前のページへ戻る

「たくみな受粉 アザミの秘密」
昆虫が花びらに触れると、めしべと花粉が現れるしくみを見る。

夏のはじめに咲く、色鮮やかなノアザミ。
天気の良い日、気温が上がると、花の蜜を求めて昆虫が訪れます。
昆虫が花に触れると、花の先に変化がおきます。
白いものが湧き出してきました。
昆虫の代わりに、はけで刺激を与えます。
湧き出した白い粒は、花粉です。
花粉といっしょに出てくるピンク色の棒は、めしべ。
まわりの濃い紫色の筒が、おしべです。
どうして花粉が出てくるのでしょうか。
そのしくみを探っていきましょう。
アザミは、たくさんの花が集まって1つの花のようになっています。
花粉が出てくるおしべの中は、どうなっているのか見てみましょう。
白い花粉が、たくさん詰まっています。
真ん中に、めしべがあります。
おしべが、めしべと花粉を包んでいます。
めしべの下の方を見ると、毛がびっしりと上向きに生えています。
花粉が、下に落ちないようになっているのです。
花が刺激を受けると、花粉は上向きの毛に押し出されるようにして姿を現します。
このとき動くのは、外側のおしべ。
おしべが下がって、花粉が出てくるのです。
なぜ、おしべが下がるのでしょうか?
おしべの筒の下を開いて見ると、白い糸のようなもので根元につながっています。
アザミのおしべは5本。
その上の方がくっついて筒になっています。
糸の部分を刺激すると、糸が縮んでおしべの筒を引き下げます。
おしべに加えられた刺激は、一瞬のうちに糸全体に伝わり、糸の細胞が縮むのです。
花粉の表面はべとべとしています。
そのため花粉は、昆虫の体について運ばれていきます。
アザミの花は、昆虫が来たときだけおしべの筒を下げることで、雨や風などから大切な花粉を守っているのだと考えられています。
数日後、おしべは枯れ、花粉はほとんど残っていません。
一方、長く伸びためしべは、先端が割れ、花粉を受け入れられるようになっています。
昆虫が、別のアザミの花粉を運んできました。
花粉を出す時期と受ける時期をずらすことで、別のアザミの花粉で受粉することができるようになっているのです。