和歌山 大塔山系(2004年6月20日放送)


大塔山系
紀伊半島南部の大塔山を中心に連なる大塔山系。年間雨量は4000mm。しかも一年を通して日光がふんだんに降り注ぐため、森は冬でも緑の葉をつける照葉樹林で占められています。初夏を迎えた森は、照葉樹が芽吹き、シイの黄色い花が咲き乱れます。番組ではいのち育む照葉樹の森を見つめます。

大塔山
大塔山
紀伊半島南部の最高峰、大塔山(1122m)です。

ニホンザル
ニホンザル
年中緑の濃い照葉樹の森では、ニホンザルも食べ物に困りません。

クマタカ
クマタカ
森の王者、クマタカです。
深い森が残る大塔山系は、食べ物になる小動物の宝庫です。

オオダイガハラサンショウウオ
オオダイガハラサンショウウオ
オオダイガハラサンショウウオは一年をこえる幼生期を水中で過ごすため、冬でも枯れることのない水域が必要です。
絶滅が心配されています。

ブナの森
ブナの森
本州最南端のブナの森です。

照葉樹の森
照葉樹の森
葉が芽吹き、花が咲いた初夏の照葉樹の森は、さまざまな緑が積み重なり、厚みを増していきます。



語り 吉岡 大輔(和歌山局アナウンサー)
取材地・取材時期
交通手段
取材地 :和歌山県本宮町・大塔村
●取材時期:2004年4月5・6日、5月1日〜8日
交通手段:
・阪和道路南部インターを降りて、国道42号線と311号線を利用して大塔村へ。山系一帯までは、南部インターから車で1時間30分ほど。
・電車の場合は、紀勢線にて田辺駅で下車。そこからバスかタクシーを利用。
登場する生き物
植物地形など
登場する地形
大塔山系:
標高は1000mあまり。それほど高くはありませんが、尾根や谷が入り組んだ複雑な地形をしています。
登場する哺乳類
ニホンザル:大塔山系ではよく見られます。緑の濃い照葉樹の森では食べ物に困ることはありません。
登場する鳥類
クマタカ:晴れた日に上空を旋回しています。食べ物となる小動物が豊富な深い森を必要とします。クマタカの存在は豊かな森の証しです。
●カケス:他の鳥の声をまねるのが得意です。照葉樹の実を好んで食べます。
登場する両生類
●オオダイガハラサンショウウオ:
紀伊半島と四国、九州の一部に生息しています。日本のサンショウウオでは、オオサンショウウオに次ぐ大きさです。水中で過ごすため、水の枯れない深い森を必要とします。
●タゴガエル:岩の下を流れる伏流水に産卵します。この時期はあまり人目に触れることはありません。
登場する植物
●アカガシなどの照葉樹:日光と雨の豊かな大塔山系では森の大部分は照葉樹で占められます。
●ブナ:山頂部には本州南限のブナ林が広がります。
●ウバメガシ:一般的には海岸沿いの植物だと考えられていますが、大塔山系では内陸まで入り込んでいます。山の頂上に生えるものもあります。
●アケボノツツジ:深い山に生えるツツジです。5mほどの高さになり、初夏の数日花を咲かせます。
より詳細な情報の
入手先
●参考文献:大塔山系大杉大小屋国有林・黒蔵谷国有林自然環境調査報告集
担当者より
番組アピール
年間降水量4000mm。事前の取材とロケは、この雨を身をもって体験することになりました。雨の中、重い機材を背負って3時間半かけて山にのぼったり、滑る石の上をたどって沢歩きしたり、ヒルに血を吸われたり…。
(ただ、ヤマビルがいるというのは、湿度が高く森が豊かな証拠!!)ロケも後半に入って雨があがり、青空が広がったとき豊かな雨と日光に恵まれた大塔山系の姿を見た気がしました。
大塔山や西隣の法師山は登山道も整備されています。天気に恵まれれば、頂上から太平洋を望むことができます。梅雨でなまった体に山歩きはいかがですか。
大塔山系の朝日 なかなか霧が晴れない中、ロケ最終日にようやくカメラにおさめることができた朝日。山々が墨絵のような美しいシルエットを見せてくれました。
この森の中で、クマタカやオオダイガハラサンショウウオのような貴重な生きものが息づき、植物たちが毎年花を咲かせ、日々の営みが繰り返されています。自然の力強さをあらためて実感するロケとなりました。


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