①単元設定の理由
「正しく練習すれば、誰でも速く走れる。」長い間陸上競技の指導に携わり、感じていることです。令和元年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、運動が苦手な子どもたちは、上手にできたときや記録が伸びたとき、できなかったことができるようになったときに楽しいと感じるという結果が出ています。子どもたちが自分の成長を感じ、運動を楽しめるように本実践を行いました。
②成長ってなんだろう
走ることに関して、最もわかりやすい成長とはタイムが速くなることです。しかし、速く走るための方法を子どもたちは知りません。そのため、速く走るためのポイントに注目し練習に取り組ませる必要があります。本単元では、NHK for School『はりきり体育ノ介 陸上運動~走るに挑戦だ!~』を視聴し、自分たちで速く走るためのポイントを見付けることで、やらされる授業から、やりたくなる授業になりました。
③ユニット練習
速く走るための方法がわかった子どもたちは自分の走る姿を撮影し、NHK for Schoolの動画と比較しながら、自分の苦手なポイントを明確にし、Ⅰスタートの姿勢 Ⅱ腕振り Ⅲ足の動きの3つのユニットに分けた練習に取り組みました。
④スプリントドリル
子どもたちにとって、全力で走りながら、フォームを意識することはとても難易度が高いことです。そのため、ユニット練習ではスプリントドリルに取り組ませました。
Ex)腕振りの練習では、静止状態での腕振りからジョギング、矯正器具を付けてのスプリントと段階を踏んで練習しました。
⑤最後に
単元の最後の振り返りでは、自分たちで見付けたポイントに基づき、走り方の変わったところを見付け、写真や動画を使いながら振り返りを行いました。最後のタイム測定では、最初のタイム測定に比べほとんどの児童のタイムが速くなっていて、楽しんで走ることができたようでした。走・跳の運動は小学校1年生から高校生までずっと続いていく単元です。本実践を通して、子どもたちはPDCAサイクルを回す力を身に付け、自己の成長を実感し、運動の楽しさを感じることができたと考えています。"