先輩たちの仕事

IP伝送できる中継車を開発して
緊急時にもいち早く放送を届ける

技術(放送システム開発・運用)とは
技術(放送システム開発・運用)開発センター 報道施設部 鈴木 史織 (2010年入局)

音楽に関わる仕事がしたいと放送局へ

子どもの頃から音楽が好きで、学生のころはバンドやオーケストラで打楽器をやっていました。それがきっかけで音声や音響に興味を持ち、大学では電気工学科で音声信号処理の研究をしました。音楽に関わる仕事がしたいと思い放送局の他にもメーカーなども視野に入れて就職活動をしました。そのころNHKではスーパーハイビジョンの研究が進められており、私もやってみたいと思ったのがNHKを志望した動機です。

ニュースフロアの緊張感に圧倒される

初任地は大阪局です。拠点局では技術もいくつかの部署に分かれており、私は報道技術に配属されました。副調整室でのニュース送出や、緊急報道でCSKという伝送車に乗り現場に出動する業務などを担当していました。配属された当初は、ニュースフロアの緊迫感に圧倒されたのと、NHKの緊急報道を支える設備の膨大さにとても驚き、この先やっていけるのかとても不安でした。しかし、周りの先輩や上司の方々はとても優しく、熱心に指導して下さったので、気づいたころには不安も無くなり、やりがいを感じて働いていました。
2011年には紀伊半島豪雨があり、広範囲に被害が及びました。連日のように現場中継があり、ニュースの原稿が本番中に何度も差し替わるなど、局内が緊張感に包まれていたのをおぼえています。大阪放送局には7年いました。その間に結婚して息子が2人生まれました。

災害に役立つ放送設備を開発したい

大阪放送局で7年間現場を経験するうちに、現場で使っている設備に興味がわき、報道技術をより深く追求したいと思うようになりました。東京へ異動して最初に携わったのはCSKの開発・設計です。CSKとは通信衛星の伝送設備を搭載した中継車のことです。一般的な中継車は陸上の電波塔に向けて電波を送っていますが、CSKは空に向ければ通信衛星を介して放送局に直接伝送することもできます。電波が届きにくい地域からの中継や、災害時の緊急報道で活躍します。
NHKの良いところは設備の更新の際に、最先端の技術を取り入れて、中継車の設計に反映できるところです。報道現場のニーズをいかにくみ取るかは難しいところでもあり、やりがいを感じるところでもあります。悩んだ時には大阪局でCSKを運用していたことを思い出し、現場目線を忘れないことを大切にしています。
現在は、最近報道現場に普及してきたIP伝送機器の整備も担当しています。IP伝送とは携帯電話にも利用されているLTEなどの通信網を利用します。IP伝送機器は、現場に背負って持ち運べるので、迅速に動けることがメリットです。CSKの中継車は、緊急報道だけでなく、小規模な番組中継にも対応できる機器が搭載されているため、トラックで製作されています。現在は、より小回りのきくワンボックスタイプで、IP伝送機器も使用できるCSKを開発しています。IP伝送機器と通信衛星のメリットを両方取り入れることで、災害や事件・事故などの第一報を伝える緊急報道に生かすことができます。

在宅勤務などを活用して育児と両立

小学2年生と5歳の息子がいるので、学童と保育園へお迎えに行くために短時間勤務で働いています。職場にはお子さんがいらっしゃる方も多いので、よく理解していただいていて、とても働きやすいです。現在の仕事は自分でコントロールしやすいので、午後に子どもの用事があるときなどは、在宅勤務と半日休暇を組み合わせることで通勤時間を省くことができ、仕事と家庭を両立しています。

私のリアルとは

報道現場から伝送されてくる映像の先に、「リアル」があると思っています。本当に伝えたいことは何なのか。映像の先の「リアル」を常に考え、仕事をしていきたいです。