NHK札幌放送局

樺太・千島戦争体験の絵(10)人生が一変したあの日

樺太・千島戦争体験の絵

2018年9月4日(火)午後6時00分 更新

終戦から半月が経過した、昭和20年9月はじめの歯舞群島、志発島。当時16歳だった少女は、屋根の上から見た光景に立ち尽くした。視線の先にはソビエトの軍艦。終わったはずの戦争はその後の彼女の人生に暗い影を落とすことになった。

絵を描いた根室市の福士美和子さん(89)は富山県で生まれ、家族5人で志発島に移住し、両親はコンブ漁を営んで暮らしていた。

自宅の屋根からその光景を目の当たりに

平穏な暮らしは、ある日突然一変した。近所の浜辺にソビエトの軍艦が現れ、福士さんは自宅の屋根からその光景を目の当たりにした。ソビエト軍の兵士はその日のうちに集落に姿を現し、やがて我が物顔で行き交うようになった。

浜辺にソビエトの軍艦が現れた
軍艦には人影が見えて大変なことになったと思った。ソビエト軍の兵士が家に来て、戸棚などを壊し恐ろしくなった。

島での暮らしに不安を感じた一家は、ソビエト軍の上陸から3週間後の9月29日夜、小舟で脱出を決行した。

持ち出すことができたのは命だけ

荒波の中を8時間漂い、一家は、納沙布岬から10キロほど離れた浜辺に流れ着いた。島から持ち出すことができたのは命だけ。家や財産、思い出の品すべてを失った。

根室で新しい人生を歩み始めたが、生活は貧しく、看護師になる夢も諦めざるを得なかった福士さん。海を見るたび、人生を一変させたあの日を思い出す。

今なら好きなように暮らせるのに、生まれた時代が悪かったんでしょうね

福士さんは志発島がある海をいつまでも眺めていた。


※動画はこちらでご覧いただけます

(2018年8月31日放送)

#樺太千島戦争体験の絵

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