「災害列島 今、知りたいこと 伝えたいこと」

災害列島 今、知りたいこと 伝えたいこと

■「災害列島 今、知りたいこと 伝えたいこと」 放送より■

番組の一部をテキストでお読みいただけます。

飲料水・生活用水に関するアドバイス

お話:
松島康生さん(災害リスクアドバイザー)
国崎信江さん(危機管理アドバイザー)

 

Q 災害時の「水」について、気をつけないといけないことは。

松島:

飲料としてペットボトルが配給されることがあると思います。もったいない、少しでも長くもたせようと思ってフタをしながら少量ずつ飲むと、ペットボトルの飲み口の部分に細菌を増やしたりする原因にもなる、ということを知っておいていただきたい。飲み口のギザギザの部分に細菌が付着するということが知られています。
少なくとも今の季節でしたら、500ミリリットルのペットボトルであれば、少なくとも半日、できれば数時間のうちに飲み切っていただきたいと思います。
2リットルや1.5リットルになるとそうはいきませんので、コップもしくは紙コップに1回移して、そこで飲み切る。ペットボトルの口にはなるべく雑菌をつけないという工夫が必要です。

Q 断水時に気をつけるべき点は。

国崎:

そろそろ、ご自身の顔や体が洗えないことに、かなりストレスを感じてくる頃じゃないかと思います。かなり汗もかいてますので、ウエットタオルや体拭きシートなどで体をこまめに拭いて、あせもやかぶれなどの皮膚疾患にならないようにする。
開いているお風呂屋さんがどこにあるのかという情報を得る、自治体にお風呂の支援策があるか聞いてもいいと思います。
お風呂に入るだけでも、リフレッシュになって心のケアにもなりますので、意識をしていただきたいと思います。

Q 次の災害に備えるとしたら、どれぐらいの水を備蓄しておけばいいですか。

国崎:

正直言って、あればあるだけいいです。飲み水だけでなくて、生活用水、ちょっと手が汚れただけでも、または口の中がほこりっぽくなってうがいをしたいとか、いろいろあると思うんですね。もちろん、トイレを流す水っていうのもあろうかと思います。
まず生命を維持するための必要最小限として2リットルは必要だといわれております。3リットルあればなおいい、ということなんですけれども。わたくしが推奨するのは、1週間から10日をめどにした水の備蓄です。
我が家でやっているのは冷凍庫にペットボトル。凍ったときに膨れるので、少し水を抜いて冷凍しておきます。そうすると、停電して冷蔵庫が使えなくなったとき、溶けるまでの間は保冷剤として使えますし、溶けた後は飲料水になります。飲み終わった後は給水車が来たときに水を受ける容器にもなるんです。
製氷機の氷をいつもいっぱいにしておく、その氷をつくる水のタンクをいつも満タンにしておくなど、「ふだん使ってる水」を意識しておくことも大事だと思います。
また、近所の井戸を持っている方に、万が一のときは一緒に使わせて、というような話をしておくのも1つです。
我が家にも井戸がありまして、設置するときに手動か電動か迷ったんですが、大量の水を必要とするので電動にしました。ポンプを吸い上げる動力として、カセットボンベで発電する発電器を用意しています。
たとえば農家の方など発電機をお持ちでしたら、近所の皆さんで持ち寄ってポンプを動かすというのもいいかと思います。

Q 震災時に、井戸水を飲料水として使って大丈夫なんでしょうか。

国崎:

飲料として適切なのかというのは検査が必要なんですが、検査までの間は、たとえば鍋にそのお水を入れてレトルトを温めるとかパックを温めるとかであれば、直接飲むわけではないので使えますよね。

Q 水道局に聞いたところ、蛇口から出して3日程度を基準にだんだん塩素の消毒効果がなくなるということで、水道水の備蓄には気をつけてほしいということでした。

国崎:

(水道水を)ペットボトルに詰めるのではなく、市販されているミネラルウオーターを備蓄していたほうが、衛生面でもいいですね。

Q 断水のときに歯磨きができないと感じていらっしゃる方も多いと思います。

松島:

「口腔ケア」ですね。これは、誤嚥性肺炎などの感染症対策で言われるようになったのですが、たとえば、歯ブラシなどを使って口の中をマッサージする。避難所などで歯ブラシもないということであれば、ビニール袋みたいなものを指に巻きつけて歯ぐきをマッサージする。最終的に、少量の水を口に含んで吐き出せば、それだけでもきれいな歯の状態を保つことができるかと思います。
日本歯科医師会も、「ストレスで抵抗力が落ちている避難生活では、特に年配の人は誤嚥性肺炎にかかりやすく死に至る危険もあるので、しっかり口腔ケアをしてほしい」と呼び掛けています。ティッシュやガーゼ、布などを指に巻いてぬぐうだけでいい。綿棒でも大丈夫です。マウスウオッシュを口に含んで歯磨きをしたときなら、水でうがいする必要はないということですので、対策を取ってください。
頬の内側の粘膜や舌の上も菌の温床となっているので、忘れずにこすってくれると、より安全になってくるということです。ぬぐうだけでもいいので、皆さん是非やってみてください。

Q 水の備蓄として雨水についてはどのようなアイデアやアドバイスがありますか。

国崎:

雨水を溜めるときに蓋をしていないと、ボウフラがわいてしまうこともあります。水質もやはり傷んでしまうこともあります。
市販の雨水タンクにはいろんなタイプがありますので、雨どいに直接つけるのかどうかなど、取り付け方法を含めて用途を考えたうえで、その用途に合わせた雨水タンクを選んでみるというのも1つかと思います。

松島:

たとえばトイレを流すというような部分では、多少汚れた水でもいいかと思うんですけども、手を洗うような用途になってくると衛生的にどうかなという部分があるので、雨水タンクの中でもフィルターが付いたものとか、消毒がきちんとできるようなものをぜひ選んでいただきたいなと考えております。