「考えを整理する」の回を使った授業例

「インターネット検索」の回を使った授業例

京都市立藤城小学校 教諭 堀川紘子

6年生 社会科「長く続いた戦争と人々のくらし」

社会科での調べ学習でインターネットを活用することは多い。しかしながら、検索する際に「検索キーワード」が考えられなかったり、情報を絞りこんで検索することができなかったり、不確かな情報を鵜呑みにしてしまったりと、「しまった!」が起こりやすい。そこで、社会科の授業において、インターネット検索する際の「しまった!」について知り、情報をうまく収集できるよう番組を活用した。

本時の目標

学校放送番組「しまった!」を視聴し、インターネットで情報を収集する際に気を付けることについて知り、学習問題を解決するための調べ学習の見通しをもつことができる。

本時の展開

学習活動 ・児童の反応 ※支援
10分 1.「しまった! インターネット検索」をまるごと視聴する。 ※インターネットを利用した調べ学習をする際のコツについて学ぶことを伝える。
5分 2.番組を振り返り、インターネット検索で情報を上手に収集するためのコツについて話し合う。 ※インターネット検索の際に気を付けることについて考えられるようにする。
  • インターネットはたくさんの情報を手に入れることができるよ。
  • 不確かな情報があるから、鵜吞みにせずに他の情報と比較する。
  • 本も活用しながら調べることが必要。
5分 3.教科書の写真から、学習課題をつかむ。
戦時中、人々はどのような生活をしていたのでしょうか。
※「どのような生活をしていたのか」という部分に注目させ、具体的な検索キーワード(生活=食事、遊び、学校、仕事など)を連想させ、キーワードを組み合わせて調べることのよさに気づけるようにする。
※学習課題から連想できるキーワードを板書する。
  • 戦時中の子どもたちはどんな暮らしをしていたのかな。
  • どんな食事をしていたのかな。
20分 4.実際に検索キーワードを組み合わせてインターネットで検索する。 ※机間指導を通して、複数のサイトを比較して情報を収集することや、教科書や資料集と合わせて調べ学習している児童の様子をクラス全体に紹介する。
5分 5.学習の振り返りをする。 ※学習の振り返りを通して、これから調べ学習でインターネット検索する際に気を付けることや、他のメディアと合わせて調べることのよさに気付けるようにする。

番組活用のポイント

ポイント1 インターネット検索のよさと難しさについて考える

ネット検索は便利な反面、気を付けなければならないこともある。番組視聴を通して、ネット検索するときの「しまった!」を知った上で、情報を収集するツールとしてのネット検索の良さと気を付けることについて考えられるようにしたい。またすべてをネットで解決しようとするのではなく、教科書や資料集、図書資料などと合わせてネットを活用することで、より正確な情報を得られることに気づかせたい。

ポイント2 複数のサイトを比較する

インターネットで情報を検索することで、多くの情報を得ることができる。しかし、信頼できる情報かどうか怪しいものも含まれていることがある。そこで、複数のサイトを比較し、より信頼できる情報にたどりつけるように意識させて調べ学習に取り組ませたい。

ポイント3 学習問題に対する検索キーワードを自ら考える

授業において、子どもたちに提示される学習問題は様々である。その学習問題から自ら調べ学習に取り組んでいくとき、子どもたちがどのように情報を収集すればいいのかわからなくなる場合がある。例えば、鎌倉時代の導入単元では、平安時代と鎌倉時代では生活が変化したことについて学習する。しかし、その際の調べ学習として、具体的に何について調べたら変化が読み取れるのか、自分なりに調べるためのキーワードを考える必要がある。生活からは、衣服や食事、住居などのキーワードを考えることができる。このように学習問題から検索キーワードを考える練習がインターネットで情報を収集する際にも重要な視点となる。

「番組を利用して一言」

この番組は、国語科などで意見文を書く際にも利用できると思います。例えば、「地球温暖化について」というテーマで自分の考えをまとめる事になった時、「地球温暖化」というテーマでインターネット検索をすると情報が膨大になります。ですが、番組を視聴し、検索ワードを連想することができれば、「地球温暖化 原因」や「地球温暖化 防止」、「地球温暖化 防止 海外の取り組み」などのワードを考えることができます。その検索したことをもとに、意見文で自分の主張したいことと、その理由や根拠になる事柄をインターネット検索することで得ることができます。

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