NHK札幌放送局

東川町で行われている外国人材育成とは?

おはよう北海道

2019年9月19日(木)午後6時54分 更新

少子高齢化に歯止めがかからない北海道。人手不足が深刻な問題となっている介護の現場で、いま「外国人材」が注目されています。
 2019年4月から出入国管理法が改正され、より多くの外国人の受け入れが進む中、東川町では全国に先駆けた取り組みが進められています。

留学生の育成支援

ことしの春、東川町にある専門学校の介護福祉科に26人の留学生が入学しました。

8か国から集まった若者たち。
入学のきっかけとなったのは、町が導入した新たな奨学金制度です。

専門学校で学ぶ2年間を対象として560万円の奨学金が支給され、返済は不要。
費用の8割を国からの特別交付金で賄い、残りの2割は制度に参加する東川町とほか3つの町が負担します。
給付の条件は、資格を取ったあと最低5年は道内の決められた介護施設で働くことです。

この制度に魅力を感じたひとり、グエン・ヴァン・ナムさん。奨学金で、授業料だけでなく生活費も賄えるところが決め手となり、この学校で学び始めました。

「奨学金がなかったらアルバイトしなければなりません。毎日楽しくしています。」(ベトナム人留学生 グエン・ヴァン・ナムさん)

この奨学金制度ができた背景には、留学生が学費や生活費を稼ぐために労働に追われ満足に学べないという現実がありました。

さらにこちらの学校では、返済不要の奨学金に見合った意欲ある若者を見極めるための取り組みも行われています。

「彼は医薬大学(卒業)とありますけど、語学力が日本の学習についていけないだろうと。」(旭川福祉専門学校 黒田 英敏 副校長)

学歴が高い人でも、日本語での授業参加が難しそうであれば不合格とします。
また以前通っていた学校の出席率が90%を下回る人は、学び続けられるか不安があるため不合格にするなど、徹底しています。

「(留学と勤務の)7年間を北海道で過ごすことを理解しているのかどうか。語学力や学ぶ姿勢を持っていることが一番重要な基準じゃないかなと思います。」(旭川福祉専門学校 黒田 英敏 副校長)

地域に根ざした担い手をつくる

卒業後も地域に根ざした人材として定着してもらうため、留学生を受け入れたい施設と学校側が集まり、働きやすい環境をどう作っていけばよいか意見交換の場も設けられています。

「断食の時期があるので、(その期間は)お昼ご飯を食べない。その間、別室に行ってお祈りしている。」(介護施設職員)
「そう、お祈りの部屋っているよね、という話だとか。」(介護施設職員)

学校や施設、そして自治体が一体となって進める外国人の獲得。
人材不足解消の切り札として期待がかかります。

「『なんで外国人だけに資金を』という話になるかもしれませんけれど、そこは誰もが避けては通れない老後という問題ですので、そのためにはしっかりした人材を養成することではないかと思っています。」(東川町 松岡 市郎 町長)

東川町の例がモデルケースになるかどうか。この奨学金制度について、高齢化や人口減少に苦しむ自治体からの問い合わせが相次ぐなど、全国から関心が集まっています。

(2019年8月1日)

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