ウサギのダイブ
鼻をつまんで背中からダイブするウサギ。その左側に、飛びこんだ直後のウサギの下半身が描(えが)かれています。時間の経過を表す方法で、現代のアニメやマンガのような効果を生み出しています。
岩の表現
筆の側面を紙にこすりつけるようにして、岩のゴツゴツとした感じを表しています。
流れる水
流れる水のようすを細くやわらかな線で表現しています。
サルの表情
岩の上に座り、背中を流してもらっているサル。目をつむり、気持ち良さそうな表情を浮かべています。
もっと知りたい 紙の特性を生かした表現
ウサギの耳
ウサギの耳の先が黒いのは、ニホンノウサギの特徴(とくちょう)です。鳥獣戯画(甲巻)では、当時、実際に日本に生息していた動物たちをモデルにしています。
秋の草花
ススキやオミナエシ、キキョウなど、秋の草花が描(えが)かれていることから、秋の情景であることがわかります。
もっと知りたい 秋の草花に注目!
次の場面へ
とつぜん動物たちの姿が消え、木や草が描(えが)かれています。見る人を次の場面へといざなう、絵巻によく使われる演出方法です。
はんこのなぞ
紙のつなぎ目におされた「高山寺(こうさんじ)」のはんこ。鳥獣戯画(甲巻)の52か所におされています。絵がぬき取られないよう、絵巻の持ち主である高山寺の昔のおぼうさんがおしました。なぜたくさんのはんこがおされているのでしょうか。
もっと知りたい 52個のはんこのなぞ
弓の競技を楽しむ動物たち。的はハスの葉、矢や弓も草で手作りしています。
もっと知りたい 賭弓(のりゆみ)
キツネのしっぽ
しっぽの先に火をつけて的を照らすキツネ。たいまつのように見えることから、この絵巻全体が夜の風景を描(えが)いているという説もあります。
カエルたち
競技を見守るカエルたち。弓や矢の具合をチェックするカエルも。そのしぐさは人間そのものです。
もっと知りたい 平安時代、カエルは人気者だった!?
せんす
せんすを持って手招きするウサギ。ウサギが何を見ているのか、気になりませんか?
これは、視線やしぐさを使って次の場面に進めさせる、当時の絵巻によく見られるテクニックです。
えんかいのじゅんび
平安時代、賭弓(のりゆみ)のあとに盛大な宴会(えんかい)が開かれていました。長い箱の中には食べ物が、つぼの中にはお酒が入っています。
えんかいの道具
ウサギが持っているのは、お酒を注ぐための道具。
ウサギのちこく
競技に遅刻(ちこく)したのか、弓を持ったウサギが大急ぎで走っています。
右から左へ流れていた場面の中に、とつぜん現れる左から右へのウサギの動き。見る人を楽しませる仕かけです。
絵巻の真ん中
このあたりが長い絵巻の真ん中くらいです。ここでとつぜん場面が変わります。
現在の鳥獣戯画(甲巻)の前半と後半は、もともと別の巻物でした。同じテーマの絵巻が別々に作られ、のちに、ひとつの絵巻へと合体したことがわかっています。
おくり物
おぼうさんの格好(かっこう)をしたサルに、シカがおくられています。当時、おぼうさんへのお礼に馬をおくることがあったため、馬のかわりと思われます。 近くに描(えが)かれているイノシシもおくり物でしょうか。
にげるサル
にげるサルを、ウサギとカエルが追いかけています。サルが何かいたずらをしたようです。
もっと知りたい 前半と後半で描き手がちがう?
ひっくりカエル
カエルが白目をむいてひっくりかえっています。直前の場面でにげていたサルのしわざ?
もっと知りたい 線でわかる!描き手の超絶テクニック
オモダカ
カエルのそばに落ちているのはオモダカという植物の葉っぱ。オモダカを矢じりに見立てて、戦いごっこをしているという説も。ほかの動物たちが持つ草木も、刀ややりの代わり?
かくれるネズミ
ウサギのうしろにかくれるネズミ。その視線の先にはネコ。平安時代から「ネコはネズミの天敵」という関係は変わらないようです。
びんざさら
両手で何かを持っておどるカエル。実は「びんざさら」という楽器です。
もっと知りたい 田楽(でんがく)
イタチのまかげ
ネコのように見えるこの動物は、イタチといわれています。
うしろ足で立ち、手を目の上にかざして見る姿が「イタチの目陰(まかげ)」といわれ、うたがわしげに人を見る様子を表しているとされます。
秋の情景
秋を代表する花、ハギがさきほこっています。作者は動物たちだけでなく、秋の情景もいきいきと描(えが)いています。
すもう
相撲(すもう)を取るウサギとカエル。勢いあまって、カエルがウサギの耳にかみついています。
口からけむり
ウサギを投げ飛ばしたカエルの口からは煙(けむり)のような線。気合の声を表しているようです。現代のマンガのような表現です。
笑うウサギ
投げ飛ばされたウサギは、なぜか楽しそうに笑っています。この絵巻全体が「遊ぶことの楽しさ」を表しているという説もあります。
もっと知りたい アニメーションのような効果
大笑い
大笑いする3ひきのカエル。ゲラゲラという笑い声が聞こえてきそうです。
すごろく
サルがかついでいるのは双六盤(すごろくばん)です。
もっと知りたい 双六(すごろく)
そうのまね
木の葉を身にまとうサル。全国をめぐり布教する僧(そう)のまねをしていると思われます。
じゅず
みんな数珠(じゅず)を持ってまじめな法要の場面…と思いきや、よそ見をしたり、おしゃべりしたり、ほのぼのとした雰囲気(ふんいき)です。
サルのなみだ
サルがお経を聞いて感激し、なみだを流しています。
お経の声
サルのおぼうさんの口から出る線は、お経の声を表現しています。
仏さま
サルのおぼうさんがお経を上げるのは、なぜか仏さまのまねをするカエル。
ミミズク
枝にとまるミミズク。動物たちの中でこのミミズクだけが私たちのほうを見つめています。
おぼうさん
法要が終わり、サルのおぼうさんのもとにお礼の品が運ばれています。おくり物を受け取るサルのおぼうさんは、満足げな表情。よくばりなおぼうさんへの皮肉?
トラの毛皮
ウサギが運ぶトラの毛皮。平安時代、室内のかざりに使われていました。
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