考える授業の流れ

「身の回りにある」ふしぎを扱う

  • 児童が自分たちで撮影した写真をそのまま教材として使うことで、身近な問題として捉えることができます。

「ふしぎを見つける」ための展開

  • 2つの写真を見比べたときに気付いたことを、思考ツールを使うなどして整理することで、身の回りにあるふしぎを見つけることができます。

「ふしぎを見つける」方法を知る

  • 対象について何かに注目して比べることで、ふしぎに思うことが見つかる体験を通して、比較して問題を見いだすコツをつかむことができます。

授業の流れ

〇 学習活動 ● 番組 ◎ 動画クリップ □ 教材
■ 記入式シートなど ◇ 支援

ステップ(1) ふしぎを見つける準備
何かに注目して比べると「ふしぎの手がかり」が見つかると気付く

シート

ステップ(1)の流れ

3分

これまでどんな所で「かげ」を見たことがあるのかを発表する。

教師の支援

意見を板書して整理する。(校舎、人、自転車、鉄棒、など)

6分

シート

動画①「番組シーン①~③」(0'00~3'32)を視聴する

番組を見て、かげについてのふしぎを見つけるという課題を共有する。

  • いろいろな視点で比べてみたいな。
  • かげの大きさ、濃さ、向きとか、いろいろ比べたい。
  • どんなふしぎが見つかるだろう。

教師の支援

比べることで、ふしぎの手がかり(おや? どうして? という違和感)が見つかることに気付けるよう支援する。

かげをくらべて ふしぎをさがそう

かげをくらべて ふしぎをさがそう

ステップ(2) ふしぎさがしのための材料集め
身近なかげの写真をみんなでたくさん撮る

シート

ステップ(2)の流れ

10分

教室から出て、いろいろなかげの写真を撮影する。
1人1つのかげの写真を撮って帰ってくる。

教師の支援

「かげ」と「かげをつくっているもの」の両方が映っている写真を撮影するよう伝える。

5分

どこで撮った写真なのかを発表する。

教師の支援

大型モニターと児童のタブレット端末に同時に一覧表示。

クラス全体で児童の写真を共有する。

ステップ(3) ふしぎの手がかりを整理
差異点と共通点を探して整理する

シート

ステップ(3)の流れ

3分

一覧表示した写真の中から2つ選び、自分の端末に取り込む。

教師の支援

ふしぎの手がかりを見付けるのが難しい場合には、下記のベン図を使って支援することも考えられる。

8分

シート

2つの写真を見比べて気付いたことを書き出す。

教師の支援

記入シート①(ベン図)を配布する。

ベン図の上部に2つの写真を置くよう指導する。

2つの写真の似ているところを中央に、違っているところを左右に、カードで書くように指導する。

すべての枠を埋めなくてもいいと伝える。

ベン図を使って、ふしぎの手がかりを見つける方法がわかりにくい場合は、クリップ①「理科の見方・考え方 比較するとき」をみんなで視聴する。

教師の支援

比べる方法がわかりにくい児童が多い場合は、ベン図を使って、ふしぎの手がかりを探す方法を知るために、クリップを見る機会を作る。

3分

シート

動画②「番組シーン④~⑥」(3'32~6'15)を視聴する

教師の支援

見つけきれない児童の補助に動画を見る機会を作る。

2分

番組を見て、新たに気付いたことをベン図に追加する。

教師の支援

大きさ、濃さ、向きなど、何かに注目して、違いを探していることを助言する。

5分

みんなの気付きを発表する。

教師の支援

大型モニターと児童のタブレット端末に同時に一覧表示。

クラス全体で児童の写真を共有する。

ステップ(4) ふしぎを見つける
「ふしぎの手がかり」を使って「ふしぎ」を見いだす

シート

ステップ(4)の流れ

5分

シート

動画③「番組シーン⑦~⑨」(6'15~8'49)を視聴する

番組を見て、共通点からもふしぎが見つかることを知り、自分の手がかりから、ふしぎを探す。

同じかげでも別の時間で比べると、違いがあることからもふしぎを探す。

教師の支援

ふしぎを見つけるためのヒントとして、動画を見る機会を作る。

何かに注目して、共通点を探して、ふしぎを見つけたことに気付けるように支援する。

同じかげでも、時間が違うとどうなるかにも注目して、ふしぎを探しても良いと伝える。

15分

シート

「注目したこと」や「ふしぎに思ったこと」、「その理由」をまとめる。

教師の支援

記入シート②(ふしぎを見つけようシート)を配布する

差異点と共通点から、「なんで違う?」「どうしてみんな同じ?」など、「おや?」と思うものを見つけるように助言する。

形や色などの「注目したこと」を書いてから、「ふしぎに思うこと」や「その理由」を書くように指導する。

15分

どんなふしぎを見つけたのかを発表する。

それぞれのふしぎに対して、自分の予想を発表する。

  • かげができる方向が同じなのは何で?
  • どんなものにもみんなかげがあるのは何で?
  • くもりになると影が薄くなるのは何で?
  • 時間が違うとかげの長さが違うのは何で? など

教師の支援

大型モニターと児童のタブレット端末に同時に一覧表示。

クラス全体で児童の考えを共有する。

意見を板書して整理する。

ステップ(5) 観察計画を立てる
見つけたふしぎについて予想し、確かめる方法を考える

シート

ステップ(5)の流れ

5分

シート

ふしぎに思うことがどうして起こるのか、原因を予想する。

  • かげの反対側に光がある、間のものが光をかくす
  • 太陽の光が当たるとみんなかげができる
  • 遠いと太陽の光が回り込むからかげが薄くなる
  • 太陽の反対側にできるから向きが一緒
  • かげの長さは時間がたつと変わっていく
  • かげの長さが変わるのは太陽と関係する など

教師の支援

A・Bのどちらか選択して授業を進める。
【A 同じようなふしぎを見つけた児童でグループを作る。】
【B クラスみんなで解決したいものを1つ選ぶ。】

予想を確かめる方法を考える。

動画④「番組シーン⑩」(8'49~10'00)を視聴してもよい

教師の支援

ふしぎの確かめ方を考える際のヒントとして、番組を参考に見ることもできるようにする。

5分

予想を確かめる実験方法を発表する。

教師の支援

児童が考えた実験方法を板書する。

エクストラステップ 考え方の振り返り
自分の「ふしぎ」が、どうやって生まれたかをふり返る

シート

エクストラステップの流れ

シート

これまでの活動をふり返って、どうしてふしぎに思ったのかについて、考える。

自分のふしぎがどうやって生まれたかを発表する。

教師の支援

番組の児童のふしぎがどう生まれたかを参考にして、自分のふしぎが生まれたのは、何かに注目して、比べたからであると実感できるように支援する。

児童が考えた記入シート①(ベン図)、記入シート②(ふしぎを見つけようシート)を見ながら考えるように伝える。

次時以降(3~7時間目)

  • かげのふしぎについて、自分たちで考えた実験方法で実験をする。
  • 実験結果からわかったことを話し合い、太陽の向きとかげの向きの関係についてまとめる。
  • また、児童からの発想がでなかった場合は、追加実験として、遮光板などを利用して時間の経過による太陽の位置の変化とかげの向きを確かめる実験を行う。
  • 時間の経過とともに、太陽の位置が変わるとかげの向きや長さも変わることについてまとめる。