トッポとボビーのハンドトーク レッスン

なんて言ったの (なに?)

人差し指を立てて、左右に動かす。

いい感じ!

親指を立てる。

今回のおはなし

― ドラムスコの岩場(前回の小返しから) ―

ドラムスコ「言いづらそう)」
キャラ「・・・ドラムスコさん?」
ゆっくりとキャラを見るドラムスコ、
ドラムスコ「ヒュンって子に、会ったことがあるかい?」

キャラ「・・・! ドラムスコさんは、ヒュンを知ってるのね?」
ドラムスコ「知ってるも何も、(手で子どもの背丈を示して)こんなちっちゃいころから、ここに太鼓を習いに来てたもんさぁ・・」
キャラ「(嬉しく)うそぉ~!」

ドラムスコ「マジだぜベイベー」
と、トッポがキャラに寄ってきて、裾を引っ張り何かを知らせようとしている。
キャラ「ふん? あ!」
見れば、崩された岩場に穴が開いていて、いくつもの小さな太鼓が見えているのだ。
ボビーがその一つを引っ張り出している。

ドラムスコ「(キャラに)ヒュンやここに来る近所のガキどもがさんざん叩いた太鼓だ。構わんぞぉ、自由に叩くがいい」
キャラ「うわあ!(嬉しい)」
だがトッポとボビーには、ドラムスコが何を言ったのか聴こえていない。

キャラ「(身振りして)叩いていいんだって! やろうやろう!」
率先してトッポたちに太鼓を叩いてみせる。
トッポが、キャラの叩く太鼓に触ると、その心地いい震動が伝わってくる。

トッポ、ボビーに「いい感じいい感じ」と手話で身振り手振り。
キャラ「うふっ。いい感じ?(手話を真似て)いい感じいい感じ!」
トッポとボビーも、思いっきり太鼓を叩く。
キャラ「うふふ」

ドラムスコ「イエ~イ! やるじゃねーかいベイベー! それ!」
太鼓を叩いてリズムを刻む。
と、トッポ、目を閉じてその音の震動を聴く。
体が反応して、小さく動き出す。

キャラ「うふふ」
太鼓をひっくり返してみたり、叩いたり、調子に乗って叩きまくる。
続くトッポとボビー。
カタカタ「(呆れて)ったく・・、軽いんだわ、この正義の戦士とかっての」

ドラムスコ「ははは(気分よく笑って)いいかいベイベー。次は代わりばんこに叩くぞ」
キャラ「え・・・・?」
カタカタ「(偉そうに)セッションしようっていうんやろ?」
キャラ「せっ・・しょん?」

とカタカタ、いつの間にかサングラスをかけたミュージシャンぽくなって、
カタカタ「ドラムスコのダンナ、そいつぁ、まだムリやないのか? なんたって相手は、トーシロだぜぇ?」
キャラ「憮然と)トーシロって何よぉ?」
カタカタ「(さらにふんぞりかえって気取り)ミュージシャンばとこよ、ばとこお」

キャラ「ばとこ? 言葉を反対から読んだだけじゃない」
カタカタ「なはっ」
ドラムスコ「がぁ~っはは~、リズムなんてものはなぁ、自分が気持ちいい、っていうのが正解なのよぉ。テイクイットイージーだぜベイベー」
カタカタ「ベイベー!」

言うと、ドラムスコ、もの凄い速さで太鼓を叩きだす。

その音に圧倒されるキャラたち、感動。

キャラ・カタカタ「おお~!すごーい!(圧倒される)」
だがドラムスコが、「さぁ、今度はお前さんたちの番だ」という感じにウインクを送ってくる。
カタカタ「そら、交代だってよ」
キャラ「(理解して)おっしゃぁ~!」

トッポたちに目で合図すると
ドラムスコに代わって太鼓を叩きだす。
トッポとボビーも真似て叩きだす。
キャラ「(楽しい)」

カタカタ「ほえ~、意外とやるねぇ~」
キャラたちの太鼓に、有能な新人を見つけた音楽プロデューサーを気取り、
カタカタ「そこそこ、もっとビート刻んでビートォ~」
以下、ドラムスコとキャラたちが交互に太鼓を鳴らす。

ドラムスコの太鼓が響く。

ドラムスコ「(真剣に太鼓を叩いている)」

キャラたちの太鼓が響く。

キャラ「(真剣に太鼓を叩いている)」

ドラムスコの太鼓が響く。
ドラミングのごとく、胸の太鼓を打ち鳴らす。
ドラムスコ「わっはっは!どわっはは!」

キャラたちの太鼓が響く。

キャラ「(楽しい)」

最後に、ドラムスコが強烈に太鼓を連打し、
ドラムスコ「イエ~イ!」
シンバルを激しく鳴らしまくる。
キャラ・カタカタ「イエ~~~イ!」

興奮してトッポとボビー、さらにいつの間にかカタカタまで加わって小躍りしている。
ジャジャ~ン! と締めてみせるドラムスコ。
キャラ・カタカタ・ドラムスコ「イエ~~~イ!」

ドラムスコ「サ~ンキュ~サンキュ~ベイベ~~(投げキッス)」

となぜか、カタカタが嗚咽を漏らしている。

カタカタ「(嗚咽)」
キャラ「(驚いて)カタカタ! ど・・どうしたの?」
カタカタ「(言葉にならず)うっうっ・・(じんわりと涙が出てきている)」
キャラ「(少し心配になり)・・・カタカタ・・・・」
トッポとボビーも、心配してカタカタに寄ってくる。

カタカタ「(強がって)ちぇ、な、なんでもねーさ・・。うっうっ・・た、ただ・・ちょっとよ・・、こんな音楽したの・・・久しぶりだからよ・・うぅぅ・・」
キャラ「・・・・・!」
と、ドラムスコの大きな手がカタカタを包んでいる。
ドラムスコ「(やさしく)どうやら、お前さんも・・。根っからのミュージシャンなんだな。見た目は、ヤボだけどよ」

カタカタ「ほっとけ!」
強がって、ぷいっとそっぽを向く。
ドラムスコ「はは、ジョークだぜボーイ。泣きたくなるのもムリないさ。久しぶりに音楽で対話したんだ・・」
カタカタ「(嗚咽)」

キャラ「・・・! 音楽で・・・対話?」

言葉に出して、はっと思い当たるものがある。

― キャラのイメージ(通常と違う映像表現で) ―

ドラムスコが華麗に太鼓を叩く。
その手、飛び散る汗、スイングする上半身。
そして、「さぁお前たちの番だ」とウィンクを送る表情。
それらに、キャラやトッポ、ボビーが小さな太鼓を叩く姿が重なっていく。

ドラムスコの叩く太鼓。キャラが叩く太鼓。
そして、カタカタが奏でるカスタ。お互いがお互いを見ている。
目と目が対話する。笑顔を交わす。連打される太鼓・・・。

― もとの場所 ―

キャラの声「そうか・・対話かぁ・・・・」
キャラ「わたしたち、言葉じゃなくって。なんか、会話してたよね、ドラムスコさん!」
ドラムスコ「(なぜか英語で)ザッツライ・・!」(親指を立てる)
ドラムスコ「それが、セッション・・・音楽ってもんだぜベイベー(ウィンク)」

カタカタ「(ぽつり)ああ・・、早くまた・・・みんなで音楽やれる島に戻れるとええ・・(ひとり言)」
と、キャラが、カタカタを肘で小突く。
キャラ「いいこと言うじゃ~んカタカタのくせに」
カタカタがはじかれて飛ぶ。

カタカタ「(叫ぶ)」
カタカタ「くせには余計じゃには!」
笑うキャラ、ドラムスコ。
それを見てトッポとボビーも笑顔をみせる。
キャラ「(笑う)」

ドラムスコ、あらためて足もとの小太鼓を眺めて、
ドラムスコ「たしかに、お前さんの言うとおりだ。早くまた戻るといいな」
キャラも太鼓を眺め、
キャラ「きっとみんな、ここで・・・・。音楽で対話してたんだね・・・」

すると誰も小太鼓たちにさわっていないのに、キャラにはひとつひとつの太鼓の音が聴こえ出す。
(以下、キャラのイメージで)

太鼓に向かう小さな背中が浮かびあがった。
それは、ドラムスコが言ったようにまだ幼いヒュンの後姿なのだ。

キャラには、その姿がたしかに見えている。
熱心に、憑りつかれたように太鼓を叩いている幼いヒュン。
キャラの声「・・・ヒュンはその時・・・誰と対話してたんだろ?」
小さなヒュンの背中に、そっと呟いているキャラ・・。

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