NHK札幌放送局

ヒグマによる牛被害 専門家「早めの駆除を」 #ヒグマ

ほっとニュース北海道

2019年8月8日(木)午後8時51分 更新

道内各地でヒグマの目撃やヒグマによる被害が相次いでいます。このうち標茶町では、生きた牛がクマに襲われるという、これまであまり例がない被害が連続して起きています。 専門家は早く駆除しなければ今後、被害が広がるおそれがあると指摘しています。

【生きた牛が襲われた】

乳牛の背中に、ヒグマに引っかかれた痛々しい傷痕が残っています。6日、放牧地で傷ついて弱っている状態で見つかりました。
このほか1頭がばらばらになった状態で見つかり、いずれもクマによる被害とみられています。

標茶町では、7月から生きた牛がクマに襲われる、これまであまりない被害が発生しています。3つの牧場や放牧地で少なくとも5頭が死にました。

【酪農への影響も】

この牧場では、放牧地に放していたおよそ30頭をやむをえず牛舎に戻しました。牛は自由に動き回ることができず、ストレスをためて病気などにかかりやすくなるおそれがあるといいます。
被害に遭った酪農家は「牛を襲ったクマが駆除されない限り、いつまでも不安が残る。牧場に牛を放せない現状に非常に困っている」と切実に話していました。

【クマ目撃増加中】

ことし、道内ではクマの目撃が増加しています。警察が8月6日までに認知した件数は1136件と、過去5年間で最も多かった去年の同じ時期を、暫定値で122件上回っています。

7日には山あいにある住宅地近くで、散歩していた男性がクマを目撃しました。その距離は、歩道からわずか10メートルほどでした。男性は「クマの顔を見てびっくりした。真っ黒い顔で、毛がつやつやしていた。今までクマなんて出るわけないんだろうという調子で歩いていた」と興奮した様子で話していました。

【懸念は人への影響】

地元の猟友会は人への危害を懸念しています。北海道猟友会標茶支部の後藤勲支部長は「いちばん困るのは、クマが牛を襲うのを防ごうと農家の人が牛舎に入ること。クマは自分のエサを取られたら困るから人をやっつける、そういう悪循環が起きてくるんじゃないか」と指摘していました。

道内で銃を使う狩猟の免許を持つ人は、およそ6900人と減少傾向のうえ、高齢化も進み、駆除するための迅速な対応が難しくなっています。後藤支部長は「若い人たちを育成しなければ、あと5年もたったら、クマは増える一方でハンターはいなくなってしまう」と話していました。

【危険個体は早めの駆除を】

専門家は、牛がエサになることを知ったクマを早く駆除しなければ、ほかのクマがまねをするおそれがあると指摘しています。道立総合研究機構・環境科学研究センターの間野勉自然環境部長は「いちばん重要なことは、牛を襲ったクマを特定して、確実に捕獲して駆除するということです。今回のようなクマが放置されると、周辺に住んでいるクマも、牛を襲った痕跡や食べ残し、排せつ物などを見つけて、間接的に学びます。同じように牛を襲うクマが出てくることが危ぐされます」と話していました。
標茶町で飼育されている乳牛の数は、およそ4万5000頭。町の人口のおよそ6倍にのぼります。
町の基幹産業である酪農への影響が長引かないこと、そして何より人に被害が及ばないことが望まれます。

2019年8月8日

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