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WEBニュース特集 「大雪山」に噴火警戒レベル導入

北海道WEBニュース特集

2019年3月20日(水)午前11時00分 更新

観光地に近い「大雪山」が活火山であることはご存じでしょうか。最近の噴火はおよそ700年前。およそ2800年前には山が崩壊する大規模な噴火をしました。この大雪山に3月18日、火山活動の状況に応じてレベル1から5までの5段階で防災情報を発表する「噴火警戒レベル」が導入されました。レベルごとに、どのような点に警戒すればいいのでしょうか。

大雪山に噴火警戒レベル

大雪山は、道北の東川町、上川町、美瑛町にまたがっています。3月18日、大雪山に噴火警戒レベルが導入されました。レベルは火山活動の状況に応じて1から5までの5段階で防災情報を発表します。火山活動の状況に応じてレベルが上がり、必要な警戒範囲も広がります。レベルの導入で、住民や観光客への避難の呼びかけの対応が、よりスムーズになることが期待されています。
噴火警戒レベルは、気象庁が常時観測している道内の9つの活火山に導入されています。レベルは9つの火山すべてで、火山活動が静穏な状態を表す「1」です。

観光地に近い大雪山 噴火の備えを

大雪山はたくさんの登山者や観光客で賑わう場所です。しかし、いつ噴火口が出来てもおかしくない範囲の中にロープウェイ駅の山側が含まれていたり、想定される噴火口から2キロ以内に温泉街があったりします。このため、より迅速に避難を呼びかける必要があり、レベル3を飛ばす運用をします。例えば、火山活動が活発化して、火口周辺の立ち入りを規制するレベル2からさらに引き上げる場合、気象台は、入山規制のレベル3を飛ばして、避難準備が必要なレベル4や避難が必要なレベル5を適用することになります。

噴火警戒レベルごとに決められている範囲は

それぞれの噴火警戒レベルの範囲を地図で見て注意すべき点を確認していきます。
【レベル2】 
黄色で囲まれた場所は、レベル2の警戒範囲で、噴火口が想定されている範囲です。この範囲は、どこで噴火してもおかしくありません。

大雪山は、およそ2800年前には現在の地獄谷爆裂火口付近で山体が崩壊する大規模な噴火がありました。また、およそ700年前にも旭岳の北西で水蒸気噴火が起こりました。想定された火口の範囲は、たくさんの観光客でにぎわう旭岳のロープウェイ駅の山側も含んでいます。

【レベル3】
オレンジで囲まれた場所、レベル「3」の警戒エリアです。レベルが上がると範囲が広がります。想定火口域から1キロの範囲。大きな噴石が飛ぶことがあり、注意が必要なエリアになっています。
【レベル4】
赤いエリアはレベル「4」。想定火口域から2キロの範囲に広がります。このエリアには多くの観光客でにぎわう旭岳温泉を含みます。旭岳温泉に重大な被害を及ぼす噴火の可能性が高まった場合、「4」に引きあげられます。
【レベル5】。
紫のエリアは、想定火口域から4キロの範囲です。レベルは最上級の「5」です。旭岳温泉に、重大な被害を及ぼす噴火が、すでに発生しているか切迫している状況です。大きな噴火の時には、避難が必要です。
【火砕流と泥流】

火砕流と泥流も想定されています。火砕流は、オレンジの範囲に広がると想定。過去の噴火では、旭岳温泉のすぐ近くまで到達しています。
融雪型火山泥流は、青の範囲。雪が積もっている時期に噴火すると、雪が溶け、一気に流れ落ちます。
時速は70キロともいわれ、旭岳温泉や天人峡温泉にも到達すると想定されています。

札幌管区気象台地域火山監視・警報センターの谷口貴康所長は、「現在、大雪山は火山活動が平穏な状態ですが、活動がおだやかなうちに防災対応の準備をすすめて噴火災害の軽減につなげていきたい。大雪山の場合は観光地が近く、スキー客も多い。天気と同様に火山の活動を知って観光地に行ってもらえればと思う」と話していました。

具体的な避難計画が必要

大雪山の避難計画は、地元の自治体や道などが協議会を作って策定中で来年度には完成させたいとしています。今後、地元の自治体はより具体的な避難方法などを盛り込んだ防災計画の策定が求められることになります。

(2019年3月18日 放送)

札幌放送局 福岡由梨記者



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