NHK札幌放送局

樺太・千島戦争体験の絵(5)おばさんの腰巻きに敬礼

樺太・千島戦争体験の絵

2018年8月20日(月)午後5時30分 更新

戦後、択捉島を占領したソビエト軍の兵士たち。当時9歳だった男の子は彼らの奇妙な行動を覚えている。

北方四島の占領の始まり

横浜市の山中良藏さん(82)は、終戦直後の昭和20年8月28日、択捉島の留別村の光景を描いた。

当時9歳だったは山中さんは夏休みが終わって最初の登校日だったこの日、高台にある小学校から、海岸に軍艦が近づきやがて兵士たちが上陸してくる様子を目撃した。

「ソビエトが攻めてきたから早く家に帰れ」。先生からとせかされ、子どもたちは校舎を飛び出し家へ走って帰った。この日の上陸が今に続く北方四島の占領の始まりだと、あとになってわかったという。

兵士たちのその先の赤い旗は・・・

上陸からおよそ1週間後。山中さんたちは、村役場の広場に並ぶ兵士の姿を目にした。敬礼する兵士たちのその先には、赤い旗がはためいていた。

旗をよく見ると、それは日本の女性下着、腰巻だった。

赤い腰巻が、ひらひらって風にたなびいていたんです。

母親から近所のおばさんが干していた赤い腰巻きが盗まれたことを聞いていたので、頭の中で旗と腰巻きがつながったという。

占領の象徴として

当時、ソビエトでは国旗や軍の旗は「赤色」。腰巻の色が赤かったので代用してしまったようだった。しかし、山岡さんは当時のことを振り返り、「おばさんの腰巻きを見ていやな感じがした」という。

終戦から2年後、山中さんはふるさとの島を追われた。その後、自由訪問などで何度か島を訪れているが、その度、山中さんは兵士が人の家から盗んだ腰巻を旗にしていたあの光景を占領の象徴として思い出したという。

※動画はこちらでご覧いただけます。

(2018年8月17日放送)

#樺太千島戦争体験の絵

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