今回のおはなし

― ドラムスコのイメージ(前回の小返し) ―

風の谷ウルの崖っぷちにいるヒュン。

嫌いな音、旋律を拾い上げては、谷底に向かって流していく。
ヒュンの表情は、苦しげで、怒りさえ浮かんでいる。
ドラムスコの声「・・じつはなぁ、ヒュンが嫌いな音をあの谷に投げ捨てていたことが・・・」

― ドラムスコの岩場 ―

ドラムスコ「どうやら・・・この島がおかしくなった原因みたいなんじゃよ・・」
キャラ・カタカタ「ええ?」
ドラムスコが、突然太鼓Aを叩きだす。
キャラ・カタカタ「・・・・?」
いるトッポたちも「?」

カタカタ「(キャラに)どうしたの、おっさん?」
キャラ「シッ!(制す)」
カタカタ「(驚く)」
ドラムスコ、今度は太鼓Bを叩き(音が違う)
また太鼓Aを叩く。

ドラムスコ「おいらはリズム楽器だがね? それにしたって、色々な音があるわけさ。中には・・・」
太鼓Aの端っこを叩く。
ドラムスコ「こんな音もあれば・・・」
続いて、太鼓Aの木枠部分をリズムカルに叩く。
ドラムスコ「こんな音だってありなのさ・・」

トッポとボビーが、目を閉じて太鼓の音を感じ取って、体を揺らしている。
ドラムスコ「いくつもの・・・いろぉ~んな音があるから、音楽は愉しいのさ。」
キャラ・カタカタ「(笑っている)」

ドラムスコ「そりゃぁ~、中には、あまり好みじゃない音もあるだろさ・・」
太鼓の隅を拳で叩き、おかしな音を出す。
ドラムスコ「(茶目っぽく)こんな具合にね(ウィンク)」

キャラ「(なんだか嬉しくなり)うん。でも、そういう嫌な音も何もかも一緒になって・・音楽ってあるんだよね!」
ドラムスコ「その通りだ(冗談で)ほぉ~ら、おいらの天使さんは、もうすっかり音楽ってものをお分かりだぁ!」
キャラ「(照れて)ぐぁ~っはは・・・」

カタカタ「(AD風にドラムスコに)あのう、調子に乗りますんで、さっさと先続けていただけますかねぇ?」
ドラムスコ、カタカタを手でひょいとよけて
カタカタ「(うぐ!)」

ドラムスコ「ところがだ・・。ヒュンには・・・どうしても嫌な音が許せない・・・」
キャラ「(悲しく)・・・ヒュン・・・」
ドラムスコ「その許せない・・・嫌だと投げ捨てた音たちは・・・」

― ドラムスコのイメージ ―

崖っぷちに立つヒュンが、嫌いな音を谷底に落とす。
谷底で邪悪なエネルギーがとぐろを巻きだし、どす黒い渦となっていく。
ドラムスコの声「風の谷ウルの底へ底へと溜まっていき・・・。やがて・・・邪悪なエネルギーの吹き溜まりとなっていったのさ」

― もとのところ ―

ドラムスコ「もちろん、ヒュンは少しも悪くないんだがな。だが・・」
言いかけて口を紡ぐ。

キャラ「(感じ取って)ドラムスコさん・・・? 聴かせてください。・・わたし、ヒュンのこと、もっと知りたいんです」
キャラを見つめ直すドラムスコ、深く頷く。

ドラムスコ「だが・・、風の谷ウルも、さすがにそのエネルギーを止めておくことができなくなったのだ」
キャラ「ええ? そ、それじゃぁ・・」
カタカタ「ひょっとしてひょっとして、爆発しちゃったってのかい?そのエネルギーが?」
ドラムスコ「たぶん・・・な。・・その後、風の谷ウルは・・・」

― ドラムスコの過去 ―

暗雲が吹き荒れる風の谷ウル。下半身が岩にされてしまう前のドラムスコ。

吹き荒れる風は、谷底に溜まることはなく、上空に舞い上がる。

ドラムスコの声「・・・谷底に風を溜めることをやめ、四六時中・・風の止むことのない谷になってしまった・・・」
キャラ「!」
ドラムスコ「それからだ。いやーな風が島中を襲い・・・
わしらのようなガッキアニマルから・・本来の音を奪いおったのは・・・・」

カタカタが、場の雰囲気を読まずに、超カルい感じに、
カタカタ「なるほどぉ。ってことは、やっぱしヒュンのヤツがこの島に魔女を呼んだってことになるわけやな。」

カタカタ「な? キャラ公?」

キャラ「・・・ヒュン・・・(うな垂れる)」
カタカタ「だろ?だろ? キャラ公?」
と、ぱしっ!とカタカタのカスタをつまみ、ぽいっと投げたドラムスコ。

カタカタ「ぎゃー! やめてーーー!!!」
ドラムスコ「まぁ・・それでも、ほれ? あの5本の音叉のおかげで・・まぁだなんとか島の調和を維持できているのさ」
キャラ「・・・・? 調和?」

ドラムスコ、頷き、太鼓を少し聴かせて、
ドラムスコ「(微笑み)こんなぐあいにな? 島には、まだ音が奪われていないところも残ってる」
キャラ「(少し微笑む)」

カタカタも、カスタを鳴らしてみせる。
カタカタ「へへっ、おいらもその生き残りってわけなのね?」
笑みを取り戻すキャラ、だがふとまた不安な表情になる。

キャラ「(不安そう)」

キャラ「でもいったい・・・いったい誰が・・その音叉を?」

一瞬詰まるドラムスコ、だが愛情深い笑みを浮かべて、
ドラムスコ「ヒュンは、この音楽の島を暗黒の世界に変えてしまうほどの能力の持ち主だ。・・」
キャラ「(聞く)」
ドラムスコの声「だがそのいっぽうで、ひょっとしたら、このおたまじゃくし島に音楽を取り戻す唯一の存在であるかもしれん。」

ドラムスコ「だから・・・」
キャラ「だから?」
ドラムスコ「だから、・・・たぶん、ヒュンのことを思って。あの5本の音叉を、この島に残したのさ」
キャラ「・・・・! (少し溜めがあって)・・誰が?」

ドラムスコ「(少し詰まって)ん?」

哀しい顔でうなだれるドラムスコ。

キャラ「ドラムスコさん・・・? もしかしたら、その人は・・・ドラムスコさんにとっても、大切な人だったのね?」
ドラムスコ「(俯いたまま、ぽつり)・・キャラ。お前さんが天使だとすれば、・・・あの子は、・・女神さ」
キャラ「・・・・・!」
ドラムスコ「(キャラを見て)・・ティファンっていう子はね」

キャラ「ティ・・・ティファン!」

― キャラの回想・フラッシュ ―

ヒュン「(混乱しながらも、ぽつり)ティファン・・・」

― もとのところ ―

キャラ「○△□~!」

ブオンッ! とロボットがショートしたようにキャラ、失神したように倒れる。

カタカタ「うわぁ~~、キ、キャラ公~~~~!」
慌ててキャラを支えるカタカタ、トッポたち。
カタカタ「(慌てている)」

ファンファンファン・・、キャラのタブレットが警告音を発している・・。
キャラの目に一粒の涙が光る。

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