NHK札幌放送局

布のぬくもりを絵本に込めて

ほっとニュース ミニ

2019年4月23日(火)午後1時21分 更新

札幌市中央区にある私立の図書館「ふきのとう子ども図書館」。 45年前、この図書館を運営する団体が布で絵本を作りました。

本の大きさや題材はさまざま。日常よく目にする乗り物や、どうぶつ、童話をイメージしたものもあります。現在、図書館には98種類、およそ700冊の布の絵本があり、貸し出しもされています。布の絵本を楽しむ人たち、そして本を作る人たちの思いを取材しました。

ぬくもりにあふれた図書館

図書館の中に入ると、季節感のあるタペストリーやさまざま生地を組み合わせてつくったケーキのおもちゃなど、布のぬくもりでいっぱいです。

図書館を取材した2月24日。この日は布の絵本やおもちゃの展示会が開かれ、多くの子どもたちが絵本を手にして楽しんでいました。

図書館に子どもと2人で訪れたという女性に、布の絵本の印象を聞きました。

「こんなにしっかり絵本になっていると思わなくて、楽しめる仕掛けがいろいろあるのがいいなと思いました。柔らかい素材ですし顔に落ちてきても大丈夫なのもいいですね。」

また別の女性は、「やっぱりあたたかさがあるところが魅力ですね。色も鮮やかで気持ちもウキウキします。」と笑顔で話してくれました。

布の絵本 誕生のきっかけは

布の絵本はどのように生まれたのでしょうか。図書館を運営する団体の代表理事を務めている、高倉 嗣昌さんにお話を伺いました。

「 『知的障害と視覚障害、二重の苦を持っているこの子にも本を与えたい。何かないでしょうか』と相談を受けたんです。それで行き当たったのがこの布の絵本です。」(代表理事 高倉さん)

たとえば、この「むし」という絵本。

布でポケットになっている部分から中の虫を取り外すことができて、手先の訓練にもなります。

また、いくつも付いたボタンに糸を巻きつけることで、くもの巣を作って遊べる工夫がされているページもあります。

やがて、子どもが初めて手にする本としてもぴったりだと評判になり、さまざまな絵本が作られるようになりました。
障害に関係なく、読んで、触って、楽しめる絵本を一冊でも多く子どもたちに届けたい。高倉さんの思いです。

布の絵本 作り手は…

布の絵本とおもちゃは図書館の二階の作業場で作られていました。制作にあたるのはすべてボランティアの人たち。およそ60人が交代で作業にあたっています。

ほとんどが手作業で作られていて、どんなふうに遊んでもらうか、考えながら作るのがまた楽しいといいます。
図書館を運営する「ふきのとう文庫」のボランティアリーダー・出村厚子さんは「料理ではないですけれど、ひと針、ひと針、愛情をいっぱいこめて作っているつもりです。」と話します。

布の絵本をどのように楽しんでほしいか聞いてみると、「大人はよく『汚くしちゃダメよ』とか『そんなにしないで、引っ張んないで』と子どもに言うことがありますが、とにかく好きなように遊んでほしいと思います。障害のあるお子さんも赤ちゃんも、みんなが布の本を囲んでひとつになって遊んでほしいです。」と出村さんは笑顔で話してくれました。

本も “バリアフリー” で

紹介した布の絵本のほかにも、この団体が制作しているものに「拡大写本」があります。

通常の絵本を弱視の人むけに大きく作り直したものです。
図書館では絵はオリジナルのものを拡大コピーした上で色を手作業で塗り直し、文字はワープロソフトで大きく打ち直しています。

「布の絵本や拡大写本でみんなが一緒になって楽しめる、そんなバリアフリーも目指したい。」(代表理事 高倉さん)

すべての子どもが一緒になって遊べる布の絵本。
子どもの成長をあたたかく見守る大人たちの愛情とちょっとした工夫によって、絵本にぬくもりがうまれるのかもしれません。

ふきのとう子ども図書館
開館所間 午前9時30分~午後4時
休館日 木・金・土
JR桑園駅から 徒歩5分

(2019年2月28日放送)

関連情報

北見の新しいシメ チョコミントアイスはいかが?

ほっとニュース ミニ

2019年1月10日(木)午後5時35分 更新

大樹町の若社長 民間ロケットを宇宙へ!

ほっとニュース ミニ

2019年1月18日(金)午後3時28分 更新

今が旬 積丹のウニ 味わい尽くそう!

ほっとニュース ミニ

2019年8月2日(金)午後5時55分 更新

上に戻る