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「大発生! アブラムシの秘密」
植物に針をさして汁を吸い、春から秋は雌(めす)だけで増殖する。

植物が生い茂る初夏の草むら。
まっすぐに伸びているのは、ノイバラです。
ノイバラの茎にアリが集まっています。
よく見ると、小さな虫が群がっています。
アブラムシです。
体の長さ、3mm程。
口をノイバラの茎につけて、じっとしています。
いったい、何をしているのでしょうか。
アブラムシは、長い口を持っています。
正面から見るとセミにそっくり。
アブラムシはセミの仲間で、植物の汁を吸って暮らしています。
汁を吸い始めました。
口先を植物に当てているだけのようですが、実はこのとき、細い針を出して植物に差し込んでいるのです。
ストロー状の針は、直径100分の1mmと非常に細く、簡単に差すことができます。
アブラムシは、糖分を含んだ汁を吸い、余分なものはすぐに排泄(はいせつ)します。 このアブラムシが出す汁にも糖分が残っています。
それを求め、アリは集まって来るのです。
テントウムシもやってきました。
テントウムシのねらいは、アブラムシそのもの。
片っぱしからアブラムシを食べていきます。
テントウムシの幼虫もアブラムシを食べます。
こちらはアブの幼虫。
アブラムシには、たくさんの敵がいるのです。
それでもアブラムシは、一向に数が減りません。
アブラムシが大発生する秘密は、その増え方にあります。
左の方のアブラムシから丸いものが出てきました。
卵のように見えますが、実は、これは幼虫。
卵は親の体の中でかえり、親とそっくりの形になって生まれます。
しかも春から秋にかけては、全て雌(めす)だけ。
雄(おす)がいなくても仲間を増やせるのです。
雌は、毎日およそ10匹の幼虫を産み、その幼虫も10日もすれば子を産み始めます。
アブラムシ1匹が1か月で15000匹以上に増えるといわれています。
雄との出あい、交尾、ふ化などをはぶき、雌だけで効率よく増えるアブラムシ。
いくら敵に食べられても、確実に子孫を残す生命力の強い生きものなのです。