先輩たちの仕事

知りたい、見たい人に
ちゃんと情報が届く環境を作りたい

放送事業のマネジメントとは
放送事業のマネジメント 編成局 編成センター 桂 真里絵 (2008年入局)

NHKに「言いたいこと」があって面接へ

特にマスコミ志望というわけではなかったのですが、NHKにちょっと「言いたいこと」があり、面接なら話を聞いてもらえるかなと思ったのが、エントリーのきっかけです。
私は昔からフィギュアスケートの大ファンで、かつてNHKが様々な大会を放送している時には全ての種目を扱っていたのが、人気が高まって民放で放送されるようになると、アイスダンスなど一部の種目は放送されなくなったのを残念に思っていました。そこで、エントリーシートにも「なぜ放送の権利を手放したのか、スポーツとしてフィギュアをちゃんと伝えて欲しい」と書きました。二次面接ではこの話で盛り上がり、「自分が好きなことをみんなに伝えられる仕事も楽しいかもしれない」と考えるようになりました。NHKにはNHK杯フィギュアもあるし、イベントなどで関われるかもしれないと思って志望しました。

憧れのフィギュアスケーターと復興支援

初任地は福島局で、入局して3年目に東日本大震災が起きました。編成業務のほか、応援に駆けつけた大勢の職員の宿や食料などを確保するロジ業務にも奔走しました。地域の方が必要とする大切な情報を、地元の局から発信する意義を実感した貴重な経験でした。
震災の年の夏、「同じ被災地ならば」と希望を出した仙台局へ異動しました。震災からの復興について、多くの番組で取り上げていましたが、別のアプローチで何かできないだろうかと考えて提案したのが、NHKの復興支援ソング「花は咲く」で、プロフィギュアスケーターの荒川静香さんに滑ってもらうという企画です。フィギュアの演出なんてできるのかと周囲には言われましたが、当時のチーフプロデューサーの「是非やろう」の一声で実現することができました。その後、羽生結弦さんにも、ご自身が実際に被災した仙台のスケートリンクで滑っていただき、番組も作ることができました。仙台ゆかりのオリンピックゴールドメダリスト二人とお仕事ができて、夢のようでした。

どうすれば、より多くの人に届くのか

簡単に言うと、編成は番組をどの時間帯に放送すれば、より多くの人に見てもらえるかを考える仕事です。ターゲットの視聴者層に届くように、様々なデータや、SNSでの評判なども参考にします。しかし番組制作者たちの思いや、編成の方針などを反映して決めた枠での放送も、視聴者に気づいてもらえずに見てもらえないことも多く、残念に思うこともありました。
現在は編成局で、ドラマ、紅白、スポーツなど、様々な番組やキャンペーン等を新聞、街頭、WEBの広告などでプロモーションする仕事に携わっています。「この番組はこんな人たちに、こんな風に見て欲しい」という狙いに合わせてプランを提案します。
編成での悔しい経験があったからこそ、PRの大切さを実感しています。ネット上にたくさんの情報が流れ、テレビを見る人が減っていると言われる今、「知りたい」「見たい」人にきちんと情報が届く環境を作り出したいと思っています。

部局を繋いだ発達障害キャンペーン

最近では発達障害のキャンペーンを担当しました。発達障害については、以前にも4、5個の番組でキャンペーンを組んだことがありましたが、当事者以外の方の関心をどう拡げるかが課題でした。今回は最終的に21の番組が集まり、総合テレビ、Eテレ、ラジオの様々な番組とネットも含めたニュースで展開しました。
自分の役割は、「部局を繋いで、束ねて、形にしていくこと」。番組を作るわけでもないし、一人では何もできませんが、もし繋がなければ、良い番組もバラバラに放送され、伝え切れないままになってしまう。とりまとめだけでも大変でしたが、今回、普段から見ていただいている「所さん!大変ですよ」のような番組で発達障害を取り上げたことで、より多くの人に発達障害を知ってもらう機会を作れたのではないかと思っています。
復興支援でも発達障害キャンペーンでも、公共放送だからこそできる提案があり、多くの人の協力が得られるということを実感しています。たとえ若手職員の提案であろうと、必要性がきちんと伝えられれば任せてもらえるところもNHKの魅力です。

私のリアルとは

100人いれば100通りの趣味、嗜好や暮らしがあります。そんな普通の人たちのリアルな生活に溶け込むメディアになることが、公共メディアへの一歩ではないかと感じています。