先生による利用ガイド

一人一人が感じたことを言葉にして、みんなで考えよう!

宮崎県都城市立高城小学校 水野 宗市

1.道徳の学習に「カラフル」活用!

 道徳では「相手の立場を理解し、支え合う態度を身に付けること」「集団における役割と責任を果たすこと」が大事です。本校児童は、まだ自分中心の考え方が強く、相手の気持ちを考えることが苦手で毎日の生活の中でトラブルを起こすことがあります。番組「カラフル」は、同世代の様々な子どもたちの生き方・考え方に触れることができます。主人公の語りで進む内容、ドキュメントの持つ迫力により、子どもたちは「様々な環境の子どもたちとのふれあい」を通して、各自なりに何かを感じ取ることができます。その一人一人が感じたことを表現して整理しながら、道徳的価値と結びつけながら授業を進めていきます。道徳的価値としては「主として自分自身に関すること」「主として他の人とのかかわりに関すること」に関連することが多くなります。番組と副読本とを関連して年間計画を考えていくことで、より効果的な指導ができます。

2.実際の活用

~第2回・あの日から始めたこと~
【ねらい】
(1)続けることとそれを支える思いの大事さ、郷土を愛する心に気づく。
【授業の流れ】
番組「あの日から始めたこと」を視聴する。
(2)番組を見てそれぞれ感じたことを考え、発表し合う。(発表内容を板書する)
・ 互いの発表を認めながら聞く。
※児童の意見は概ね「魁君が鐘撞きを続けたこと」と「被災者のためにがんばっていること」の2つに分かれた。
(3)番組について考える。(教師の発問)
・ 魁君はどうして罪悪感を感じたのか。
・ どうして、魁君はずっと鐘をついているのだろう。
(4)本時学習のまとめをする。
・『「思い(被災者、郷土)」を持つことで「続けること」ができたこと』をまとめる。
(5)話し合って感じたことを作文にまとめる。

3.認め合える喜びを感じよう

 授業を校長や学年の先生方、保護者に見てもらった時に「これは、いい!」と言っていただけるためのポイントがあります。子どもたちの発言です。「こんなことを言うなんて、言えるなんて・・・」という感想を持ってもらうのです。そのためには、教師は余計なことをしてはいけません。見方も視点も一切支持しません。ただ、普段の授業で、「なにを言ってもいい」「なんでも聞いてもらえる」という認め合える雰囲気を作っておきます。
「カラフル!」はいろんな見方ができる番組です。一人ひとりの子どもたちが、自分らしくとらえたことがみんなに認められたとき“やさしい雰囲気”が生まれます。