GIGAサポ - 考える授業やるキット -

NHK for School

  • 小3
  • 理科

身近なものを使って好奇心をくすぐる!
“あかりがつくもの”に興味津々の実践授業

授業者
東京都渋谷区立幡代小学校 教諭 村田裕介
使用した学習支援ツール
ミライシード オクリンク

今回は「やるキット」を初めて活用した、渋谷区立幡代小学校3年生の授業の様子をお届け!
児童の様子や、「やるキット」を使ってみた先生の感想、活用のポイントもご紹介します。

「考える授業」の流れ

4時間目

ステップ(1) ふしぎを見つける準備 番組を視聴して活動への関心を高める

授業の初めに、今回の授業の流れを確認するため、「ふしぎエンドレス3年 あかりがつくものは?」の冒頭(0’00~3’34)を視聴。身の回りのものに導線をつなぎ、あかりがつくかどうかを確かめる場面です。児童は、「これはつくんじゃない?」「いや、つかないよ!」などと予想を立てながら、熱心に見ています。すでに、自分たちで確かめたい、という気持ちになっているようでした。
番組の視聴後、先生は、「今日は、ふしぎを見つけるのが『めあて』です。これってどうなっているのかな?なんでなのかな?ということを勉強していきましょう」と、あらためて今回の授業の目的を伝えました。

ステップ(2) ふしぎ探しのための材料集め 身の回りのものを写真に撮って集める

先生はその後、記入シート①(Yチャート)を全員に配布。自分たちの身の回りにある「回路の途中に入れたいもの」を探し、あかりがつくかどうか実験して、写真を撮り、Yチャートの「身の回りのもの」に追加していくよう説明しました。
活動は3人1グループで進められました。活動スタートの号令を待ちきれず、どんどん試してみたい!と動き出した児童たち。ランドセルの金具、ドアの銀色の部分、チョーク、磁石、そろばんまで持ち出して次々と写真に収めます。「キラキラしているからあかりがつきそう」と、予想を口にしながら実験している児童もいました。時間は14分近く設けられたものの、時間内に終わらないほど活発に活動する様子が見られました。

ステップ(3) ふしぎの手がかりを整理 集めた写真をYチャートで分類

身の回りのものの写真が集まったら、Yチャートを使って「あかりがつくもの・つかないもの」に分類し、それぞれの共通点を探します。作業を始める前に、番組(3’40~5’26)を視聴し、活動のヒントを得られるようにしました。
共通点を探す際には、色に注目する児童が多くいました。先生が「色だけじゃなくて、いろんな注目の仕方があるよ」と声がけをすると、音やにおいを確かめる児童も出てきて、番組には出てこなかった新たな発想が生まれていました。ほかにも「かたさ、大きさ、場所」など、さまざまな点に注目してYチャートに書き加えていきます。グループごとにまとめたYチャートを提出したら、クラス全体で気付きを共有しました。

5時間目

ステップ(4) ふしぎを見つける 作ったYチャートをもとにワークシートに記入

グループワークを終え、記入シート②(ふしぎを見つけようシート)に児童それぞれで書き込む作業に移ります。「気になったところ」にグループで作ったYチャートを貼り付け、「見つけたふしぎ」、「ふしぎに思った理由」を書き込んでいきます。ヒントとして、番組(5‘27~7’18)を視聴し、番組内で紹介されていたシートも配布しました。児童はそれらを参考にしながら自分たちの考えを書いていきました。
最後に、水筒の筒の部分に注目し、「黒い部分はつかないけど、(黒が)削れているところはつく」ことに注目したシートを全員で確認すると、あかりがつくものの決まりについて、様々な予想が飛び交う様子が見られました。

実践した先生から

「やるキット」を活用した授業は、今回が初めてだったという村田先生。実際に使ってみた感想や、活用の際のポイントを教えていただきました。

「やるキット」を活用した村田先生の感想 

用意されている「記入シート」が便利でした。今回のシートは、児童自らが撮影した写真を教材として使うので、主体的に学習ができていると感じました。また、Yチャートを使って整理するという作業を通して、共通点や差異点を視覚的に認知し、思考の整理ができたようでした。
動画を見て活動の内容を確認したり、グループ活動を行ったりしたこともあってか、授業の参加率が高かったです。自分の考えをノートに書くことが難しかった児童もタブレットに書き込み、提出することができました。「自分の考えを何かしら書く」ということができたのは、プラスだったのではないかと考えます。作業に手間取ってしまう部分もありましたが、楽しんで活動できていたと思います。

村田先生から「やるキット」活用のポイント

●授業準備のお助けに 部分活用もしやすい!

「やるキット」のページにあらかじめ準備されている動画、シートを使うと、授業の準備がはかどります。ホームページにある通りに使わなくても、「シートだけを使う」など、部分的に活用することも可能です。

●児童に活動のヒントを示せる!

活動に移る前などに適宜番組を見せることで、児童に活動のヒントを見せることもできます。これによって、自信を持ち、安心して活動できる児童が増えることが期待できます。

●先生の使いやすい言葉にアレンジを!

キットに出てくる言葉が、教科書やふだんの授業で使われていない場合もあります。ふだん使っている言葉に置き換えて説明する、といったアレンジをすると、より児童に伝わりやすくなりそうです。
※文字パーツを使って自分でシートを作成すれば、シートをクラスの実態に合わせることもできます

授業実践の一覧へ戻る