今回のおはなし

― 風の谷ウル(小返し) ―

サミ―「!(気づく)」

サミー「ヒュン! バットに何するつもりだ!」
ヒュン「いやな音・・・。カミナリの音だけに・・・・・できない!」

ヒュン頭を抱えるようにして踞る。
ヒュン「ううう・・・。」
キャラ「ヒュン!」
カタカタ・リンゾー「あ、あ・・・。」

サミー「バット大丈夫か?」
バット「みゅはぁみゅはぁ」

バット「みゅはぁ~~~~~~!(悲鳴)」
サミー「うわ!」

バット「みゅはぁ~~~~~~!(悲鳴)」

バット「みゅはぁ~~~~~~!(悲鳴)」
サミー「シュークリームバット!」
ミュート「うごぉぉ・・・」

― (小返しここまで) ―

サミー「(ヒュンに)このヤローよくも!」

キャラ「ヒュンは、悪くないわ!」

キャラ「ただ、・・・ただ・・・嫌な音を聴きたくなかっただけだもん!」

サミー「くそ! だからって・・(言いかける)」
ミュート「ふごぉふごぉだべや~~!(空腹を訴える)」
むんずとミュートに捕まれている。
ミュート「ふごぉ~~!」

サミー「ぐは!」
言うそばから、ミュート、サミーをつかんで、ばっと谷に飛び込んだ。
サミー「ふぎゃぁ~~、何すんだよ~~!」
ミュート「(勢いよくダイブ)」

トッポとボビー、驚いて身を乗り出す。
キャラ「危ない!」
カタカタ・リンゾー「(驚く)」

谷に飛び込んだミュート、スカートを広げ、やんわりと降下。
ミュート「ふがぁ~~~!」
サミー「あああああああ~!」
サミー「こらミュート! 俺たちまで一緒につき合わせることねーだろ!」

ミュート「ふがぁ~~~!」
サミー「お前一人で食ってくりゃぁいいだろってのぉ! ああ~~!」
ミュート「ふがぁ~~~!」

キャラ・カタカタ・リンゾー「(唖然)」
サミーがミュートに文句を言っているのが聴こえてくる。
カタカタ「はぁ? どういうこと? お前らの、兄ちゃん、モンスターとお友達?」

キャラ「まさかぁ。(トッポたちに身振り手振りで)あのミュートってモンスター、ボス、・・お兄ちゃんの、」
カタカタ・リンゾー「(聞いている)」
キャラ「うーん えーっと お友だち?」

「違う」と首を振るトッポ。
リンゾー「えー ちがう・・・ちがうよ・・・ちがうねえ・・・」
キャラ「だよねぇ」

カタカタ「けどよぉ。なんか、ひとりで食ってこいとか言ってなかったか? キャラ公?」
キャラ「うん(生返事)」
キャラ、離れたところにいるヒュンのことが気になって・・。
カタカタ「おい?キャラ公?」

呆然となっているヒュン、自身のしたことがうまく消化できない。

そこへ、そうっと歩み寄っているキャラ。
キャラ「!」
ヒュン、明らかにキャラの存在に気づくが、まともにキャラを見ることはない。

だがキャラには、ヒュンの体から(頭から?)生み出されていくいくつもの音符が相変わらず出続けているのが見えている。
キャラ「見える・・・。見えるわ・・・」

空に浮かぶ音符。

キャラ「(!)」

表情を変えることはないが、キャラの声を聴きとめている。
キャラ、そうっと手を伸ばし、ヒュンの背に手をかける。
ヒュン「・・・・・・!(かすかに、一瞬肩が震える)」
キャラ「見えるんじゃないのか、・・聴こえるっていうのかなぁ。」

キャラ「・・・でもヒュンが作っている音楽が・・・わたしには・・・なんだか見える気がするの・・・」

間がある。

ヒュン、キャラに言うのではなく、自分でふと思いついたような口調で、その場に浮くぐらいの大きな声で、
ヒュン「見える! ・・・・見えるんだよ」
キャラ「(!)」
言葉を放り出すように、口に出す。

キャラ「そうだね。きっとヒュンには、・・・音楽が見えているんだね。」

キャラ「・・ヒュンは、どうやって・・・その音たちを見つけ出すんだろう。」

キャラ「・・・うふっ・・・わたしには、わからないなあ・・・」

キャラ「・・・ヒュンのように、いい音も・・・嫌な音も分からない・・・・」

ヒュン、突然、語気を強めて、
ヒュン「嫌な音・・カミナリ!」
キャラ「(!)」
キャラ「そうだったね。嫌な音、カミナリの音だけにするんだったね!」

ヒュン「うわぁ~!」
キャラ「(!)」
ヒュンが蹲るようにして泣きだした。
キャラ「ヒュ、ヒュン!」

ヒュン「(泣きわめく)」
ヒュンの肩に手をかける。ヒュン、子どものように泣きじゃくるばかりだ。
キャラ「・・・・・ヒュン・・・・・・」
ヒュン「(泣きわめく)」

― 同・谷底 ―

風は四方八方から吹きまくり、ヘドロのようなものがぐるぐる渦になっている。

その渦には、汚れた音符や缶カラといったものまで混ざっている。

ミュート「(喜んで)ふがぁ~~~~ははは・・・!」
まずそうな料理たち。
ミュート「(喜んで)ふがぁ~~~~ははは・・・!」

その大皿料理をサーブしている毒マスクをかけたサミーとバット。
サミー「(呆れて)しかしよ、マジ、よくこんなもん食えるよなぁ~」
ミュート「(爆食い)」

バット「なにみゅみゅ~?」
ミュート「(爆食い)」
サミー「何かって? 知らねーよ。けどすっげーご馳走なんだろ。見ろよ、あのミュートのヤロー・・どんどんでかくなってやがる」

ミュート「(爆食い)」
ミュート、特訓を受けていた時とは打って変わって、パワーが漲っている。
ミュート「(雄叫び)だ~べや~!」
サミー・バット「(悲鳴)」

サミー「よっしゃ~、今度こそ、あの生意気なキャラ公をやっつけるんだ!」
ミュート「(むむ?)」
強気のミュート、サミーの上からの物言いがお気に召さない。

ミュート「ふが?」
ミュート「ふんがあ?」
サミー・バット「(ビビる)」

サミー「(焦り)あ、あ、いや。やっつけましょうよ。ね? ね? なはは・・・」
バット「(サミーに合わせて愛想笑い)」
ミュート「(偉そう)」
と、愛想笑いでごまかした・・・・。

風が音を立てている。ヒュンが、すこし落ち着きを取り戻す。
ヒュン「・・・・(ぽつり)・・・できなかった・・・・」
キャラ「(!)」

キャラ、なんとなくヒュンの思いが分かったのだ。
キャラ「うん。(笑みを浮かべ)・・・でも、今度はきっとできるよ!」

キャラ「嫌な音は、ヒュンの中で、カミナリにしちゃう! 今度できなかったら、その次にはできる!」

キャラ「その次がダメでも、きっときっとその次の次は・・・きっときっとできるよヒュン!」

キャラ、ふとヒュンを見て何かに気づく。

ヒュンからはわずかであるが、音が出ているのがキャラには見えたのだ。
キャラ「!」
二人を包み込むように、風が吹き抜けていく・・・。
キャラ「(囁くように安心したように)ヒュン…」

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