今回のおはなし

― 風の谷ウル・丘・ヒュンのところ ―

そこで、ひとり夢中で曲作りをしているヒュン。

カタカタ「お~~~い、サミー~~~~!」
ヒュンからすこし離れた丘
カタカタ「大丈夫なんか~い!」
キャラ「トッポとボビーが心配してるよぉ~~!」

遥か谷底を覗きこみ、サミーを探しているキャラたち。
谷底は、黒い渦がとぐろを巻いているだけで、何も見えない。

キャラ「いったい、こんな谷底で何してんのかしらぁ」
カタカタ「サミーのヤロー、お前一人で食って来いだの、俺たちにつき合わさせるなだの言ってたよなぁ」
リンゾー「(聴きとめて)・・うまいもの? ぐうう・・・(と腹の音を口にする)」

とキャラ、はたと思い当たるものがある
キャラ「はっ・・・・!」

― キャラの回想 ―

ドラムスコ「ヒュンには・・・どうしても嫌な音が許せない・・・。」
キャラ「ヒュン・・・・」

ドラムスコ「その許せない・・・嫌だと投げ捨てた音たちは、風の谷ウルの底へ底へと溜まっていき・・・。」

ドラムスコ「やがて・・・邪悪なエネルギーの吹き溜まりとなっていったのさ」

― もとのところ ―

キャラ「(ぽつりと)邪悪な…エネルギー・・・・」
カタカタ「はぁ?」

キャラ「そうよ。ミュートは、この谷の底に溜まった・・・そのエネルギーを食べに行ったんだよ!」
リンゾー「うまいんだなあ・・・、ぐうう・・(とまた腹の音)」

カタカタ「(すぐにはピンとはこず)ほうほう・・邪悪なねぇ? しっかし、モンスターのダンナも・・わざわざこんなどろどろの谷底に行かんでも他にいっくらでも・・・」
言いかけた時、突風に飛ばされて、

カタカタ「ひぇ~~~!」
となるが、次の瞬間、ブヒッ! リンゾーのゾウの鼻に捕まえられている。

リンゾー「(カタカタを鼻で捕まえる)」
だが「ズズ・・」鼻汁でべたべたになった。
カタカタ「(気持ち悪く、泣きそうで)あぢがどう・・(ありがとう)。それよっか、早くここからオサラバしたいんですけどぉ・・・」

だがキャラ、何か不吉を感じ取っている。
キャラ「カタカタ・・、そうは・・いかないみたい」
カタカタ「はぁ?」

キャラがホント剣を握っている。
カタカタ「キャ、キャラ公!」
キャラ「みんな、下がって! ホント剣が、・・・最大警戒注意報を出してる!」
カタカタ「あに~?」

次の瞬間、谷底からドッコ~ン! と巨大で不気味な光の帯が放射される。
カタカタ「うぎゃぁ~~~~~~!」

と、その不気味な光の帯の中に、ふら~っと浮かび上がってくるサミー(なぜか、蝶ネクタイで片手にマイク)、バット。
サミー「イエェ~~イ! お待たせしましたぁ、レディースアンドジェントルメ~ン!」

トッポとボビーが、単純に「兄ちゃん!」と身振り手振りで喜んでいる。
カタカタ「ななななんなんねん、サミーのヤツ?」

サミー「(マイクに)ただいまより、そこにいるヘナチョコ戦士ことキャラ公と、魔女さまの最強モンスター、ミュートさまのリターンマッチを執り行います!」
カタカタ「へっ! 最強モンスターやと? ころっと負けちまったくせに」

サミ―「カタカタ!(指で指す)」
カタカタ「だからなに?」

サミー「今日かぎり、お前のその減らず口も聞けなくなるぜ」
カタカタ「(怒って)はぁ?」

バットが、豆腐屋のラッパみたいなもので、プププッププ~♪と吹き鳴らし、その場を盛りあげる。
サミー「(呆れて、バットに)わりとお前、音楽、凝るのね」
バット「(照れて)みゅはは・・」

不気味な光の帯に、さらに数本のレーザー光線が浴びせられ、いよいよ登場の演出が盛り上がる。

サミー「(口上)昨日の負けは今日の勝ち。たとえヘドロ地獄に落ちようと、いつか、いつか泥の花を咲かそうよ。さぁ、いまこそ復活の時を迎えました!」

サミー「ヘドロ地獄の番人にしてあらゆる音という音を食いまくる・・・モンスター界の怪人・・アントニオ・ミュートォォォ~~~~~~!」」

バット「みゅう~~~!」
と、飛びかうレーザー光線の中に、雄叫びをあげるミュート(マントを羽織っている)が浮かび上がった。

マントを勢いよく放り捨て、
ミュート「だ~べや~~!!!!」

カタカタ「(慌てて)おおおい、キャラ公・・・」
タブレットを見ているキャラ。
キャラ「た、たしかに、前戦った時とは、ぜんぜん違うレベルだよ」

カタカタ、谷底を見て、
カタカタ「よっぽど、邪悪なエネルギーが溜まってんやろなぁ?」

カタカタ「(無遠慮に続けて)ヒュンもえれーことしてくれたもんよ。なぁキャラ公?」

キャラ「ヒュンは悪くない。・・・だってヒュンは、・・・一生懸命・・強くなろうとしてるんだもん。・・・悪いのは、・・・悪いのは、・・・・ヒュンの壊れそうな心を利用した・・・・魔女たちのほうだ!」

ビュン! ホント剣を構える。

ミュート「ふごぉぉぉ~~~~~!」
暴れ出すミュート。

カタカタ「うわぁ~~~~~!」
キャラ「みんな、下がって!」
逃げ出す一同。
カタカタ・リンゾー「(逃げ出す)」

ミュート何かを見つける。
ミュート「(ふごぉぉ)」

前方に曲作りに夢中になっているヒュンが見える。

キャラ「ヒュン!」

だがミュートが、吹きすさぶ風の音、カタカタたちの音を吸い取っていく。(食べていく)

カタカタ・リンゾー「(悲鳴)」

そして、ヒュンの体から出ていた音符たちもたちまちミュートに呑み込まれていく。

キャラが、必死にヒュンに駆け寄っていく。
キャラ「ヒュン! 食べられちゃうわ。・・・ヒュンの作った音楽が・・・食べられちゃう! 逃げるのよ、ヒュ~ン・・・!」。

叫ぶが、その声もミュートに呑み込まれてしまう。
ヒュンが、曲作りを遮断され、パニックに陥っている。
キャラが、ヒュンを抱き留める。

キャラとヒュンに、ミュートが襲い掛かってくる・・・・。
ミュート「(ふごぉ~!だぁべや~~!!)」

?

NHKのサイトを離れます

トップへ戻る