「増田明美のキキスギ?」WEBマガジン

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  • 【R1】2018年10月12日[金]午後8:05~9:55
  • ゲスト:宮下純一さん、伊藤華英さん
  • パーソナリティー:増田明美さん
  • アナウンサー:塩田慎二
  • #東京2020
  • #競泳
  • #宮下純一
  • #伊藤華英
  • #池江璃花子
  • #三木二郎コーチ
  • #失恋ソング
  • #彼氏の存在
  • #永六輔
  • #取材の心得
  • #共生社会

Q & A その1

Q. オリンピックに出たことはありますか?

男性:「あります」
女性:「あります」 

Q. いつのオリンピックですか?

男性:「北京です」
女性:「北京とロンドンです」

Q. ご専門の種目は何ですか?

男性:「背泳ぎです」
女性:「背泳ぎと自由形です」

Q. お名前を教えてください。

男性:「宮下純一です」
女性:「伊藤華英です」

ということで、「増田明美のキキスギ?」第2回の放送は、競泳元日本代表の宮下純一さん、伊藤華英さんをゲストにお迎えしました。選手時代から仲良しという宮下・伊藤コンビが、増田さんの「キキスギ」る質問に真っ向勝負!?アスリートへの提言や名言がたくさん飛び出した放送内容をテキストと写真と、そして聴き逃し配信*で振り返りたいと思います。

[* 配信期間は10月19日(金)午後9:55まで]

水がキライだった宮下純一と、博士号を取得した伊藤華英

増田さん第一声が「これから映画とかドラマが(目の前で)始まるのかな?というぐらい、美男美女ですね」と言わしめるほど端正な顔立ちのお二人、宮下純一さんと伊藤華英さんが登場!伊藤華英さんは「美人すぎるスイマー」として10代の頃からメディアで取り上げられ、競技結果とは違うところで注目されたことに当時は悩んだといいますが、そのおかげで競泳が注目されたことはいい事だと、今では思えるそうです。鹿児島出身の宮下さんは現役引退後、2010年から2017年3月までNHK総合「あさイチ」のリポーターを務めていたこともあり、タレントとしてもおなじみだという方もいらっしゃるのではないでしょうか。当時のリポーター時代には、「あさイチ」の司会を務めていた有働由美子さんに“色々と”鍛えてもらったそうで、しかもよく飲みにも連れていってもらったんだとか。共に焼酎好き同士、呑みながら何を語り合ったのでしょうか。

有働さんとのエピソードはこちら音声を聴く

そんな宮下さんですが、小さいころは水が苦手でお風呂も入れなかったそうです。5歳のときに水遊びができない宮下さんを見た幼稚園の先生が水泳教室をすすめたのがきっかけで、オリンピックへと続く競泳人生が始まりました。北京オリンピックで銅メダルを獲得して帰国した際、宮下さんのお母さんの第一声が「あなたはお風呂に入れなかったんだよね」というエピソードも披露。お母さんとしたら、水嫌いの我が子が、まさか競泳選手のオリンピアンになり、さらにメダリストにもなるなんて、思いもよらなかったのかもしれません。人が一番輝ける場所というのは前に進みながら見つけていくものだと、宮下さんのお話を聞いて思いました。

伊藤さんは、引退後に順天堂大学大学院で精神保健学の博士号を取得して同大学で非常勤講師を務めるほか、理論とアスリートとしての両面から心と身体の健康を守るメンタルタフネスやモチベーションマネジメントのテーマで講演するなど活躍しています。「水泳しかしてこなかった」という伊藤さんが、なぜ大学院に進んだのか。北島康介さんや中村礼子さんなどのコーチを務めた平井伯昌さんに「お前は多分大学院に行ったほうがいいんじゃないの?」と言われたことがきっかけだったそうです。大学院で博士号をとるまでは「死にそうな思いでした」とのこと。努力家の一面が垣間見えたエピソードでした。

宮下純一がレース前に聴く曲は「女性の失恋ソング」

HY.「NAO」。宮下さんがレース前に聴く“勝負曲”です。アスリートは、試合前に気持ちを高めたり、集中させたりするために音楽を聴くことが多く、そのときにはアップテンポな楽曲や、激しいビートの楽曲を聴く人が多いそうです。かつては宮下さんも真似して、周りのアスリートが聴いていたヘビメタ曲を試合前に聴いてみたそうですが「気持ちだけがドキドキしちゃって、体と心がリンクしなくて、タイムが全然あがんなくて。あ、ぼく合ってないかもな」と気づき、その後「バラードだったらどうだろう」と思って試してみたところ、すごく心が落ち着いたんだとか。その中でも一番良かったのが・・・

音声を聴く宮下:
「失恋ソングがめちゃめちゃよかったんです。で、失恋ソングの中でも、なんだろうって探したら、男の子じゃなくて、女の子が失恋する曲がいいんですよ。聴いていて、気持ちが浮ついているときって、メロディーしか入ってこない。曲しか(入ってこないんです)。だけど心が落ち着いているときって、歌詞が入ってきて、悲しい気持ちになるんです。そのときって、体と心がリンクしてるって思えるときで、でこれ(HYの『NAO』)をリピートして聴くんですけど。男の子が失恋しちゃうと感情移入しちゃうんですよ。でも女の子だと異性だから、『ああ可愛そうだな』って。自分が可愛そうな気持ちになれているなっていう」

おもしろいですね。人によってさまざまですね。ちなみに、オリンピックのレース前に宮下さんがこの曲を聴いて気持ちを集中させているとき、平井コーチが「おまえ何聴いてるんだ?」とイヤホンを取って耳にあてて「なんだこれ!これレースの前に聴く曲じゃないだろ!?」と言ったそうですよ。それでも宮下さんはこの曲をリピートしてずっと聴いていたそうです。

Q & A その2

すべて「Yes」か「No」でお答えください。

Q. オリンピックに出てメダルを取ると取らないでは大きな違いがある?

宮下「Yes.」
伊藤「Yes.」

Q. 水着でタイムが変わる?

宮下「Yes.」
伊藤「Yes.」

Q. 男性と女性で選手の育て方は変わる?

宮下「Yes.」
伊藤「Yes.」

Q. ビジュアルがいいアスリートは得をする?

宮下「Yes.」
伊藤「Yes.」

水着に翻弄された伊藤華英の北京オリンピック

北京オリンピックから帰ってきたときのお話。空港の手荷物受取場でメダルの色順に整列が始まったそうです。メダルを取れなかった人は、そのまま帰ってくださいと言われたとか。宮下さんは銅メダルを取って帰国したおかげで、この整列に参加できました。帰国後も講演会などでメダルを持参すると、自分よりもメダルに注目された、なんていうエピソードも。伊藤さんは北京・ロンドンと2大会に出場しましたが、メダルを取れずに帰国。増田さんから悔しい思いがあったのかという問いに対して、北京のときの水着問題を振り返りました。

音声を聴く伊藤:
「(自分は)前年度、世界ランキング2位とか3位だったのに、急にその年になって最高のレースしたのに10位だな、みたいなことがあった。何が起きたんだろう?と思ったら水着の発達があったんですよね。着てなかったんですよ、私は。2008年4月の時点で」

その水着の写真がこちらです。これは今は着用禁止の水着で、その伸びない材質を確かめると、増田さんも驚いていました。2008年に入り、この水着を着用した競泳選手が次々と新記録を連発し、話題を呼びましたが、日本選手がこの水着が着れるようになったのは海外と比べて遅れたそうです。この水着は締め付けがすさまじく、1人での着用はほぼ不可能で、男性は30分ほどかけて、女性は3人がかりで着用していたとか。また、この水着との相性の問題もあり、伊藤さんは北京オリンピックで着用してみましたが、合わなかったそうです。
北京オリンピックではこの水着を着た選手が次々と世界記録・オリンピック記録を樹立しました。あの北島康介選手も北京でこの水着を着用していました。

スポーツなんでも相談室

このコーナーでは、子どもからシニアの方までリスナーの方がかかえるスポーツに関する悩みを増田さんとゲストの方に解決しただこうというコーナーです。

音声を聴く相談者:やっちゃんさん(61歳)
「スロージョギングを楽しんでいるのですが、最近、ひざが痛くて困っています。ジョギングは続けたいので、なにかアドバイスがあればお願いします」

増田:
「ひざ痛い人が多いんですよ。やりすぎちゃうと。だからね、私ね、膝に負担がかからないようにするために、膝の上の筋肉=大腿四頭筋ってあるじゃない?キュッと力を入れるとコブができるところ。あそこを鍛えるためにスクワット、テレビを見ながら軽く膝を曲げるスクワットなんかをやると、膝を守る筋肉が強くなりますよ、やっちゃん。」

塩田アナ:
「そんなに深くしなくてもいいんですか?」

増田:
「深くしなくていい。自分で、何の重いものも持たずに、音楽聴きながらやテレビを見ながら、ただ膝を曲げる。い〜ち、に〜、さ〜んと。これをね、10回を3セットぐらい。あとね、(ジョギングで膝が痛くならないためには)下が大事ですよね。スロージョギングをするとしても、芝生の中とかね、土道とか、そういうグラス(原っぱなど)の上を走る」

塩田アナ:
「硬いところではなくって、ちょっと柔らかめのところを走る」

増田:
「どうですか?怪我に関しては?宮下さん」

宮下さんはプールの中を歩く「アクアウォーキング」をおすすめしました。プールにはフリーレーンがあり、そこでアクアウォーキングをされている方も結構多いそうです。地面を走ると負荷がかかって痛みを伴う場合は「まずプールにお越しください」とのこと。
話は、宮下さんと伊藤さんの怪我の話へ。伊藤さんは選手時代、腰痛があり、その影響で膝を脱臼したという痛々しいエピソードを紹介。また、スイマーには肩の回しすぎで痛くなる「スイマーズショルダー」が多いそうです。そして、その流れで宮下さんに怪我のエピソードを聞くと・・・「ぼくはびっくりなぐらい怪我しなくて」なんだとか。すると「だって泳いでないんだもん」という伊藤さんの手厳しい返しに苦笑いの宮下さん。しかし、これ以上やると危険だというリミッターが宮下さんには自然と働くそうです。これには増田さんも共感していました。

伊藤華英さん、彼氏いる?

増田さんが一番聞きたかったこと、それは伊藤華英さんに彼氏がいるのかどうか。番組後半が始まるとすかさず、この「プライベートすぎ!」な質問を、ど真ん中にまっすぐ放り込んだ増田さん。まさにその豪腕エースっぷりに宮下さん、塩田アナ、スタッフ一同あ然!
これが「キキスギ」る質問の真骨頂!?

しかし華英さんも負けていません。

伊藤:
「いますけど、あはは」(笑)」

この質問が今日のホームランだと、増田明美は語ります。あっぱれ!

その衝撃の質問はこちら音声を聴く

純ちゃんのおかげで北京オリンピックにいくことができた

音声を聴く伊藤:
「先に(宮下さんが)北京オリンピック決めたんですよ。100mの背泳ぎで。そのあと女子の決勝が次の日にあったんですけど。私、予選や準決勝で全然いい泳ぎが出来てなくって、(順位が)3番で。前回の2004年アテネオリンピックも(出場を)逃していたので、絶対行かなきゃ行けないというときに、やっぱり不安になってきてしまって、また。そのときに純ちゃんから後ろの席に呼ばれて、プール見ながら『おまえオリンピック行くんだろ?ラストの25mはこうやって泳ぐんだよ!』って言ってくれたの覚えてる?」

宮下:
「いや(笑)、意外に言った本人は覚えてないっていうパターンですけど、でも、覚えているのは、すごく背泳ぎが男子も女子も激戦で、決勝には誰が行ってもいいぐらいのレベルの高さの中で、僕は幸いにも100mで(オリンピック出場が)決められたので、華英とはよく話もしてたし、彼女がやっぱりちょっと、雰囲気に飲まれていたところがあって、全く本当に、本人も言ってましたけど、別人みたいな泳ぎをしていたんで、これじゃちょっとまた後悔するなと思ったんで、何かひとこと言ってあげられることはみたいな雰囲気はあったと思うんですけど、一言一句それを言ったというのは覚えてはない・・・」

伊藤:
「『後半のここからが勝負だから、ここまで見るな』って言ってたよ」

増田:
「叱咤激励!すごい」

宮下:
「でも、そのわりにはね、(ぼくに)敬意を払わないんですよ(笑)」

一同:爆笑

増田:
「でもタイプとしては、(華英さんは)みんなと仲良くというタイプだから、そういう強い言葉があると背中を押されるからね。絶妙なタイミングだったんだよね、それが」

伊藤:
「絶妙なタイミングでした。(純ちゃんは)先に決めてるし、聞く耳も持てるというか。いいタイミングで(後ろの席に)呼んでもらって」

2人の友情が垣間見えた瞬間でした。同じ背泳ぎの選手として、同年代のオリンピアンとして、友だちとして、今でもお互いを意識しながらそれぞれのフィールドでがんばっているお二人をこれからも応援しましょう!

Q & A その3

Q. 2020年東京オリンピック・パラリンピック、競泳以外で注目している競技を教えてください。

宮下:「柔道です」
伊藤:「サーフィンです」

Q. 競泳界では今、注目している選手を教えてください

宮下:「池江璃花子選手です」
伊藤:「池江璃花子選手です」

Q. 2020年、ズバリ競泳で日本が獲得するメダルは一体いくつ?

宮下:「難しい〜二桁!」
伊藤:「12個!」

東京2020に向けて宮下・伊藤が語る日本競泳チーム、そして池江璃花子

日本競泳は前回のリオオリンピックでメダル数が7個でした。金が2個、銀が2個、銅が3個。その前のロンドンオリンピックでは、金メダルが無かったもののメダル総数は11個。今年のアジアカップでの日本競泳選手の活躍を見ていると、東京オリンピックではもっと期待できそう!と思いますが、宮下さん・伊藤さんは世界を甘く見ていませんでした。

音声を聴く増田:
「だけど、今の勢いからいったらね、この前のアジア大会の感じでいったら、なんかいい感じじゃない?今」

宮下・伊藤:
「いや〜、と思うじゃないですか・・・、海外勢は(オリンピック)中間年に本気なのか?という話なんですよね」

宮下:
「結構海外勢は思い切った策略を中間年にやってくるので。日本人のいいところってしっかりと記録を出すんですけれど正確すぎて、大体の日本人の出してくるタイムのイメージって分かるんですよ」

伊藤:
「海外からしたら」

宮下:
「だから、精密機械なんだけど、それ以上は来ないなっていうイメージができる」

増田:
「大化けしない感じだ」

伊藤:
「そうなんです」

宮下:
「海外勢は行って(=チャレンジして)、行けたらとことん行っちゃうから、『うわ誰?』っていう選手も出てくるんですよね、前年度に。来年の世界選手権で、このアジア大会ぐらいの結果が出ればすごく期待できるんですけど、まだちょっと気を抜いたらいけない」

4年ごとのオリンピックという大舞台で勝つためには、きっちりと仕上げていく日本人の真面目さや地道さが裏目に出ることもある、という話でした。しかし、大会に出れば記録を塗り替えている規格外の選手、池江璃花子選手については「伸びしろばっかり」と宮下さんは語ります。しかしタイムを上げるには種目を絞ることも大切では?とも提言されました。池江選手は指導コーチが今年5月から三木二郎さんに代わりました。三木さんは現役時代、2000年のシドニーオリンピック、2004年のアテネオリンピックに出場経験がありますが、日本での指導経験がありません。2016年3月からJOCの研修制度を使って英国で2年間コーチ留学し、帰国後に池江選手サイドからコーチを打診され、引き受けた形となります。日本競泳女子の逸材ともいえる池江選手を預かることに対して「チャンス」だと語るなど、メンタルタフネスには定評があり、宮下さん・伊藤さんが懸念している「日本人選手に足りない大化けする人材」になるのでは!?と思うのは楽観すぎるでしょうか。日本中が注目している池江選手ですが、種目を絞るとしたら何がいいのか?という質問に、二人とも声を揃えて「100mバタフライ」とのこと。

音声を聴く宮下:
「池江選手に関しても50m自由形、100m、200m、バタフライ100m、個人メドレーでも勝負できると思うんですね。でも全部出てしまうと、二兎追う者は一兎も得ずじゃないですけど、どっちつかずになってしまうので、ここは難しいところです。大谷選手も二刀流ね、やってますけど、タイトルとしては残らないじゃないですか。200勝投手とか、ホームラン王とか。取れないけれど、複数種目をチャレンジしたというレジェンドになりたいのであれば、ぼくはチャレンジしていい」

伊藤:
「していいよね」

宮下:
「それができる選手だと思うんですけど、やっぱりオリンピックとなるとメダル。結果ってなってくると」

伊藤:
「ちょっとね、考えて絞ってほしいか、やるかどっちか決めてほしいですね、ちゃんとね」

増田:
「池江さんは、選ぶとしたらどれが一番いけるんだろう?」

宮下:
「間違いなく、100mのバタフライ。これが一番ですね」

女性アスリートが抱える問題に向き合う

音声を聴く増田:
「陸上ではね、華英さん。(練習の)やりすぎとかね、あと、陸上の長距離選手なんかは生理が止まっちゃって、女性ホルモンの分泌なんかが行われないなかで、骨の成長が出来ていなくて、後半それがね疲労骨折なんかにつながってしまうなんていうことが有るんだけど、水泳選手はその辺の体のケアとか、自分の体を知識として知ってる選手は多いのかしら?指導者も含めて」

伊藤:
「そこは知らない選手も多いし、指導者に関しても知らない方が多いんじゃないかなというふうに思うんですけど、水泳の場合は、幸運なことに脂肪がないと泳げないというところもあって、基本的にそんなに、1パーセントとか2パーセントというのはないので、(体脂肪率は)女性も10パーセント以上は基本的にある選手が多いので、無月経になってしまうという状況の選手はあんまりいないです」

増田:
「じゃ安心ですね」

伊藤:
「そうなんですよ」

増田:
「華英さんもこれから、心理学もそうだけど、そういう面でもスポーツ界全体に色々とアドバイスしてもらいたいなと思っていたんですよ私」

伊藤:
「やっぱり知らなくて苦しんで、自分のせいだって追い込んで、それで辞めてっちゃう女性の選手も多いので、そうじゃない普通のことなんだよ、治療すれば治るんだよっていうのを伝えていきたいですよね」

スポーツライターという肩書に込められた増田明美の思い

番組の終盤に、アスリートのセカンドキャリアに興味がある伊藤さんが、増田さんの考えを伺いました。すると、増田さんが現役引退後に選んだスポーツライターに込めた思いが聞けました。

音声を聴く増田:
「私ね、自分のときにはあんまり考えてなかったの。正直言って。でも最後のレースに途中棄権しちゃって。疲労骨折が原因で。制限時間を超えちゃったの。それを色々治療しながら整形外科の先生と話していたら、生理が止まっている期間が3年弱あって、で、その間に病院に行ってなかったと。記録は良かったけれど、そのつけで疲労骨折が、検査したら、結果的に7か所あって、そうだ私、これからこういうことを書いて伝えていかなきゃって、これも警鐘を鳴らせってことかなって。最後、途中棄権で終わったのはメッセージかなって思って、光が見えて、そのことを伝えるためにスポーツライターっていう道を選んだの。それでメディアの世界に入ったら『よくしゃべるね』『だれもこんなにしゃべれるとは思ってないよ。その意外性が武器になるよ』ってことでラジオの仕事とか解説にきたので、私の場合はなんか、自然な流れだったかな」

宮下:
「自然ですか?すごいですよね。自分の経験を伝える、しかもいい経験なら喋りたいじゃないですか。失敗した経験をというところは素晴らしいですよね」

伊藤:
「ちゃんとトランジッション(次のステップに移行)できてるなっていうか」

増田:
「何がしたいって言うよりも、何しなきゃいけないかって感じだったかな」

伊藤:
「それも名言ですね!」

永六輔さんから教わった取材への姿勢

そして宮下さんからも増田さんの「詳しすぎる解説」の極意を受け継ぎたいと質問が!その秘けつは、現場に足しげく通って取材すること。永六輔さんに薫陶を受けた増田さんの取材に対する姿勢に2人とも感銘を受けたようです。

音声を聴く増田:
「取材大好きだから。私、取材しているときが一番楽しくって、解説というとまとめなくちゃいけないじゃない。ノートからまたレジュメを作んなきゃいけないから、面倒くさくって。取材だけで終わりにしたいの」

伊藤:
「アウトプットなしで(笑)」

増田:
「やっぱり人に対する興味がすごくあるから、ましてや魅力的な選手だと、子どものときは何してたの?とか、お父さんとお母さんがどうだったらこうしたいい子に育つの?って、ま、鈴木亜由子さんって選手が今そうなんですけど、この前の初マラソンで北海道で優勝した、でも取材が大好きになったのは永六輔さんとラジオをご一緒したときに『増田さん、取材っていうのは“材”を“取”って書くでしょ?会いたい人がいたら現場に行きなさい』って教えられた。目を見てね、五感で感じてきたことを、きれいに喋ろうとしなくていいんだって、自分の言葉で、体で紡いできたことを喋ればいいって永六輔さんに教えていただいて、そう、一緒に歩かせていただいたんですよ、永さんと。だから、それは本当に、私の一つの軸になってるので、これからもそれは大事にしていきたいと思っています」

宮下:
「鳥肌やばいわ〜」

取材ができる人は、取材される側になってもポイントを押さえた回答ができるということを、増田さんを見ていて思いました。そして、増田さんはこの番組を通して、取材しているんだなぁというのも感じます。人への興味が尽きない増田さんの飽くなき取材精神が、番組を通して、宮下さんへと受け継がれた瞬間でした。取材とは「材」を「取る」。その「材」をあらゆる人へ届けるのがメディアの使命。これからも増田さんの「キキスギ」る取材をラジオからお届けしていきます。お楽しみに♪

伊藤華英が語るパラリンピック

音声を聴く伊藤:
「私はパラリンピックの魅力って、オリンピックと全然違う場所にあると思っていて、『オリンピアン』というのは卓越した能力の最高峰というか、そこに精神と身体のベストを尽くした状態がオリンピアンなんですけど、パラリンピアンって社会的なメッセージをもっと送れる大会なんじゃないかなというふうに思っています。なぜかと言うと、一人ひとりみんな障害が違うし、みんな同じ区分であってもやり方が違う、体の動かし方が違うっていうか、山田拓朗選手ってパラ水泳の選手がいるんですけれども、その選手に聞いたら『パラリンピアンって、もっと自信のない人たちにメッセージをあげられますよね?』って言っていたんですよね。なぜかって言うと『僕たちはマイナスなんですよ。持ってるものが、普通の健康体がゼロだとしたら僕たちはマイナスなんです。このマイナスの人間が頑張ればプラスになれるんだよ、っていうところを見せていきたい』というふうに言っていたので、そういう障害者の方がもっともっと街に出られるようなきっかけを、このパラリンピアンからメッセージが送ってもらえればなと思いますね」

増田:
「そうすると自然に共生社会とかね、あとみんな違って、それぞれいいんだっていうこととか、多様性を認めるとか、社会の問題も解決できそうですもんね」

伊藤:
「日本はね、客観的に見てて町に障害者の方が少ないのかなって私は思います」

宮下:
「表に出てきてないだけで」

伊藤:
「そう、もっともっと出てきて、もっともっとふつうに運動ができて、みんなで一緒に運動ができるようになってほしいなと思います」

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