『社会にドキリ』の第4回「権利と義務」、第6回「災害復旧と復興」、第7回「地域の開発と活性化」を活用し、授業実践を行いました。
「権利と義務」を視聴した授業では、番組で紹介された税金が関係する身近な事例を「もしも税金がなかったら」という視点で思考ツールに整理することにより、税金によって多くの権利が守られていることに気付かせることができました。「災害復旧と復興」では、番組で取り上げられた地域の事例に加え、他の地域の事例を紹介する動画クリップも視聴しました。複数の地域の防潮堤建設に対する市民の願いや行政の具体的な取り組みを知り、共通点や相違点をまとめることで、地域の課題を解決するためには住民の積極的な政治参加が必要であることをより深く理解させることができました。「地域の開発と活性化」では、動画視聴を通して3つの異なる地域の事例を共通の視点で比較し、地域が違っても法律や補助金など国の制度や仕組みを生かしながら開発を勧めていることに気付かせることができました。
継続して行った「番組を活用した情報収集」「思考ツールを用いた情報の整理・分析」という活動の流れによって、児童が社会的な見方・考え方を働かせながら主体的に自分の考えを表現しようとする姿が見られました。また、番組のキーシーンを使いながら、より正確かつ分かりやすく情報を整理したり、共同編集機能で対話しながら情報を比較・分類・精選したりするなど、収集した情報をスムーズに整理・分析できるような活動の工夫を取り入れることで、考えたい本質的な問題を焦点化し、対話の質を高めることができました。
一方、時間の確保が課題として残りました。終末でスプレッドシートを使った情報活用能力の振り返りを行ったため、短い時間で活動を終える必要がありました。年度初めの時期であり、思考ツールの扱いにある程度時間が掛かったことも要因の一つとして挙げられます。一人一台端末のよさを生かして、事前に番組を視聴しておいたり、グループで別々の動画を分担視聴して収集した情報を共有したりするなど、授業では対話しながら考えを深める時間がしっかりと確保できるよう、授業をデザインしていく必要があると考えます。