NHK札幌放送局

脱・孤(こ)育て みんなで育てる幼稚園

おはよう北海道

2019年7月16日(火)午後2時35分 更新

子育てで、周りに頼れる人がいないため育児を一人で抱え込んでしまう状況を、最近では、孤独の “” の字を使った「孤(こ)育て」と言われることがあります。「ワンオペ育児」とも呼ばれるこうした悩みを解決しようと、親同士が協力し合って子育てをする、ある幼稚園の取り組みをご紹介します。

「ワンオペ」から「共同養育」へ

札幌市に住む大場 絢子さん。生後4か月の士然(しぜん)くんを抱えたまま、朝食の準備を始めます。

食事と遊びが一緒になってしまう長男・湊士(そうし)くん、まだ食事に手伝いが必要な長女・杜和(とわ)ちゃんの面倒も見ています。

会社員の夫が出勤したあと、毎日一人で家事をこなしている大場さん。忙しいさなか、湊士くんと杜和ちゃんの赤ちゃん返りでさらに頭を悩ませることも。

「一気にいろいろなことがワ―ッとくると、すごく大変って感じる。自分一人しかいないので、本当に『無理!』ってなっちゃいますね。」(大場さん)

そんな大場さんの大きな支えになっているのが、湊士くんが通っている幼稚園です。

入園しているのは湊士くんだけですが、到着早々、末っ子の士然くんのこともその場にいる大人たちが面倒を見始めました。

園舎の中に入っていくと、子供たちに交じって親たちの姿がたくさん。

実はこの幼稚園、親は帰らずに子供たちと一緒に過ごし、皆で面倒を見ているのです。

ここに来るとワンオペ育児が解消され、さらに他の子どもたちと接することで気持ちがリフレッシュできるといいます。

「うちの子は、たぶん、どこかにいる(笑)。はなちゃんのお母さんもどこかにいて。いま私たちはラブラブなので。なついてくれて。」

孤立を防ぎ、地域で見守る

園長の木村 仁さんは、50年間幼児教育に携わる中、みんなで寄り合って子育てをしていくことの力強さに気付いたそうです。

「客観的に人の子は見るから。わが子は感情がどうしても入る。何か気に食わなくなると上から目線で怒る。やっぱり冷静になって(子どもと)対等に会話して、それがプラスアルファになって自然に支えあっていけるようになる。」

大場さんにとってもう一つ大きな支えになっているのが、親同士で何でも打ち明け、話ができること。

なかでも、同じような経験をしてきた先輩お母さんたちは頼りになります。

「一日を通して何回もいろいろな人と話す機会があるので、我に返るチャンスがある。仲間がいてくれるから、良いほうに変われたというところがありますね。」(大場さん)

末っ子の士然くんは、この日もたくさんの親に囲まれていました。時にはつらく感じる育児も、親同士がつながればみんなで前に進んでいける。大場さんは今、改めてそう感じています。

親を孤立させない。みんなで見守り、育てる。
そんな動きが少しずつ広がっているようです。

(2019年6月28日放送)

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