NHK札幌放送局

激減のサケ 資源回復のヒントは「サケに任せる!?」

サケチャンネル

2019年2月25日(月)午後1時16分 更新

人気の海鮮料理のひとつイクラ丼。そのイクラの値段が今、大幅に上がっています。大きな要因の1つがサケの激減です。そのサケ資源の回復のヒントになる最新の研究結果が、先月まとまりました。キーワードは「サケのことはサケに任せよ」です。

イクラ値上がり中

キラキラと輝くイクラ丼。東京都内の店では看板商品にしています。しかし、イクラの仕入れ価格は、この5年で4割から5割ほど高くなったと言います。

東京渋谷区の居酒屋 宮澤章店長
「ギリギリです。これ以上あがると(厳しい)」

イクラはサケの卵 ではサケはどうなっているの?

サケの「ふ化放流事業」は、資源の確保のため、明治時代から始まりました。自然に生まれた稚魚は体が小さく、ほとんど生き残れないと考えられていたこともあり、法律によって推進されてきました。

ふ化放流事業では、まず、川をのぼってきたサケを原則、全て捕獲します。人工授精させたあと、卵をふ化。育てた稚魚を放流します。この取り組みを続けることで、漁獲を保ってきました。
しかし、海洋環境の変化などから、近年、サケの漁獲は大きく減っています。日本の沿岸でとれるサケは、2004年度(平成16年度)以降減少し、昨シーズンは、ピーク時の3割弱まで落ち込みました。

どうやったら資源を増やせるの 調べてみた

資源を増やす手だてはないか、国の研究機関は、最新の技術を使った調査結果を先月まとめました。調べたのは、放流された稚魚と、捕獲を逃れて自然に生まれ育った稚魚が川に戻ってくる割合の違いです。自然の稚魚は、生き抜く力が弱いと考えられてきましたが、調査の結果、放流したものとほぼ同じ割合で川に戻ってきていました。

さらに、調査した5年のうち3年で、むしろ「自然のもの」が上回り、これまでの常識を覆すデータが得られました。「サケのことはサケに任せよ」ともいうべき結果だったのです。

水産研究・教育機構 森田健太郎主任研究員
「統計的には違いはないとわかって『そうだったのか』と改めて実感した」

現在のふ化放流事業では、施設に限りがあることや、人手不足などが原因で、捕獲したサケの半数ほどしか、ふ化に使われていません。そのため専門家は、すべて捕獲するのではなく、必要なサケ以外はそのまま、川でふ化させることで、資源回復につなげられるのではないかと話しています。

「放流する稚魚の数はなかなか増やすことができないとしても プラスアルファで稚魚の降下数が増えるので その分 帰ってくるサケの資源量も増えるのではないか」

自然に任せてみると・・・

サケの漁獲が盛んな北海道では、自然産卵を促す試験的な取り組みが始まっています。日高地方では、一部の川でサケを取る仕掛けを撤去。サケが自由に川を上れるようにしました。
当初は、漁業者などから不安の声が上がりましたが、仕掛けを撤去した川の1つでは、放流した稚魚とほぼ同じ数の稚魚が自然に生まれていたとみられることが分かりました。

日高管内さけ・ます増殖事業協会 清水勝専務理事
「5年後10年後の姿は おそらく天然魚にある程度ゆだねながら 人工増殖は人工増殖はやっていって 天然は天然でやっていく 互いにやっていくのが一番いいのかな」

2019年2月16日放送

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