今回のおはなし

― 対戦ゲーム画面(小返し) ―

ミュート「だはぁべさぁ~~~~~~!」
と咆哮を上げると、キャラの全身の力を吸い取っていく。

サミーの声「伝説の必殺技! その名も、・・・オゾロシや~なんでもミュート!」

と硬直したキャラ、ホント剣含めてまるでピクセルがぽろぽろと剥がれ落ちるように消えていく。

ミュート「WINだ~べさぁ~~~~~!」

カタカタ「キャラ公~~~!」

― もとのところ ―

カタカタの声「・・キャラ公・・・・? キャラ公・・・・!」

キャラ「(気づいて)ううう・・・・」
ゆっくりと目を開けると、カタカタとリンゾーが地面に倒れた自分を覗きこんでいる。

キャラ「!」となり、がばっと飛び起きると、

キャラ「う~ん、まだまだ負けないわよ~~!」
ホント剣を振りあげようとするが、その重さにふらふらと倒れそうになってしまう。

慌ててリンゾーとカタカタが、キャラを支えて、
カタカタ「ほらほら、まだムリだよ、キャラ公・・。なんたって、パワー使いきっちゃったんだからぁ」
リンゾー「(同意)だぁ~いじょうぶ・・・?」

キャラ「そ、それじゃ・・・わたし、負けちゃったの?」
ぐたっと首を落とすキャラ、涙がこみ上げてくる。

キャラ「(泣き声で)音叉は?」
カタカタ「まぁ、賞品だからなぁ。勝ったモンが持っていくってのはしょーがねーだろ・・・」

― カタカタの回想 ―

ミュート「だべだべだべだはははぁ~~~~!」

チャンピオンガウンを肩にかけたミュート。意気揚々と引き上げていく。
サミーがその後を、嫌がるトッポとボビーを両手で捕まえ、引きずるようにして付いて行く。

カタカタの声「あのミュートってオッサン・・・まるでチャンプ気取りだったぜぇ」

― もとのところ ―

キャラ「(悲しく)トッポとボビーは?」
カタカタ「さんざん嫌がってたがな。まぁ、あの兄貴にゃ逆らえねーだろ」

がっと地面に両手をつくキャラ、
キャラ「全然・・・ダメじゃない・・・!」
カタカタ「はぁん?」

キャラ「わたしったら・・・・戦士だなんて言って・・・・全然ダメじゃない!」
涙がこみ上げてくる。
キャラ「この島を救うどころか・・・・ヒュンの・・・ヒュンの音楽さえ、守ってあげられなかった・・・・」

カタカタ「(すこし困り)ま、まぁよ・・、(元気づけるつもりで笑い)もともと思い込みが激しくって勘違いしやすいタイプなんだから。今回も、あり~? ごっめ~んわたしって弱かったんだぁ~なぁ~んちって開き直っちまえばいいってことよ、なぁキャラ公~」

だが、キャラ、余計に落ち込み、
キャラ「うえぇ~~ん、わたしのバカバカ、サイテー・・・!」

カタカタ「あら? (困って)あの・・、慰めたつもりなんすけど・・」
と救いを求めるようにリンゾーを見るが、
リンゾー「ふがぁ・・(と鼻を鳴らし)カタカタ・・・泣かせた・・・ぶひっ(また鼻を鳴らす)」

カタカタ「(怒って)お前ねぇ・・、そんじゃお前が慰めてみろってんだよぉ?」
ぶつぶつ文句を言おうとするが、その前をふらっとヒュンが通り、「?」となる。
ヒュンが、いつの間にかキャラのすぐ近くに立っている。

ヒュンはキャラを直視しないが、すこし困ったように地面の一点を見つめている。

キャラが、「?」と近くにヒュンの足があることに気づく。
ゆっくりと顔を見上げるが、ヒュンは目を合わせることはなく、相変わらず地面の一点を見つめたままだ。

キャラ「ヒュン・・・、ごめんなさい。わたしは・・・ヒュンのために、何もしてああげられなかったね。…せっかくヒュンが、・・・・(また涙がこみ上げる)せっかくヒュンが作っていた音楽なのに・・・・わたしったら。・・・・ごめん・・。ごめんなさい、・・ヒュン・・・」

耐え切れず、地面に視線を戻して泣く。
少し間がある。

と、肩に触れるものがある。
キャラ「・・・・・!」
ヒュンが、視線を変えぬまま、キャラの肩に手をかけたのだ。

カタカタ「うっひょ~、おいおい、どういうことよぉ~?」
よけいなチャチャを入れようとするが、「ぶひっ」すぐにリンゾーの鼻の先でカスタネットを掴まれている。
カタカタ「ちょ、ちょっとなにすんねん・・。だってヒュンのやつがあんなことすんの初めて見たぜぇ~・・」
などと抵抗しながらしゃべるが、その声は、キャラたちからは遠ざかっていく。(リンゾーが、遠くへ連れて行ったのだ)

ヒュンと二人になるキャラ。

と、なぜか今まで止んでいた風が、少し吹いてくる。
キャラ「(気づいて)・・風?」

ゆっくりと立ち上がる。風がすこし気持ちいい。
キャラ「そういえば、・・・風、やんでなかった・・・?」
不思議な気分になり、ヒュンを見る。
キャラ「(同意を求めるように)・・・ヒュン?」

そのヒュン、キャラの肩から手を降ろし、相変わらず地面の一点を見つめたまま、
ヒュン「(唐突に、少し浮く感じに)大丈夫!」
キャラ「え?」

ヒュン「風の中に・・・しまってるの」
キャラ「・・・・?」

ヒュン「しまったんだよ、・・・たぁくさんの・・・音」

キャラ「・・・・・!」
間がある。風の音。

キャラ「ヒュン・・・ひょっとして。・・・・それって・・・」

谷のあちこちから風が吹いてくる。

すでに目を閉じているヒュン、自分で作りだした音たちを風の中に見つけているのだ。
そのヒュンに、風が次第に強く吹き出している。
ヒュンが思い出すように、自作の曲をハミングしだす。
ヒュン「(ハミングしだすヒュン)」

それに吹き付ける風の音が絡み、それは次第にヒュンの作りだした音楽そのものになっていく。

キャラの心の声「ヒュンの音楽は・・・無くなってなんかいない・・・・!」

ヒュンの体から例の音符たちが零れるようにあふれ出てくる。
そしてそれらは、キャラにもまとわりつくようにして、キャラを元気づけていく。

キャラの心の声「モンスターに食べられても食べられても・・・ヒュンの音楽は、・・・絶対に無くならないんだわ!」

ザザ~ン! ヒュンの曲が激しく転調し、溢れんばかりの音符たちが、キャラとヒュンを幻想的な世界に誘っていく・・・。

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