考える授業の流れ

「身の回りにある」ふしぎを扱う

  • 身の回りにある生き物や事象を教材として使うことで、身近な問題として捉えることができます。

「ふしぎを見つける」ための展開

  • 様々な生き物や事象について比べたときに気付いたことを、思考ツールを使うなどして整理することで、身の回りにあるふしぎを見つけることができます。

「ふしぎを見つける」方法を知る

  • 対象について何かに注目して比べることで、ふしぎに思うことが見つかる体験を通して、比較して問題を見いだすコツをつかむことができます。

授業の流れ

〇 学習活動 ● 番組 ◎ 動画クリップ □ 教材
■ 記入式シートなど ◇ 支援

ステップ(1) 課題の把握
ふしぎを見つけるポイントを探すという課題をつかむ

シート

ステップ(1)の流れ

2分

理科の学習の流れと、3年生としての目標を確認する。

教師の支援

身の回りからふしぎを見つけ、観察したり実験して調べたりしてふしぎを解決するという過程とともに、その中でも特に「ふしぎを見つける」ことが3年生の目標であることを捉えることができるよう説明する。

5分

シート

動画①「番組シーン①~③」(0'00~2'42)を視聴する

動画を見て、「ふしぎを見つけるためのポイント」を探すという課題を共有する。

  • どうやったらふしぎが見つかるの?
  • 確かに何を観察したらいいかわからないね。

教師の支援

番組内で児童がどのように困っていたかを確かめることで、ただ観察をすればよいというわけではないことに気付けるようにする。

ふしぎを見つけるポイントはなんだろう?

ふしぎを見つけるポイントはなんだろう?

ステップ(2) ふしぎ探しのための手がかりの収集と整理
2種類の葉(写真)を比べて、相違点・共通点を探す

シート

ステップ(2)の流れ

3分

これまで身の回りのことで、ふしぎに思ったことについて話し合う。

  • なぜ夏は暑いの?(他の季節と比べて)
  • なぜアリはあんなに小さいの?(他の生き物と比べて)
  • なぜ春になると花がさくの?(共通点に着目している)

教師の支援

児童のふしぎに対して切り返し、発言を引き出すことで、無意識のうちに何かと比べていることに気付けるように支援する。

多くの場合が「ちがい」に注目したことで生まれたふしぎであることが予想されるが、「同じ」であることに対してふしぎに思ったことについても取り上げ、学級で共有する。

児童の「ちがい」や「同じ」「似ている」、「比べて」などの発言を簡単に板書しておくことで、比べることでふしぎが生まれていることに気付くことができるよう支援する。

2分

シート

動画②「番組シーン④⑤」(2'43~4'47)を視聴する

教師の支援

話し合いの中で出てきた気付きと同様に「比べる」ことがキーワードであることを確認できるようにする。

動画視聴後、比べることでふしぎが見つかるか実際に体験することを伝え、次の活動に意欲を持てるようにする。

5分

シート

2種類の葉(写真)を見比べて気付いたことを書き出す。

教師の支援

ふしぎの手がかりを見付けるのが難しい場合には、下記のベン図を使って支援することも考えられる。

記入シート①(ベン図)を配布する。

2つの植物の似ているところを中央に、違っているところを左右に、カードで書くように指導する。

カードに書く際は「形が~」「色が~」「もようが~」など視点が分かるように主語を書くよう指示する。

ベン図にカードを整理する際、同じ視点(形、色など)での気付きについては、ばらばらに貼るのではなく、横並びに貼ることで、見やすくなることを伝える。

ベン図を使って、ふしぎの手がかりを見つける方法がわかりにくい場合は、動画クリップ「理科の見方・考え方 比較するとき」をみんなで視聴する。

教師の支援

比べる方法がわかりにくい児童が多い場合は、ベン図を使って、ふしぎの手がかりを探す方法を知るために、クリップを見る機会を作る。

2分

比べながら観察することで気付いたことをペアで交流する。

教師の支援

記入シート①(ベン図)を見せたり、端末に送ったりして相手に示しながら交流する。

交流したことで、新たに気付いたことは加筆してよいことを伝える。

6分

学級全体で交流する。

教師の支援

発表する際も、どこに注目したか(視点)が分かるように説明するよう伝える。

「形」「数」「大きさ」などの視点を分かりやすく板書する。その場で、出てきた視点をカード(掲示物)にして今後も活用できるようにしておくことも考えられる。

視点をはっきりとさせて比べながら観察したことで、ふしぎを見つけるための手がかりがそろったことを伝えることで、ふしぎを見つける過程についても理解できるようにする。

ステップ(3) ふしぎを見つける
観察して気付いたことをもとにふしぎを見つけて、ふしぎの見つけ方を確かめる

シート

ステップ(3)の流れ

5分

シート

整理したことで見つけた共通点や差異点からふしぎを探し、ピンクのカードに書き出し、ベン図に整理する。

教師の支援

比較することからふしぎを見つける体験をすることが狙いなので、比較しなくても見つかるふしぎしか書けていない児童には、そのふしぎも許容するが、比べたことをもとにも考えるよう促す。

動画③「番組シーン⑥〜⑨」(4'48~8'54)を視聴してもよい

教師の支援

ふしぎを見つけにくい児童には、ふしぎを見つける視点を得るために動画を視聴してよいことを伝える。

8分

学級全体でふしぎを交流する。

教師の支援

発表者のベン図を大型モニターに映し、ふしぎを発表する場を設ける。

形や色など、何に注目して見つけたふしぎかがわかるように、視点ごとにグルーピングしながら板書する。

他者の見つけたふしぎに共感できたら、ベン図にふしぎを追加してよいことを伝える。

教師から「花とブランコは、なぜ大きさがちがうの?」などの全く違うものを比較したときを例示し、同じ仲間や似ているものを比較することで質の高いふしぎを見つけることができることを確認する。

ステップ(4) 考え方の振り返り
自分のふしぎが、どうやって生まれたか振り返ろう!

シート

ステップ(4)の流れ

4分

シート

どのようなふしぎを見つけたか、何に注目して比べるとふしぎが見つかったかをまとめる。

教師の支援

記入シート②(ふしぎの見つけ方シート)を配布する

複数ふしぎを見つけた児童には、とっておきのふしぎを1つ選んでまとめるように指示する。

形や色など、何に注目して比べたかを示すことができるふしぎを選び、まとめるよう促す。

3分

ふしぎ見つけるためのポイントをまとめ、交流する。

教師の支援

ポイントについて自分なりの言葉でまとめるよう指示する。

他の人の発表を聞いて、参考になるポイントのまとめ方があれば加筆してよいことを伝える。

エクストラ活動

この時間の詳細

エクストラステップ(1) ふしぎの手がかり集め
校庭などで身の回りのものを比べながら観察する

シート

エクストラステップ(1)の流れ

5分

シート

観察の目的や教室外で観察する際の約束を確認する。

教師の支援

身の回りのものから比べたいものを選び観察するが、ふしぎを見つけることが目的であるため、その後の活動も意識して観察対象を選ぶように指示する。

観察するものについて教室でも確認できるようにタブレット端末で写真を撮影しておくよう伝える。

観察する際のマナーとしての植物や昆虫の扱い方や移動のときの約束や教室に戻る時刻などを確認するよう指導する。

観察して気付いたことはカードに書き出しておくことで、次の活動をスムーズに進めることができることを伝え、見通しを持って活動できるようにする。

動画④「番組シーン⑩」(8'55~10'00)を視聴してもよい

教師の支援

どんなものをくらべたらいいのか困っている児童に、ふしぎ探しの視点を得るために動画を視聴してよいことを伝える。

20分

校庭などで身の回りのものを比べながら観察する。

教師の支援

観察するものを決められずに困っている児童に声をかけ、前時の学習を想起できるようにするなどして支援する。

エクストラステップ(2) ふしぎを見つける
手がかりを整理して、ふしぎを見つける

シート

エクストラステップ(2)の流れ

8分

シート

観察して気付いたことをカードに書き出し、ベン図に整理する。

教師の支援

記入シート③(ベン図)を配布する。

観察の際に撮影した写真をベン図の左右の円の上に貼り付けてから、カードを位置付けていくよう指示する。

カードに書く際は「形が~」「色が~」「もようが~」など視点が分かるように主語を書くよう指示する。

ベン図にカードを整理する際、同じ視点(形、色など)での気付きについては、ばらばらに貼るのではなく、横並びに貼ることで、見やすくなることを伝える。

整理したことをもとに、ふしぎをピンクのカードに書き出してベン図に整理する。

7分

学級全体でふしぎを交流する。

教師の支援

発表者のベン図を大型モニターに映し、ふしぎを発表する場を設ける。

形や色など何に注目して見つけたふしぎかがわかるように、視点ごとにグルーピングしながら板書する。

他者の見つけたふしぎに共感できたら、ベン図にふしぎを追加してよいことを伝える。

エクストラステップ(3) 考え方の振り返り
自分の「ふしぎ」が、どうやって生まれたかを振り返る

シート

エクストラステップ(3)の流れ

5分

シート

どのようなふしぎを見つけたか、何に注目して比べるとふしぎが見つかったかをまとめる。

教師の支援

記入シート④(振り返りシート)を配布する

複数ふしぎを見つけた児童には、とっておきのふしぎを1つ選んでまとめるように指示する。

形、色など何に注目して比べたかを示すことができるふしぎを選び、まとめるよう促す。