NHK札幌放送局

ふるさとの街 宝探して~安田顕が行く室蘭

北海道中ひざくりげ

8月24日(金)午後4時30分 更新

今回の旅人は、室蘭生まれの俳優・安田顕さん。

「私はここ室蘭市で生まれ育ちました。」
「今回は私の視点で、この街の新しい魅力を見つけていきたいと思います。」

旅の手がかりとなるのは、北海道の名付け親・松浦武四郎。
江戸時代、くまなく蝦夷地を探検し、見聞きした物を書き記しました。

それから150年。ふるさと・室蘭の街が刻んできた長い年月をたどります。

室蘭絶景クルーズ

内浦湾に面する歴史ある港町・室蘭市。明治以降は製鉄の街として栄えてきました。
現在の人口は8万余りです。

室蘭の美しい景色を見ようと安田さんが向かったのは、観光クルーズの船。
武四郎が見たであろう景色の場所へと向かいます。

見えてきたのは、室蘭のランドマーク・測量山と港の景色。
「これがないと室蘭ではない、さびしいと思うような絶景です!」

室蘭沖は暖流と寒流が交わる豊かな海。多くのイルカや鯨がやってきます。
「ここはイルカがいるポイントです。」

武四郎も、アイヌの人たちがイルカを捕らえる姿を目撃し、記録しています。

運が良ければ見られるのがこの光景。イルカの大ジャンプ!

生まれ育った室蘭の魅力を、海から見つめてきた船長の山田さん。子供のころから海に関わる父の仕事に憧れてきました。

山田さんがずっと抱いている夢。
「観光でもっと室蘭を盛り上げて、違う地域にいる同じ年代の人たちがいつか室蘭に戻ってきてほしいなと思います。」

安田さんの母校

次に安田さんが向かったのは、室蘭の町が始まった記念すべき場所。街の中心部から5キロほど離れた絵鞆(エトモ)地区。エトモとはアイヌ語で「岬」という意味です。

安田さんが少年時代を過ごしたのが、ここ絵鞆地区でした。

安田さん、30年ぶりに母校へ。
「私の母校、絵鞆小学校です。」
「あそこのブランコ、のぼり棒…。いろいろなことを思い出しますね。」

円筒形の校舎が二つ連なる小学校。3年前、児童数の減少により他の小学校と統合され、閉校しました。

校舎の真ん中にある螺旋階段。安田少年にとってここは大好きな遊び場のひとつでした。

「滑って降りてた!」
「めちゃめちゃ懐かしいです!」

校舎の保存を訴えている村田さん。校舎を街の博物館として活用したいと考え、多くの人たちと協力。学校の写真集も作りました。

幼い頃の思い出や、当時の暮らし。街の記憶を、地元の人だけでなく、室蘭を訪れた人たちにも伝えようとしています。

「記憶をたどれるような、そういう場所がすごく大事だなって」
「物って自分たちが生きてきた証しみたいなもの」

積み重ねてきた思い出を、この街の未来へ。人々が生きてきた証が、引き継がれようとしています。

室蘭のソウルフード

やってきたのは街で一番古いお菓子屋さん。安田さんもこのお店で母親からよくお菓子を買ってもらったといいます。

「古谷さんといえば、僕はこれです!」

店の自慢は昭和30年代から作っているというバターを使ったおせんべい。

バターと小麦、砂糖が練りこまれた生地を焼き上げた、素朴なお菓子です。

「あー!これね!これ!」
「懐かしい。」

知り合いへのお土産や手軽なおやつとして、長く室蘭市民に親しまれてきました。

村田さんはこのお菓子に、街の人たちの思い出を添えて、味わってもらいたいと考えています。

『うちのお菓子箱の中にはいつも黄色い包装紙に包まれたバターせんべいが入っていました。』
『今年はおばの命日に…』

「そうか。お菓子で大事な人同士が繋がっていくね。」
「食べ物の記憶って強烈ですからね。」

長く室蘭市民に親しまれてきた、まさに室蘭のソウルフード。大切な思い出を運んでくれるふるさとの味です。

室蘭ローカルウィキ

150年前、松浦武四郎は様々な記録を残し、森羅万象を人々に伝えました。
現代の室蘭にも、街のあらゆるものに注目して記録する人たちがいます。街の様々な話題を記事にして、インターネットで発信。現代版・武四郎ともいうべき活動です。

「自分たちの街をPRできるようなサイト、室蘭のためにもなって面白そうだなと思って。」

記事にするのは街の歴史や地名の由来、気になる食べ物や町並みの探検などありとあらゆること。

【室蘭ローカルウィキ】と名づけられたこの活動は、いわば街の電子版百科事典。誰でも参加でき、書かれた記事は4年間で1200件を超えました。

安田さんはメンバーの取材に同行することに。

アイヌの人たちが使っていたという古い道を歩き、たどり着いたのは街を見下ろす丘の上。

室蘭工業大学の准教授・本田泰さんが調べているのは一枚の古い地図です。

「ちょうど200年くらい前に描かれたという地図を発見しまして。」

大航海時代の終わりにイギリスの探検家・ブロートンが描いた地図。現代の室蘭と比べてみると…
「形がぜんぜん違うんですよ。」

本田さんは、歴史に思いをはせながら、この地図の謎解きを楽しんでもらおうと考えつきました。

「へぇ面白いな。室蘭を再発見できる。街自体がどのように成り立っているのか、以前はどんな形だったのか、これからどうなっていくのだろうか、とか。」

「私は今回、松浦武四郎さんの足跡をたどりながら、室蘭市を旅しました。」
「自分の知らなかった室蘭という街を教えてもらいました。」

時とともに刻まれた町の記憶を、宝物として、未来へ託す。そんなふるさとの姿がありました。

2018年6月29日(金)放送
北海道中ひざくりげ
「ふるさとの街 宝探して~安田顕が行く室蘭」より

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北海道中ひざくりげ

旅人が北海道各地の素敵な人たちと出会い、その土地の風土や自然を伝える「北海道中ひざくりげ」は、昭和62年(1987年)から始まり、テーマソング「北の旅人」とともに親しまれてきました。 今年(2018年)は探検家・松浦武四郎が北の大地を旅し「北海道」と名づけて150年目。北海道を代表する“あの男たち”が今、武四郎の足跡をたどり、道内各地の魅力に触れる旅に出ます!

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