「災害列島 今、知りたいこと 伝えたいこと」

災害列島 今、知りたいこと 伝えたいこと

■「災害列島 今、知りたいこと 伝えたいこと」 放送より■

番組の一部をテキストでお読みいただけます。

「〇月〇日に地震が起きる」はデマ!

お話:
大木聖子さん(地震学者・慶應義塾大学 准教授)
松島康生さん(災害リスクアドバイザー)

 

Q 9月6日に発生した今回の地震を巡って、ネット上では東日本大震災や熊本地震を例にとって、2日後の8日に、より大きな本震が起きるというツイッターへの投稿が拡散しました。こうした正確ではない情報が広がっていることについてどのように見ておられますか。

大木:

「何月何日」というように日付を限定して地震が発生する日を言うことは、実は今の科学ではできません。できればやりたいというのが地震学者の思いですが、世界中で地震学の全ての力を合わせても現状ではまだできません。ですので、逆に言うと、<日付を指定して地震の発生を語る情報はすべてデマである>と捉えていただきたいと思います。

Q 日付、日時を指定して「地震が起きる」という情報はデマであると。

大木:

そのときに非常に気をつけなければいけないのは、「地震が何月何日に起きる」と言っているのはデマであっても、「地震がその日に起きるわけではない」ということだけであって、「地震が起きなくなった」というわけではないんですね。そこは非常に注意が必要で、「デマだから大丈夫らしいよ」ではなくて、やはり大きな地震の後は余震が起こるものであるし、今回、地震が起きなかった地域であっても、日本列島に住んでいれば地震は起こるものだと捉えて、備えていただくことが一番重要だと思います。

Q この後の余震についての見込みはどうでしょうか。

大木:

余震というのは通常、長い時間が経つほど減っていく、規模も小さくなっていく、というのが通常ですが、まだ地震が起きてから日が浅いですので、引き続き気をつけていただきたいということ。
もう1つは、今回震源が37キロと深いので、余震活動が浅いところに移っていくようなことが見られた場合に、同じマグニチュードでも、浅いところで起きるというのは近くで起きるというのと同じことですので、有感地震の数がそれほど減らないという感じになるのではないかと、懸念しています。
気象庁や専門の調査委員などから余震活動の分布の広がりなど随時報告があるかと思いますが、まだまだ余震活動は続くということを知っておいていただきたいと思います。

Q たくさんの方から「怖くて眠れない」とか、「出かけられない」という声もあがっています。この後、どのようなことに気をつけたらいいでしょうか。

大木:

直下型の、津波を伴わないタイプの地震では、土砂災害や火災とかを除くと、犠牲になる原因のほとんどすべてが住宅の倒壊と家具の転倒です。
およそ築40年に迫るとか、40年を超えているなどの古い住宅の場合は、中にとどまらずに避難所に行っていただく。それから、新しい住宅の場合(建物自体は)震度7でも持ちこたえるんですが、家具のほうは自分で留めることが必要になってきます。
今からでも家具を突っ張り棒で留めたり、あるいは、食器棚が倒れてくるような場所でふだんご飯を食べているようであれば、今だけは部屋の真ん中に移動して食べたり、寝室の家具のレイアウトを変えたり、たとえば、高い本棚は最初から倒しておくなどの対応をしていただけたらと思います。

松島:

昭和55年以前か以降に建てられたものかによって大きく建築基準法が改正されています。目安としては昭和55年以前の建物については、耐震の診断を1度はしていただきたい。どこに弱いところがあるのか、補強が必要かどうかっていうのも、そこでまず判断をして頂くというのがいいと思います。
もう1つ、大木先生も言ってらっしゃる家具ですね。今回も悲しいことに、家具の転倒で亡くなられた方がいらっしゃいますので、基本的には<倒れない、落とさない、移動してこない>、要はスライドしてくるようなことが無いお部屋をまず1つ作って頂きたいと思います。
このあとの余震のことを考えると、一部屋片づけて、そこに皆さんが一緒にいる方が節電にもなりますし、危険も避けることできます。
合わせて、片づけを始めてしまうとなかなか難しいんですけれども、例えばお家に何か被害があった場合、「り災証明」というのが自治体から出ますので、そのり災証明に合わせた写真を是非撮っておいてください。

Q 地震後の「り災証明書」には、写真の撮影が大事なんですね。

松島:

家の全体、もしくは損傷個所について早めに写真を撮って、早めにり災証明を取るというのがまず1つ。
また、地震保険もしくは火災保険に入っている方は、家具やテレビなどの家具が損傷した場合、それについてもお金が出ますので、倒れている場所、かつ、損傷個所もアップにして写真を撮ってください。
保険をより早く支払ってもらうには、判断材料があるかないかで大きく変わってきますので、ぜひ片付けに合わせてそういった写真を撮っていただきたいと思っています。