NHK札幌放送局

“アイヌ新法”サケ漁規制緩和へ

ほっとニュース北海道

2018年12月21日(金)午後7時43分 更新

国のアイヌ政策について話し合う会議が19日、東京で開かれ、アイヌの伝統的な漁を継承するため、サケを捕獲できる規制緩和などを盛り込んだ新たな法律案の概要が公表されました。

総理大臣官邸で19日、開かれた国のアイヌ政策について話し合うアイヌ政策推進会議は、座長の菅官房長官や北海道アイヌ協会の加藤忠理事長や高橋知事が出席しました。

19日の会合では、アイヌ民族の地位向上を目指す新たな法律の制定に向けてアイヌ民族を先住民族と位置づけることや地域振興などにも軸足を置くとした、これまでの議論などを元にした法案の概要が説明されました。
具体的には、アイヌの人たちから要望があった文化の継承を後押ししようと、伝統的な漁を継承するため川でサケを捕獲したり国有林で樹木などを採取したりする際の手続きを簡単にすることなどが新たに盛り込まれています。

また、地域振興を目指しアイヌ文化を生かした事業を計画する自治体を対象に新たな交付金制度を設けます。
会議の最後に菅官房長官は、「未来志向のアイヌ政策となるよう検討を進めたい」と述べた上で法案を来年の通常国会に提出する考えを示しました。
法案の概要について、北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は「これまで長い時間がかかったが大きな一歩だ。国が先住民族政策として行うことが画期的だ。今後地域とアイヌ協会が一体となって事業を展開したい」と話していました。

また、高橋知事は「道としては今まで以上に自治体と連携しながらアイヌの人たちの活動を支援をしたい」と述べ地域振興に力を入れていく考えを示しました。

【法制化をめぐる動き】
現在の「アイヌ文化振興法」は明治以降の同化政策からの転換を目指し平成9年に制定されました。
アイヌ文化の振興が国や自治体に義務づけられたほか文化の伝承などの事業に補助金が交付されるようになった一方、明治政府が成立する前から北海道などに住んでいた「先住民族」という位置付けやそれに伴う権利の回復は盛り込まれませんでした。
その後、先住民族の権利を明記した宣言が国連で採択され国際的な基準の一つとして広まったことを受け、平成20年、日本の国会でもアイヌ民族を先住民族として認めることを求める決議が可決されました。
政府はより幅広い政策を展開するため新たな法律の制定を目指しアイヌの人たちや有識者を交えて議論を進めてきました。
その結果、今回、アイヌ民族を先住民族として認めるほか、自然の資源に関する規制緩和を盛り込んだ新たな法案が来年の通常国会に提出されることになりました。

2018年12月19日放送

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