<このスクラッチ・ワールドについて>
今回のポイントは「くりかえし」と「○度回す」を組み合わせて、正三角形や正方形、正六角形などさまざまな“正多角形”をくり返すこと。ただし注意したいのは、スクラッチで「○度回す」の○度は、多角形の内側の角、いわゆる“内角”ではなく、180度からその内角を引いた“外角”になっていること。だから正三角形を作りたいときは60度回すのではなく120度回すんだ。一見変なように見えるけれども、実は、これはとても自然なことで、自分で校庭に「ライン引き」で線を引くことを考えると、正三角形を作るには60度じゃなくて120度回らなければいけない。自身の体験から考えると内角より外角のほうが自然なんだ。また、外角×角度の数が必ず360になるというのも便利だよね。正36角形を描きたいときは、回す角度を360割る36で10度にしてあげればいい。みんなもプログラムを改造していろんな正多角形を描いてみてね。
スクラッチサイトにアクセスして、サインインしよう。
(まだ自分のアカウントを作っていない人は、「スクラッチのはじめ方」にしたがってアカウントを作ってね)
why_programming_11のスタジオ(※NHKサイトをはなれます)を見てみよう。
why_programming_11のスタジオで、プロジェクト「11_1_正多角形を描く」を選び、「中を見る」、次に「リミックス」をおして、自分のアカウントにコピーしてね。
(コピーの仕方は「自分の作品を作ろう!リミックス(改造)をする」も読んでね)
正多角形は、どの辺の長さも、どの角の大きさも同じ「形」のことよ。
ここにいるのは、正方形や正三角形、正五角形など、どんな正多角形でも描けるという不思議なチョウ。
みんなも、このチョウを使っていろんな正多角形を描いてみましょう。
正多角形を描くために、まず、線の描き方を覚えましょう。
プログラムには、
・ペンを下ろす
・150歩動かす
って命令があるわね。
この「ペンを下ろす」という命令を使うと線が描かれるようになって、
「ペンを上げる」を使うと描かれなくなるの。
「150歩動かす」というのは、チョウを進める距離(長さ)のことよ。
つまり、このプログラムでは、チョウにペンを下ろさせて150歩進ませているから…
150歩分の長さの直線を描かせることができる、ということになるわね。
この数字「150」は自分で自由に変えて、距離を長くしたり、短くしたりもできるわ。
・90度回す
というのは、チョウを90度回転させるという命令よ。この数字「90」も自分で自由に変えられるの。
だから、いまこのプログラムでは、
チョウに150歩分の直線を描かせてから、90度回転させた状態ね。
ここまで分かれば大丈夫。
まずは、正方形を描いてみましょう!
※「準備」というのは、チョウにどの位置からペンを下ろさせるかを決めた命令、「片付け」は、チョウが形を描いた後の動きを決めた命令なんだけど、ここでは気にしないで大丈夫よ。
正方形は、4つの辺の長さが全部同じで、4つの角の大きさも全部同じ「90度」、という形よね。
だから正方形を描くには「ペンを下ろす」をしたあと、
・150歩動かす
・90度回す
この命令を4回くり返せば正方形になるわね。
・1秒待つ
というのは、文字通り、チョウの動きを1秒止めて待つ、という命令よ。
ここでは「辺」が描かれるたびに1秒待って、
形が描かれていくようすを分かりやすく見せるために使っているわ。
もちろん、この数字も自由に変えられるのよ。
4回くり返すときに、この命令を4つ続けてもいいんだけど…
「制御(せいぎょ)」カテゴリーにある
・〇回くり返す
を使うともっと便利になるわ
・150歩動かす
・90度回す
・1秒待つ
の命令を「〇回くり返す」の中に入れて、〇の数字を「4」にすればいいの。
これで正方形がかんたんに描けるわよ。
どんな正多角形も、この命令の中の数字を変えることでかんたんに描くことができるわよ。
正方形のときは「くり返す回数」を「4」、「回す角度」を「90」にしたわよね。
それなら正三角形はどうなると思う?
辺の数が3つだから、くり返す回数は「3」よね?
正三角形の1つの角度は60度だから、回す角度を「60」にしてみるわね。
そうすると…
こんな風に失敗しちゃうの。
スクラッチでは、チョウを何度回すか決めるときに、
内側の角度“内角"ではなく、外側の角度“外角"を使うのよ。
正三角形の場合、180-60で120度になるわね。
だから、回す角度を「120」にすると…
ちゃんと正三角形が描けるのよ。
ちなみに、最初にいれた数字「60」は、正六角形を描くときの角度なの。
だから、回す角度を「60」にして、くり返す回数を、辺の数の「6」にすれば…
こんなふうに、正六角形が描けるわ。
ここまで描いてきた正多角形の「辺の数」と「回す角度」を表にしてみたわ。
「辺の数」と「回す角度」の間には、あるルールがかくされているのよ。
そのルールが分かれば、正五角形でも、正百角形でも、
どんな正多角形でも描けるようになるわ。
そのルールとは…
「辺の数」と「回す角度(外角)」をかけ算すると、必ず360になるってことなの。
正方形は 辺の数「4」x 回す角度「90」 = 360
正三角形は 辺の数「3」x 回す角度「120」= 360
正六角形は 辺の数「6」x 回す角度「60」 = 360
つまり、回す角度が分からなくても、
360を「辺の数」で割れば「回す角度」になるってこと。
だから、正五角形を描きたいなら、
360÷5=72と計算をして、
くり返す回数を「5」、回す角度を「72」にすればいいのよ。
さぁ、みんなもこのルールを使って、
いろんな正多角形を描いてみましょう!
ここまででき上がったプロジェクトは「11_2 数を変えて正多角形を描く」(※NHKサイトをはなれます)に作っておいたから、かんたんに正多角形を描いてみたい人は、この中の「くりかえす回数」と「回す角度」を変えてみてね。
- スクラッチでは、ペンの機能を使って線や図形を描くことができる。
- 「〇回繰り返す」と「○度回す」を使うと、中の数字を変えるだけで、かんたんに正多角形が描ける。
・正七角形や正三十六角形を描いてみよう。
・五十、百と角度をどんどんふやしていくと、みんなも知っているある形に…