NHK札幌放送局

自然の力を生かした魚道を作る

サケチャンネル

2018年11月22日(木)午後6時18分 更新

防災や発電のため川に作られるダムやえん堤は、魚たちが川を行き来することを妨げます。妹尾優二さんは、道内各地にあるそうしたダムに、魚たちが行き来するための魚道をつくる活動をしています。その魚道は妹尾さんが自然から教わったヒントで工夫されています。

「川の先生」 妹尾優二さん

津別町で開かれた子供たちの自然教室です。先生役を務めるのは妹尾さん。余市町で生まれ育った妹尾さんは、小さいころから川が大好きで、魚や川の環境の観察や研究を60年以上続けてきました。子どもたちと川遊びをすることで川の楽しさだけでなく川の怖さを伝える活動をしています。

河川工事の現場から

妹尾さんはかつて、道内大手の開発コンサルタント会社で仕事をしてきました。高度成長の時代に設計者として河川改修事業に関わり、手がけた河川改修の結果、川から魚が居なくなってしまうことを経験してきました。

これではいけないと考えた妹尾さんは、およそ30年前から環境に配慮した事業を手がけるコンサルタントを始めました。自然の川の特性やそこに棲む魚の生態についての知識と、河川工作物の専門家としての経験をあわせて、自然に配慮した改修工事を提案しています。

自然の力を生かす

たとえば、川幅が比較的広い支流の取水ぜきには、せきを迂回する別の流れを魚の通り道として作りました。

材料は大小の石。自然の石を組み合わせることで、さまざまな流速の流れができるので、泳ぐ力が弱い小さな魚も行き来することができます。

こちらの農業用の取水えん堤には、魚の遡上と、流れを緩やかにする機能を両立させた魚道を作りました。

大雨で水かさが増えると、上流から流れ落ちる水が、魚道のまんなかでぶつかりあって勢いが衰える仕組みです。

サクラマスを追って

手がけた魚道が役立ったいるのか、秋になると妹尾さんはサクラマスの産卵状況を調べています。

サクラマスは川の上流部で卵を産み、稚魚は川で1年を過ごしたあと、海に下ります。海で大きくなったサクラマスは、川を遡って産卵のため上流を目指します。サクラマスにとって、川の上流から海までスムーズに移動できることが欠かせません。

サクラマスたちは、妹尾さんが作った魚道を通り、産卵していました。この日、調べた1.4キロの区間に、産卵したあと=産卵床が100か所以上見つかりました。

妹尾優二さん「この流域全体から見れば、サクラマスの遡上、産卵は多くなっていると思います。サクラマスは最上流まで遡上して産卵する魚。それを復活させていくというのは、川にとっても魚にとっても、人間にとっても豊かな川に蘇っていくのでは」

2018年10月10日放送

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