「多文化共生プレイリスト」公開に寄せて(佐藤真久)

本プレイリストは、「低学年」、「中学年」、「高学年」、「中高生」という学年別・校種別のカテゴリーとともに、「いろんな国・いろんなくらし」、「いろんな人・いろんなアイデンティティ」のカテゴリーを作成しました。

多文化共生リストの画面イメージ
 

学年別・校種別のカテゴリーを作った理由は、本プレイリストの主題であります「多文化共生」というキーワードでも、子どもたち等の成長段階や校種によって伝え方や学びのアプローチが異なるからです。
例えば、多文化共生を構築していくための土台づくりともいえる「他者、身近な大人たちとの関わりや交流」という学習活動の一場面を取り出してみても、小学校の低学年、中学年、高学年、中学生、高校生と、その伝え方や学びのアプローチが異なります。
体験や遊びによる感性を育む学びのアプローチもあれば、他者の関わりを通して自身の行動の意味を考える学びのアプローチもあります。さらには、対話や行動、協働の繰り返しによる自分の考えを整理し表現するアプローチや、社会の構造への理解を深め選択肢の中から自身の立ち位置を考えるアプローチなど、子どもたちの成長段階や校種に配慮をした学習活動が求められています。

 

いろんな国・いろんなくらし」のカテゴリーを作った理由は、多様な国々の特徴を学ぶだけでなく、日本との共通点や異なる点を捉えたり、そこに住む人々によって営まれているいろいろなくらしぶりについても理解を深めることが重要であると思ったからです。これまでに制作された多様な動画を活かす意味でも、学年や校種を超えたカテゴリーを作成しました。

 

いろんな人・いろんなアイデンティティ」は、国や地域区分などの属性を超えて、ひとりひとり、自身の興味・関心・嗜好、ルーツやアイデンティティが異なっているのは当然であるという立ち位置から作成されたカテゴリーです。LGBTQ+などの多様性に価値をおく時代において、属性を超えた個に向き合い、個を尊重し、互いの個を活かし合うために作成しました。作成協力メンバーとともに、学年や校種を超えて有意義な学びを深める動画を選びました。

 

学習指導要領の前文でも、「持続可能な社会の担い手づくり」の重要性が指摘されています。この担い手を育むためにも、「多文化共生」についての理解を深めることだけでなく(ABOUT)、体験や遊びを通して「多文化共生」への感受性を高めること(IN)、行動する地球市民として「多文化共生」に向けて態度や行動を促すこと(FOR)、自身の「多文化共生」への向き合い方を改めて認識し今後の糧にすること(AS)が求められていると言えるでしょう。

 

紹介されている動画のいくつかには、経験豊かな作成協力メンバーによるコメントも付記されています。どのような学習活動で活かすことができるか、参考にしていただければ幸いです。今後は、本プレイリストを活用する先生方の感想やご意見も活かしながら、更なる充実にむけて努めていく所存です。是非とも、皆さまとも連携しながら、現場で活き、活かされるプレイリストができればと思っています。

 

このプレイリストが、「多文化共生」を学ぶ機会になるとともに、国や民族などの属性を超えた個を尊重し、互いの個を活かしあう、これからの社会に資するものになりますように。

プレイリスト協力者を代表して
佐藤真久(東京都市大学教授)
2023年12月

多⽂化共⽣プレイリスト

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