NHKさいたまブログ

 8月14日(金)に首都圏ネットワーク内で放送された「コロナ禍で『フードパントリー急増』 支援の課題は」。埼玉県内での食糧支援の課題はどこにあるのか。本記事は、取材にあたったさいたま放送局の浜平記者の取材後記です。

ーーーーーーーーーーーーーー

 

【コロナ禍で増える食料支援のニーズ】

 

新型コロナウイルスの影響で経済的な厳しさが増す中、いま、食料品などを生活の厳しい家庭に無料で提供するフードパントリーの取り組みが広がっています。

h1.jpg

 

フードパントリーは、食料品などを企業から寄付してもらい、生活の支援が必要な家庭に無料で提供する取り組みです。

埼玉県越谷市で今月からフードパントリーを始めたボランティア団体でも、企業や農家などから寄付してもらったものを、生活の支援が必要な人たちに届けていました。

h9.jpg

お米や野菜、それに缶詰やお菓子など30品あまりの食料品のほかマスクや化粧品もありました。

h11.jpg

 当初は1人親家庭など20世帯を予定して事前に申し込みを受け付けましたが、予想以上の申し込みがあり、急きょ配る世帯を増やしました。受け取った人は、「仕事自体は減ってはいるので助かっています」とか「初めてですがこんなにもらえると思わなかった」と話していました。

 

【取り組み急増 背景にコロナ】

 こうした取り組みを行っているのは、埼玉県内では32の団体で、4月以降、2倍に増えました。

背景には、新型コロナウイルスの影響で、経済的に厳しい家庭が増えていることがあるといいます。

h3.jpg

「コロナの影響を実感していて 今回の申し込みも急激に増えている状況で、予想よりも多かった。次回はもう少し配る世帯も増やす方向で考えたい」(越谷子育て応援フードパントリー越谷市場 武藤晴彦代表)

 

【突然解雇 家計の支えに】

h10.jpg

フードパントリーを利用する40代の女性です。小学生から中学生まで3人の子どもを育てるシングルマザーです。幼稚園で調理スタッフとして働いていましたが、緊急事態宣言が出ていたことし5月、突然、仕事を失いました。

 女性は、「コロナで園児も先生も少なくなって 今回はごめんね、みたいな。『じゃあ私くびってことですね』笑いながら言ったんですよ 涙がぽろっと出ちゃいました」と話しました。

食料支援のおかげで食費は月に1万円ほど浮くといい、生活が厳しさを増すなか、なくてはならない支援です。女性は、「おかずがないからごはんにふりかけというときもあります。 節約はどうしたらいいのか分からないくらいしているのですごく助かります」と話しています。 

 【課題はどう届けるか】

フードパントリーを行う団体が増えるなか、課題も出てきました。

h7.jpg

 県内32の団体を取りまとめている、埼玉フードパントリーネットワークの草場澄江さんは、集まった食料品をニーズに合わせてどう届けるかが課題だと言います。必要な食料品は、県が呼びかけるなどして、企業などから集まるようになりました。

 しかし、集まった食料品を、県内各地の団体にどう届けるか。必要な支援の確認や、配送の手配なども草場さんたちボランティアが頼りです。

h5.jpg

 さらに、食品を保管する冷凍庫などの経費の捻出も課題です。

 「人手が足りないし、長くこの活動を続けて支えるためにも企業からもらったものを みんなで分配するいい仕組みを作っていくことが大切だと思います」。 (草場澄江さん)

h6.jpg

 埼玉県では、SNSを使って食料品などを提供してくれる企業を募ったり、基金を設立したりして、団体の活動を支援していきたいとしています。

 ニーズが高まる「フードパントリー」の取り組みを続けるため、ボランティア団体を支える支援が求められています。