先輩たちの仕事

心に残る映像と音を余すことなく
表現できる設備を整備したい

技術(放送システム開発・運用)とは
技術(放送システム開発・運用) 技術局 制作施設部 吉田 拓也 (2012年入局)

自分の知識を活かしてテレビ局で働く

小さい頃から大相撲が大好きで、大学時代は両国で行われる年3場所にはほぼ行っていました。朝8時に入場して、幕下から最後の一番までずっといました。自然とNHKも昔から見ていて、旅行番組なども好きでした。
画像の符号化や画像フィルタの研究をしていたので、メーカーも受けましたが、自分の知識を活かした開発をして、それを番組に活かしたいと思いNHKを志望しました。
初任地は仙台放送局で、1年目から報道技術の職場に配属されました。事件が起きたときは緊急報道で中継車から衛星を通じて映像を送ります。これまで勉強してきたこととは全く違う世界でした。ニュースの生中継で音が割れてしまい、アナウンサーが「先ほどの中継で音に乱れがありました」とお詫びをするなど、失敗もたくさんしました。

ロボカメによる思い出の一目千本桜中継

出身は福島県で、浪人生の頃、東北本線に乗って仙台の予備校に通っていました。予備校に通い始めた春、大河原の一目千本桜が東北本線からきれいに見えました。桜のシーズン中は東北本線がその区間を徐行運転します。その美しい桜を見て、上京を夢見ていたのに春になってもいつもの東北本線に乗っていることに、とてもせつない気持ちになりました。
NHKに入局して東北の地に戻ってきた時に、大河原の一目千本桜を見渡せる場所にロボットカメラを設置することになったのです。ロボットカメラとは、放送局からリモート操作できる、ニュースや天気予報などで風景を映すカメラのことです。自分が整備したカメラで撮った桜の映像がニュースで流れるたびに、テレビ局で働いていることを実感しました。

さらに未知の世界、音響設備設計へ

現在は東京で22.2chの音響設備の整備と、4K8K中継車の整備をしています。世界初の最先端の設備を整備しているので、とてもやりがいを感じています。初任地で音声を担当したことがなかったのに、今の職場になって音声設備の担当、しかも22.2chの音響がメインなりました。自分がまったく知らない分野なので最初は戸惑いましたが、周りの方にいろいろと教えて頂きながら楽しく取り組んでいます。
中継車に関しては、放送設備以外にトラクターの知識も必要です。中継車には音声中継車というものがあり、スポーツ番組や、音楽番組などの中継に使用します。スタジオとは環境が大きく異なるので、外へ音が漏れないように防音を施さなくてはなりません。防音のために壁に鉛などを敷きたくても、車が重くなりすぎてしまうため、道路交通法の関係でできません。まさか、車の設計をすることになるとは思ってもみませんでした。

開発提案も海外出張もできる

NHKの良いところは何でもできることです。担当している業務だけでなく、開発の提案をする機会もあり、採用されれば開発業務にも携われます。現在は、発動発電機に取り付ける消音装置「サイレンサー」の開発と、近赤外線を用いた被写体追尾カメラの開発をしています。
海外出張もあります。ロシアW杯では、8K中継車のクルーとして現地入りしました。システムを組んで、初戦を迎えてほっとして帰国したら、機材の故障でもう一度ロシアへ戻ったこともありました。8K放送を実際に目にするチャンスがなかなかありませんが、W杯の時はパブリックビューイングで8K放送の試合を観戦しました。これからも心に残る映像と音を余すことなく表現できる設備を整備し、印象に残る放送を届けたいと思います。

私のリアルとは

仕事をしているときもリアルですし、休みの日もリアルです。最近は寝ているときもリアルだと思うように意識改革をしています。夢の中もリアルと実感してからは、人生をフルに楽しもうと心がけています。人生の一瞬一瞬が絶え間なく自分にとってのリアルです。