授業例

「新聞を作る」の回を使った授業例

京都市立藤城小学校 教諭 堀川紘子

6年生 朝の会・国語科「新聞にまとめよう」

私の担任する学級では、毎日朝の会で「気になったニュース」や「興味のあること」をもとに1分間スピーチに取り組んでいる。スピーチで自分の興味のあることを伝えることには慣れてきていたが、読み手を意識して文章を書く経験を充実させたいという思いがあった。そこで、本実践では、「気になったニュース」や「伝えたいこと」を新聞にまとめる学習に取り組んだ。

指導計画(全2時間)

学習活動
1時間目 「しまった!」を視聴することを通して、記事にしたい事柄の選び方や新聞の書き方、レイアウトの工夫について学んだことをもとに、新聞をつくる。
2時間目 記事を推敲し、新聞を完成させる。

本時の展開(第1時/全2時間)

時間 ・学習活動 ・指導上の留意点
10分 ・「しまった! 新聞を作る」を視聴する。 ・番組を視聴して学んだことや考えたことをノートにメモするように伝えておく。
気になったニュースや興味のあることを新聞にまとめて伝えよう
5分 ・番組を視聴して新聞づくりのポイントについてわかったことや考えたことを交流する ・必要に応じて、「しまった!」のクリップ動画や
まとめのシーンを印刷して、振り返りがしやすくしておく。
5分 ・これまでの経験を振り返り、読み手が興味をもって新聞を読むための工夫について考える。 ・見出しやレイアウトの工夫、写真やイラスト、4コマ漫画など、これまで新聞を読んだ経験を振り返り、読み手を引き付ける工夫について考えられるようにする。
20分 ・新聞づくりに取り組む。 ・新聞が書き出せない子には、どのようなテーマで取り組むか、友達とアイデアを出し合わせて、テーマが決められるようにする。
5分 ・本時を振り返る。 ・新聞を作る中で、レイアウトの工夫や読み手を意識した工夫を取り入れた記事の書き方を全体に紹介し、よさを共有できるようにする。

番組活用のポイント

ポイント1 「どんなテーマで新聞をつくるかアイデアを出し合う」

どのようなテーマで新聞をつくるかアイデアがなかなか浮かばない子たちがいました。そこで、友達がどんなテーマで新聞づくりに取り組もうとしているか、またどんなテーマなら面白いかについて考える学習を取り入れました。すると、友達のアイデアを聴き、「自分も同じテーマで書きたい」と思う子たちが出てきました。書き始める前に書くためのイメージを広げることの大切さを感じました。

ポイント2 「話し言葉と書き言葉」

新聞づくりをする中で、つい話し言葉で書いてしまう子がいます。そこで、国語「表現を選ぶ」(光村図書・6年)での学習を振り返りながら、話し言葉と書き言葉の表現の違いについて確認しました。伝える相手(読み手)が学級の友達であっても、他の人の目に触れることもあることも考え、適切な表現で書くことの大切さを意識させることができました。

ポイント3 「読み手に興味をもって読んでもらえるような工夫を考える」

本時では「これまでの新聞を読んだ経験を振り返る」という学習を取り入れました。子ども新聞を読んでいる子たちもいますが、多くは一般的な新聞を読んでいます。そこで、自分たちが「読みたい」と思った新聞の内容や書き方(レイアウト)は何かを考えさせました。すると、「今の流行がわかる」記事や、「四コマ漫画」「わかりやすい写真やイラスト」が入っている記事は読むと発表していました。また、これまでの学習経験や番組で紹介されていた「見出しの工夫」も大切だという子たちもいました。身の回りにある新聞やニュースの中で、相手に興味をもって読んでもらうための工夫は何かについて考えることができました。

番組を利用して一言

授業前、子どもたちに新聞記事の参考例を見せました。すると子どもたちは、「こんなにたくさんの文章は書けない」や「5つぐらい話題がいるかな?」などと話していました。ですが、番組を視聴した後は、「いろんな話題を入れすぎると読みにくくなる」や「大事な記事から順番に書く」ということに気づいていました。文章量を多くするのではなく、レイアウトを工夫したり写真やイラストを効果的に入れたりすることで、より読みやすい新聞になることを学ぶことができました。子どもたちの新聞を読んでいると、見出しを工夫したり、問いかけの文章を取り入れて読み手を意識したりと、これまで学んだことを上手に取り入れて新聞を完成させていました。

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