[戦後75年]戦争について考えてみよう[戦後75年]戦争について考えてみよう

1945年に太平洋戦争が終わってから75年あまりが過ぎました。戦争中にどんなことがあったのか。当時の人々はどのようにくらしていたのか?戦争についてあらためて考えてみましょう。

戦争に関わる動画を活用した指導案

中学校・高等学校

展開 女子学徒たちにとっての沖縄戦とは?証言から沖縄戦を考える

執筆者写真 執筆者のコメント 沖縄県西原町教育委員会
甲斐 崇

沖縄戦についての学習は、社会科や、総合的な学習の時間等での平和学習で、よく行われていると思います。しかし、多くの住民が亡くなったという点にのみ焦点化されることが多いのではないでしょうか。沖縄戦の実相を知る上では、今回取り上げた女子学徒や、「鉄血勤皇隊」や「護郷隊」のように戦闘に参加させられた少年兵など、後方支援や兵隊として参加した少女や少年の存在を知ることも欠かせないことです。
本時の授業では、元女子学徒たちの証言を手がかりに、沖縄戦の具体的な事実を捉え、戦争の悲惨さに気付かせたいと考えました。住民、学徒、日本軍、米軍など、様々な立場や視点から沖縄戦を捉えることで、沖縄戦や戦争そのものに対する見方・考え方を広げることにつながることを願います。

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監修者のコメントお茶の水女子大学附属中学校 渡邊 智紀

沖縄戦については、中・高の歴史の教科書に必ず取り上げられており、高等学校等では修学旅行で「ひめゆりの塔」や平和祈念資料館を訪れる学校も多いことから、生徒の認知度も高いものと思われます。しかし、沖縄戦の実態について説明できる生徒はあまり多くないのが実態ではないでしょうか。
映像「女子学徒たちの沖縄戦」は、沖縄戦の経過に沿いながらも、元女子学徒の実体験を中心に構成されており、生徒は沖縄戦でどのようなことが起こっていたのかを生々しく感じることができるでしょう。また、元女子学徒経験に基づく証言には、戦争体験を後世に語り継いでほしいという若い世代への想いがあふれていて、そのことも、生徒がもっと沖縄戦について調べてみたいという意欲をかき立てるのではないかと思います。
展開に設けられた「1人1台の端末を活用しNHK戦争証言アーカイブス『消えた女学校 女子学徒たちの沖縄戦』から証言を選び、視聴する」活動は、授業のみならず、その後の家庭学習や自由研究へ発展する可能性も含んでいます。また、一人一人が調べた証言を基に、元女子学徒が伝えたいことについて話し合う活動は、戦争について各自が意見や考えを持ったり、戦争について多面的に考えたり、家庭などで戦争について語り合うきっかけにもなることでしょう。