NHK札幌放送局

痛みの軽減に鍼を生かせ!

ほっとニュース ミニ

2019年7月26日(金)午前10時22分 更新

“難治性疼痛”(なんちせいとうつう)という言葉をご存じでしょうか。現代の医療では根本的な治療法がないとされる痛みのことを指します。その痛みを抑える治療法として、鍼治療を活用しようとする取り組みが行われています。

がん患者が注目する鍼治療
ことし6月、帯広市で開かれた、がん患者の集いです。闘病中の患者やその家族など、およそ40人が集まりました。

がん治療に関する様々な展示が行われる中、ひときわ注目されていたのが、鍼治療の体験会です。

病気の進行や薬の副作用などでがん患者は強い痛みに襲われます。その痛みを緩和するための鍼治療を体験した人からは、その効果に驚きの声があがっていました。

鍼治療を体験したがん患者
「(痛みが)なくなっちゃった。嘘みたいです」。

鍼治療を解き明かす
帯広の医師で、がんの診断を専門とする加藤容崇さんは、現在の痛みを和らげる治療法は、がん患者にとって大きな負担になっていると感じていました。

加藤容崇医師
「ガンの強い痛みには、1番強い鎮痛薬、医療用の麻薬を使いますが、意識レベルが下がってしまって、仕事であったり、車の運転だったり、いろんな面で生活が制限されてしまう」。

生活の質を落とさずに痛みを取る方法として、加藤さんが注目したのが鍼治療でした。鍼治療によって、なぜ痛みがとれるのか。明らかになってない鍼治療のメカニズムを解明するため、脳の活動の解析に取り組んできました。。
脳波を精密に測定する機器で、鍼治療をした患者の変化を調べました。130人以上を測定して解析をした結果、痛みが取れた人は、共通してある部位で脳波が強くなっている事が分かりました。

赤で示したのは、脳波が強くなっているところ。大部分を占めるのが、楔前部(けつぜんぶ)と呼ばれる部位で、痛みの調節を行っているとされています。

加藤さんは、この発見が、鍼治療で痛みがやわらぐ、科学的な裏付けになるのではと考えています。

加藤医師
「鎮痛作用のメカニズムに迫る場所は特定されていなかったんですけども、今回初めて、その場所が特定されて、非常に大きな、鎮痛作用の科学的な解明につながる大きな発見だったのかなと」。

東洋医学と西洋医学を組み合わせて・・・
難治性疼痛は現代の医療では対処が難しいとされてきたことから、鍼治療の効果が解明され始めた事で、患者の期待も高まっています。

患者
「びっくりしました。東洋医学と西洋医学が手を結んだら、こんなに違うんだって思うくらい」。

加藤医師は、どのようなメカニズムで痛みがとれるのか、脳神経外科や麻酔科などの医師とも連携して研究をすすめ、鍼治療の科学的な根拠を確立していきたいと考えています。

加藤医師
「鍼治療をきちんと科学的に証明して、医療の本流に合流していきたい」。

2019年7月12日放送

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