NHK札幌放送局

ジンギスカンの鍋で地域を元気に

ほっとニュース ミニ

2019年7月31日(水)午後6時51分 更新

北海道の“ソウルフード”とも言える「ジンギスカン」。今回取り上げるのは肉やタレではなく鍋です。この鍋を道内に限らず、全国各地から集めて博物館まで作ってしまったという男性が岩見沢市にいます。 

【無数の鍋がズラリ】
岩見沢市にある、その名も「ジン鍋アートミュージアム」。展示スペースは8畳ほど。全国各地から集めたジンギスカンの鍋が300枚以上、所狭しと並んでいます。手のひらサイズで直径13センチのかわいらしい鍋や、その10倍の大きさで、博物館いわく「世界一大きい鍋」もあります。
鍋を収集したのは溝口雅明さん。私設博物館の館長です。

【鍋から感じる歴史】
溝口さんに自慢の鍋を紹介してもらいました。昭和31年考案の鍋には肉を焼く部分に煙突のような物がついています。これは、かつてジンギスカンは鍋を七輪に乗せて焼いていたため、その火力をフタを取り外して調節するために、つけられていました。

私設博物館の館長 溝口雅明さん
「集めていくと、鍋にはいろいろ形や機能があって、しかもそれが歴史を経るごとに変遷してくる。自分の“勉強”としても面白いと思って博物館を開いています」

コレクションの鍋は肉を焼くにも大活躍です。展示している一部の鍋で肉を焼くジンギスカンパーティーも月に1度のペースで開いています。

【ふるさとにこだわって】
溝口さんが博物館をオープンさせたのは3年前。そこには、ふるさとへの思いがありました。博物館のある万字地区は、かつて炭鉱の街としてにぎわい、昭和30年代には約5000人が暮らしていました。しかし地区の柱だった炭鉱は昭和51年に閉山しました。

当時を振り返る溝口さん
「あっという間に街が人口が減る。それはもうすごいショックでした。それこそ花見とか運動会のあとに必ず皆さんジンギスカンを食べてましたから、ここで博物館を開く意味もあると思いました」

にぎわいを少しでも取り戻したい。その思いから溝口さんはかつて食料品店だった実家を博物館にしました。

【人の輪を万字地区から】
7月20日、博物館から鐘を鳴らすような、不思議な音色が流れました。それは、展示してある鍋をたたいて、音色やビートを楽しむコンサートでした。
企画したのは岩見沢市内の音楽ユニット「岩見沢ノイズサミット」の吉田野乃子さんです。吉田さんは「博物館の鍋をたたいてみると鍋の種類ごとに全然音が違うということが面白い」と感じてコンサートを提案。それに対し溝口さんは快く引き受けました。

溝口さんに、吉田さんからコンサートの提案を受けた時のことを聞くと・・・。

「吉田さんたちから、“たたかせてくれませんか”という申し出があり、最初は“えっ?”と思ったんですが、話が盛り上がって“これ面白いね”ということになり“じゃあ、鍋たたくのに使っていいから、ここでコンサートしましょうか”ということになりました」

コンサートには旭川や釧路など道内各地から約60人が集まりました。最後には観客全員にも鍋が配られ、みんなで鍋の音色を満喫しました。

鍋をたたいた観客
「面白いですね」「鍋がすごくいい音でたたかせてもらって楽しかったです。また来たいと思います」
溝口さん
「鍋だけであんなに多彩な音楽とリズムができるとは思わなかったので、これは1つの収穫でした。夏のいっときに、コンサートを開くことで昔のにぎわいが再現できてよかったなと思ってます」


溝口さんの鍋への“情熱”がさまざまな人たちとつながり、その人の輪が地域を越えて広がっていると実感しました。
溝口さんは現在、江別市に住んでいてふるさとに月に1回通って博物館を開いています。
8月の開館日は8月17日と18日です。

2019年7月23日放送

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