「ちがうところ」「にているところ」、何に注目してくらべる?
くらべている注目点が同じものは、横ならびにおくと見やすくなるワオ!
記入シート②
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文字パーツ
・共通タイトル
ステップ(3)新たなふしぎの手がかりさがし
重さをくらべて「ちがうこと」と「にていること」をさがそう!
・小見出し
量をそろえて重さをくらべてふしぎを見つけよう
・思考ツール
ちがう
にている
動画シート③
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ステップシート④
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文字パーツ
・共通タイトル
ステップ(4)ふしぎを見つける
「ふしぎの手がかり」を使って「ふしぎ」を見つけよう!
・本文
活動① 記入シート②で「気づいたこと」の中から「おや?」と思うことをさがして、○でかこおう
記入シート③に「何に注目してくらべたのか」「何をふしぎに思ったのか」を書いてから、「ふしぎに思った理由」も書き出そう
活動② 集めた手がかりから「ふしぎ」を見つけるコツを知るため、番組動画③を見てもいいよ
動画やしりょうシート④を見て、気づいたことは記入シート③に書きくわえてもいいよ
・フキダシ
くらべるそざいがちがうと、注目点もかわって、見つかるふしぎもかわるワォ!
「なんでちがう?」「どうしてみんな同じ?」など、「おや?」と思うことからふしぎが見つかるワオ!
どこに注目してくらべたら、ふしぎが見つかったのかな?
記入シート③
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動画シート④
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ステップシート⑤
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ステップシート⑥
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動画シート⑤
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