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山口県東部、瀬戸内海に浮かぶ周防大島。太平洋から流れ込む黒潮と複雑な地形が、海中に多様な環境を生みます。藻場が広がる岩場は稚魚のゆりかごとなり、砂地にはカレイやタコが潜んでいます。エサの豊富な周辺の海域ではイルカの仲間スナメリも暮らしています。そしてここにしかないものが4万個体に及ぶニホンアワサンゴの大群落。緑に輝く姿はまるで美しい花のようです。瀬戸内海の多様な環境に育まれる生きものたちの営みを見つめます。

番組内容

ニホンアワサンゴの大群落

緑色に輝くニホンアワサンゴ。小さな花のようなかれんな姿から「海中の花束」と呼ばれています。このサンゴが4万個体、世界最大の群落になって海中に広がっています。

流れ込む黒潮の分流

周防大島のある瀬戸内海西部は、太平洋から流れ込む海流の通り道です。豊かな潮の流れが、海中に多様な環境を作ります。

藻場のゆりかご

流れの速い海流がぶつかる海底は岩礁地帯になっています。そこに繁茂するクロメやホンダワラの藻場は、メバルやスズメダイなどさまざまな稚魚を育むゆりかごです。

砂地に広がるアマモ場

海流が遮られる島影の海底では砂が堆積し、アマモ場が広がります。こうした場所が稚魚たちの隠れ家となり、それを狙う生きものも生息しています。

ニホンアワサンゴの繁殖

ニホンアワサンゴは、幼生が1ミリほどになるまで体内で育てます。一斉に卵と精子を放出する多くのサンゴと違い、幼生を一つずつゆっくりと海中に放出していきます。

周辺に定住するイルカ・スナメリ

周辺の海域には体長2メートルほどのイルカの仲間・スナメリがすんでいます。沿岸域に定住する珍しいイルカで、近年数を減らしています。しかし瀬戸内海の西部はスナメリの食べものが豊富なため、大きな群れが見られることもあります。

情報

語り 大成安代(おおなりやすよ)アナウンサー
取材時期 2013年5月上旬
取材地 山口県周防大島町、上関町周辺海域
交通手段 【JR】JR山陽本線「大畠駅」より路線バスかタクシーを利用
【高速バス】広島、岩国と周防大島を結ぶ高速バスが運行中
【フェリー】三津浜(愛媛県松山市)より伊保田(周防大島)行きのフェリー「オレンジラインしらきさん」を利用
より詳細な情報の入手先 周防大島町観光協会 TEL0820-72-2134
登場する動物
  • ニホンアワサンゴ
    日本近海に生息する東アジア固有のサンゴ、ミドリイシの仲間。一般的なサンゴよりも水温の低い地域に生息している。
  • メバル
    藻場に生息するカサゴの仲間。瀬戸内海を代表する魚のひとつ。
  • コブダイ
    主に日本南部の海に生息。子どもの頃はメス、大きくなるとオスに性転換する。
  • アサヒアナハゼ
    カサゴの仲間。小さなメバルの稚魚などを補食している。
  • イイダコ
    瀬戸内海でよく見られるタコ。
  • ハタタテダイ
    黒潮に乗ってやってくる死滅回遊魚のひとつ。冬は越せない。
  • カゴカキダイ
    黒潮に乗ってやってくる死滅回遊魚のひとつ。冬は越せない。

取材日記

周防大島でニホンアワサンゴの大群落が確認されたのはつい数年前のことです。「瀬戸内海にサンゴ?」私が初めに思った感想です。サンゴというと暖かい海というイメージが強いため、瀬戸内海にサンゴの群生があるとはにわかには信じられませんでした。しかし取材を進めていくと、周防大島という島の地理的な特徴やニホンアワサンゴの生態が、群生を拡大するのに非常に適しているとわかってきました。「いつからサンゴは生息しているのか」、「これからどうなっていくのか」、まだまだ研究は始まったばかりです。しかし地元の漁業者やダイバーの方々はこのサンゴをきっかけに、この海を守り続けていきたいと、度々取材に協力してくれました。南の海のように彩りにあふれて透き通った海ではありませんが、独特の豊かさをたたえた瀬戸内海の魅力を少しでも伝えられればと思っています。
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