第８弾
パラバドミントン × 瀬尾公治
秋月龍之介 役・斉藤壮馬さんインタビュー
“翼を「いつも見守っているぞ」という感情を表現できれば”
パラバドミントンという競技はご存じでしたか？
斉藤 もともとスポーツにはあまりなじみがなく、今回初めて知りました。自分でも調べてみたのですが、すさまじい熱量で、かつ真剣であるがゆえの楽しさをひしひしと感じました。今回、ご縁をいただいて知ることができて、よかったです。
アニ×パラ第８弾「パラバドミントン×瀬尾公治」の台本を最初に読まれた際の、秋月龍之介に対する率直な感想をお聞かせください。
斉藤 ここまでまっすぐな役を演じさせていただく機会もそんなにはないので、とても新鮮でした。瀬尾先生の作品は以前にも出演させていただいたことがあるのですが、その際はポエティックなセリフを言うイケメン役でしたし(笑)。
龍之介くんは等身大の男の子というか、少し幼さがあるというか。でも、それゆえに、まっすぐ自分の気持ちを伝えることができて、すてきだなと思いましたね。まあ、男の子特有の素直になれない感じもあるんですけど(笑)。
幼なじみでもある主人公・翼との関係をどのように感じましたか？
斉藤 二人ともかわいらしいなと感じました。瀬尾先生の描かれる男女の距離感は、もともと一読者としてすごく好きなんです。それが今回も遺憾なく発揮されていますよね。お互いに“明確な言葉は言わなくても、伝わっている気がする”という関係性に、キュンとしました。
翼と龍之介が障害のことも含めて言い合っているのが印象的でした。演じる際にはどのようなことを意識されたのでしょうか？
斉藤 収録前に「翼と龍之介が通じ合っているんだという部分を大事にしましょう」というふうにディレクションがあったので、龍之介くんの気持ちに寄り添って全力でやるだけでしたね。
心がけたのは、龍之介くんの人間としてのかわいげのあるところを出せたらということです。彼なりにいろいろと考え、翼ちゃんのことを心配しているからこその態度や言葉、感情があると思うので。それを素直に感じて、作りこみすぎないように自然体で表現することを意識してアフレコに臨みました。
龍之介の翼への愛情がとても感じられましたね。
斉藤 幼なじみとして育ってきて、一番近くで見てきたからこそ、龍之介くん的には、“一番つらいのは翼ちゃん”っていう思いがあったと思います。泣いたり、「勝ち逃げするなんて許さないからな」って言ったり。決して器用な言い方ではないけれども、“いつも見守っているぞ”っていう彼の思いが、作品の中にちりばめられています。その感情を素直に表現できていたらいいですね。
最後に、「アニ×パラ」という企画を通して、どのようなことを伝えたいですか？
斉藤 「アニ×パラ」には“あなたのヒーローは誰ですか”というメッセージがありますが、この作品を通して、自分で自分を信じてあげることが大事だと改めて感じました。そして、さらに誰かのことも信じ、受け入れてあげることができれば、それが一番すばらしいことではないかと思いましたね。「アニ×パラ」が東京パラリンピックやパラバドミントンを盛り上げるきっかけのひとつになったら、とてもうれしいです。
今回は瀬尾先生の原作なので、ラブコメで、翼ちゃんと龍之介くんがお互いに信頼し合っているところや恋愛のヤキモキ感みたいな要素も楽しむことができます。ぜひ、楽しんで見ていただきたいです。