先輩たちの仕事

ロボットと一緒にテレビを観たら
どんな会話が生まれるのだろう

技術(放送技術研究)とは
技術(放送技術研究) 放送技術研究所ネットサービス基盤研究部 萩尾 勇太 (2015年入局)

いろいろ興味があり一つに絞れない性格

大学院では半導体チップの設計方法などを研究していました。大学の同期はメーカーに就職した人が多いですね。私の場合、もの作りに携わりたいという思いはありましたが、進路を一つに絞りきれず、就職活動ではいろいろな業界を受けていました。いろいろな企業を見ていく中でNHKに出会いました。
NHKは技術職でも、研究職から番組制作、電波の送受信まで多岐にわたる仕事があります。地方の放送局でいろいろと経験してから方向性を決められると聞き、自分にあった仕事を見つけられるかもと思い、志望しました。

初任地で「ゆく年くる年」のVEを担当

初任地は福島放送局です。放送局の業務を一通り担当し、2年目以降はVE(ビデオエンジニア)の仕事もしていました。映像や電波については詳しくなかったので、先輩に教えてもらいながら勉強しました。映像の仕事は数値だけでなく感性の部分も大切なので、今まで全く触れてこなかった世界に触れることができて面白かったです。
忘れられないのは「ゆく年くる年」のVEを担当したことです。福島県のあるお寺からの中継で、厳しい寒さの中、紅白を見ながら中継を待ち、いざ自分たちの中継の番が回ってきた瞬間の緊張感はものすごかったです。準備に3日間かけて、リハーサルも何度もやって。無事放送が終了した後に、誰よりも早い新年会となる打ち上げを行ったことは、楽しい思い出です。

ロボットと一緒にテレビを見る??

4年目になって、機械学習の研究を希望しNHK技術研究所へ異動しました。現在はネットサービス基盤研究部で「テレビ視聴ロボット」に関する研究をしています。テレビの良さの一つに、複数人でテレビを見ていると会話がはずんだりする楽しさがあると思います。お年寄りや子どもがロボットと一緒にテレビを見ながら雑談できたら、楽しいのではないかというのが最初の発想です。
CommU(コミュー)という市販されているロボットをソフトウェアで制御する形で開発を進めています。ロボットはさまざまな技術の集合体であり、画像処理、音声処理、言語処理、ロボット動作制御などの幅広い知識が必要で、今でも試行錯誤しながら研究開発を進めています。将来、テレビを見ることでロボットが成長して、スポーツ好きになったりして「今日は試合中継があるよ」と教えてくれたりするかもしれませんね。

研究成果を多くの人に体験してもらえる

NHKの良いところは、自分の担当した仕事のアウトプットが見える形になることが多いことです。特に放送局での仕事では、担当した番組が放送されるとSNSをはじめとする様々な形でその反応が返ってきます。また、それを録画しておくことで「次回はもっとこうしてみよう」などの改善点を目に見える形で理解することができます。
技研での研究でもその成果が現場で利用されるだけでなく、番組で紹介されるなど視聴者の方々に知っていただける機会が多いです。NHKの使命は視聴者に届けることだと思っていますので、技研公開やイベントでの展示、番組での紹介などを活用して少しでも多く情報発信していきたいです。

私のリアルとは

経験すること自体がリアルだと思います。論文だけ読んでも分からないことはたくさんあり、実際に動かしてみて初めて分かることも多いです。「百聞は一見に如かず」と言いますが、それよりも一歩進んで「どれだけ多くのことを実際に行動に移したか」が、仕事の面でもプライベートの面でも大切だと思います。