『きのう何食べた?』から初のひとり芝居まで 内野聖陽すっぴん!トーク前編

ざっくり言うと
原作再現度も大好評の“ケンジ” 役作りのヒミツは?!
初挑戦のひとり舞台『化粧二題』 注目ポイントは「オレ」
2019/05/08 すっぴん! 「すっぴん!インタビュー」内野聖陽さん(俳優) 前編

エンタメ

趣味・カルチャー

2019/05/08

記事を読む

【出演者】
能町さん:能町みね子さん(水曜パーソナリティー)
藤井アナ:藤井彩子アナウンサー(アンカー)
内野さん:内野聖陽さん(俳優)


徹底した役作りで知られる俳優の内野聖陽さん。
1968年神奈川県生まれ。早稲田大学在学中に文学座の養成所に入所、1993年、NHKの土曜ドラマ『街角』でドラマデビュー。その後、連続テレビ小説『ふたりっ子』の森山史郎役で注目され、映画舞台で活躍。NHKでは2003年の金曜時代劇『蝉しぐれ』、大河ドラマでは2007年『風林火山』で主役の山本勘助役、2016年『真田丸』では徳川家康役を演じ、今年3月に放送された『スローな武士にしてくれ ~京都 撮影所ラプソディー~』でも主演されました。
エネルギッシュでチャーミング、内野さんの“すっぴん”に迫るインタビュー、前後編に分けてお届けします!


話題沸騰! 『きのう何食べた?』 役作りは…

能町さん: 私てっきり、聖陽(まさあき)さんだと思っていたら、正式に「せいようさん」になってらっしゃるんですね。
内野さん: 「まさあき」ってなかなか読めないですよね。
能町さん: 確かに難しいですね。「せいよう」ですもんね。
内野さん: 読めるなら、スッキリ「せいよう」にしちゃえと。半分軽いノリだったんだけど、軽く済まなかった。
改名とか言われちゃって。いや、改名したつもりはないんですけど。
藤井アナ: きょうは内野さんにたくさんのメッセージも来ておりまして、<内野さんは他局で、今ドラマに出演されてますよね。私はそのドラマの内野さん演じるケンジにメロメロです>。
内野さん: メロメロですか!? はっはっ!
藤井アナ: <内野さんの今までの役は、どちらかというと男っぽい硬派なイメージがありました。NHKで放送された『スローな武士にしてくれ』もとてもよかったです。なのに! ケンジときたら、史朗さんが浮気してるんじゃないかと心配したり、史朗さんに叱られてはベソベソしたりと、とってもかわいい。私もケンジの気持ちに同情してしまい一緒に笑ったり、泣いたりしています。冷静になってみると内野さんの演技力がすごいんだなと思っています。誰かを参考にされて演技しているのですか>という質問です。
能町さん: これは『きのう何食べた?』ですね。
内野さん: 参考にするという部分もあるのかもしれないんですけど、むしろ自分の中の女性的なもの、情感であったり、傷つきやすい部分を大きくしてるみたいな。そっちのほうがすごく大きいような気がします。
能町さん: 何かお手本があったわけではなく?
内野さん: 僕、いつも取材というか、その職業、例えば検視官だったら検視官の方に会ってみたりとかするんですけど、今回はほとんどしてないですかね。今50歳になりましたけど、見てきた2丁目の方々とか、自分の中にストックされてるイメージがあるのかもしれないですけど、あえてこういうタイプだよっていうのはなくて。「内野聖陽の中にある何か」っていうのが強いですね。
能町さん: それで自然なのかもしれませんね。
内野さん: 自然ですか!? はははは!
能町さん: ああいう役だと、コミカルになりすぎちゃったり、いわゆるオネエ役みたいなものをなぞっちゃうようなパフォーマンスになったり。たまに見ると、違和感あるなって思うことがあるんですけど。
内野さん: それだけは避けたかったんですよね。いわゆるLGBTの方がオネエ言葉を使うところって、僕の中で大事だったんですね。「オネエ言葉を使う時って、どんな時なんですか」って聞いたときに、「自動的に使い分けちゃってるね」みたいな話を聞いて、あぁやっぱりそうなんだと思って。
「やっぱり普通の時は男性みたいにしゃべるよね」っていうところを大事にしたかったんで、あえてオネエ度というのは禁じ手にして、後半にいくにつれて出てきてはいるんですけど、そこよりもむしろ史朗さんとの関係性、彼のセンシティビティーみたいなものを作っていきたかったんで、あざとい方には行きたくなかった。
能町さん: 史朗さんがわりと冷静に淡々とした感じで。
藤井アナ: 史朗さん演じてらっしゃるのは西島秀俊さん。で、美容師の賢二役が内野さん。
能町さん: 対比もありますし、そこまで大げさにしなくても2人のキャラが立ってるので、この2人(現実に)いるんだろうなっていう。

原作モノを演じるときは「オレ流にやるけど許して!」

藤井アナ: 原作のコミックは参考になさいました?
内野さん: それはもちろん参考に。もともとすごく人気のあるマンガじゃないですか。よくご存じだったそうですね?
能町さん: たまたま私、同じ雑誌で連載してたことがあって、それで読んだりしてたんです。
内野さん: あっ! そうなんですか。ヒット作じゃないですか。そのプレッシャーというのはいつもあるんですよね。漫画の原作っていうと、原作ファンがいらっしゃるでしょう。
能町さん: どうしても、違うんじゃないかとか言われがちですよね。
内野さん: そうそうそう! 僕自身もそうだし、「原作の輝きを汚さないでくれ!」みたいな思いってあるじゃないですか。原作の感じは、リスペクトしながらやりたいなっていうのがすごくあって。結構読みましたね。
藤井アナ: それがありながら、大変良い評判になっていて、反響もたくさん寄せられていると思うんですけれど。
内野さん: 僕はちょっとね、「ごめんなさい! よしながふみさん(原作者)、オレ流にやるから許して!」みたいな。
開けてみてびっくりですよ。「原作から飛び出してきた」みたいに言ってくださって。「え~? 本当ですか」
能町さん: 最初は、もしかしたら、違うって言われるようなことも覚悟して?
内野さん: その覚悟です。「原作ファンのみなさんごめんなさい! 今回、内野聖陽バージョンですっ!」みたいな気持ちで。開けてみたら、原作に近いとか言ってくださって、「そ~お?」みたいな。
藤井アナ: 難しいだろうなと思ったのは、味噌ラーメンを作って食べるなんてシーンがあって、道すがらスキップをしていたり、胸の前で手を合わせて、かわいらしいポーズを取られたりするところがあったりして。
内野さん: 原作を時々入れてたりする。
藤井アナ: 忠実にそこはやってらっしゃる?
内野さん: 忠実でもないです! 忠実だけでもつまんない。内野がやるとこうなるんだな、っていうところは大事にしたかったので、非常にポイントになるシーンは、画的にはどんな感じだったかな、どんな表情だったかなっていうのは一瞬見たりするけど、それはそれで忘れますね。
このシーンは両手のひらをこういうふうに胸に置いときたいな、原作では置いてあったなって、なったらそれに近いポーズにしてみたり、時々やってましたけど。基本は自己流にやらしていただくよー! みたいな。
能町さん: 西島さんとは現場で、どんな感じなんですか。あの感じの仲の良さはあるんですか。
内野さん: 仲良いですよ、本当に。ぶっちゃけ「今度はラブホテルの前で激写されようか」みたいな。
一同: あっはっはっは!
能町さん: わぁ~。見たいなそれ。
内野さん: これは絶対良い記事になるんじゃないか、みたいな。そういうくだらないことを言ったりします。
能町さん: プライベート感出した写真とか出て欲しいですよね。今のネット上の(スクープ記事)みたいな。
内野さん: 撮影後に2人で歩く姿を見たぞ! みたいな。
藤井アナ: いつか出るかもしれませんね。
ここで内野さんからのリクエスト曲お届けします。どんな曲を選んでくださいましたか。
内野さん: あんまり音楽、自分からどうのこうのってないんですけど、この前カーラジオで聞いてて、かっこいいなって思ったのが、ゴリラズの『フィール・グッド・インク』っていう曲。イカしてるなと思ったんです。

初のひとり芝居『化粧二題』 「闘志バリバリです」

藤井アナ: 今稽古中の『化粧二題』というお芝居の話を伺っていきます。
ひとり舞台なんですけど、オムニバスというか連作になっている不思議な作品なんですね。
内野さん: 不思議ですね。一幕が有森也実さん。
能町さん: ひとり舞台×2みたいな、かたち?
内野さん: そうですね。前半が女性・女座長のお話、後半が男性・男の座長のお話で、前半が子どもを捨てた母の話、後半が逆に母から捨てられた子どもの話で。
まったくリンクしている話ではないんですけど、どこかうっすらつながっているのかいないのか、微妙なところなんです。とっても、とってもすてきな話ですね。
藤井アナ: 井上ひさしさんの作品、今回が初めてではないですよね。
内野さん: 実は生前、新作書き下ろしで、『箱根強羅ホテル』をやったことがあるんですね。
新作っていうと、必ず井上先生は(筆が)遅い。その時も遅いの全開で、稽古しててもぜんぜん(台本)がこないんですよね。夜中にファックスでくるんですけど。僕の出番が二幕からで、一幕は出てなかったんですね。で、毎日毎日、「ファックスきたぞ!」って見ると、僕の役が出てない。
能町さん: まだ、ぜんぜんその前の段階。
内野さん: 何日も自分の役が登場しなくて、稽古の半分以上過ぎたころようやくきて、だから初日開けても稽古が薄いから、みんなセリフ入ってない部分もあったりして間ができるんです、一瞬。怖いですよ、これが! 「次誰のセリフ?!」みたいになっちゃうから。
藤井アナ: みんながビクッってするわけですよね。
内野さん: ヒヤヒヤものでやってましたけどね。先生が遅くなったお詫びにって、焼き肉屋に連れてってくださる風習があるらしくて、その当時みなさん行ったんだけど、俺は「もう嫌だ! そんな焼き肉で懐柔されたくないっ!」みたいな。
「うらめしや、井上ひさし先生」みたいな感じでいましたけどね、当時は。
藤井アナ: これ2005年の舞台ですよね。
内野さん: でも今回は最初から(台本が)あるので、こんな幸せなことあるのか!
でも、遅くあがってきても本はすばらしいんです。命削って書いてらっしゃったんでしょうね。
能町さん: 言葉がすごく美しい、セリフを言いたくなるような言葉ってありましたけど。
内野さん: お口に出しながら書かれてると思うんですけど。無駄が一切ないんですよ。「てにをは」1つに対しても、ここ変えちゃおうかなってやると、結局、井上さんが書いたほうがすてきだなって。すばらしいんです。それぐらい磨き上げられてる。
それを早く書いて欲しかったな…。っていうのは当時あったんですけど(笑)。
藤井アナ: 今回はひとり舞台なんですけれども、演じるのは大衆演劇の座長という役どころで、「化粧」というタイトルが付いているとおり、お化粧しながらの舞台ですね。
内野さん: 僕も劇団から出てきて、そこそこのメイクをしますよ。ただ、大衆演劇となると、おしろいとかハケでやるんですよ。ペンキ塗るみたいなお化粧も初めてなんで、そこからですね。(舞台上で)見せながら、ひとり何役やるんでしょうね。
能町さん: 劇中劇的なものがあるんですよね、お芝居の座長なんで。
内野さん: 『瞼(まぶた)の母』ご存じの方はいるかもしれないですけど、長谷川伸先生が書いた作品なんです。その『瞼の母』からもじって『瞼の土俵入り』っていうね。劇団の十八番を、劇中劇で演じてるんですけど、「口立て稽古」って難しいか…。お稽古つけていくっていうことを座長さんがやるんですよ。
能町さん: 台本読ませていただいたんですけど、おそらく舞台上にいながら、左右に振るわけですよね。
内野さん: そうです。上(かみ)、下(しも)と言って、舞台の上手下手(かみてしもて)って言うんですけど、左右に透明な座員がいたり、不意な来訪者がいたりっていう、落語みたいな。切り替えをすごくしなくちゃいけない。
能町さん: しかも、真ん中で化粧しながらですもんね。
内野さん: 自分でも分かってるんですけど、結構入り込む系の役者だと思うんですね。(今回は)入り込んでいられないんですよ! 座長さんで入り込んじゃったら、次はお客さん役をやんなくちゃいけない、その次は座員の役やんなくちゃいけないみたいな。切り替えが妙なお芝居なので。
今回は試されてると思って、切り替えの楽しさ、感情だけに浸ってる場合ではなくて。これが難しそうで、自分でもどうなるか。
僕、昔から、ひとり芝居やりたいなって思ってまして、それが井上先生の作品でできることが、興奮と「今チャレンジしろ」って神様が言ってんだなっていう感じがしてるので、闘志はバリバリですね。不安も超でかいんですけど。
藤井アナ: ひとり芝居の稽古だと、演出の方と1対1でやっていく感じですか。演出・鵜山仁さんですけれども。
内野さん: 1対1ですよ。
藤井アナ: 稽古、みっちり独り占めして。
内野さん: 逃げ場がないですから。鵜山さんは俺しか見てない。マンツーマンですから、ある意味幸せですけどね。
藤井アナ: しかも、古いお付き合いですよね、鵜山さんとは。
内野さん: 文学座という劇団に在籍してたんですけど、そこの演出家で大先生なんです。実は僕がデビューした作品に、僕自身もペーペーの研修生、まだプロとしては立ててない時代に僕を拾ってくれた方なんですよね。
その後、3作ぐらいご一緒させてもらって、それ以来なのでもう何年ぶりかな。かなり時間を置いて。
藤井アナ: 熊本県、30代の女性。<『化粧二題』を福岡に観に行きます。初めて内野さんの舞台を拝見しますので、今からとても楽しみです>
とおっしゃっているんですが、まずは東京なんですよね。6月3日初日だと伺っております。その後も、いろんな所に行かれますね。
内野さん: そうですね、うれしいですね。
藤井アナ: 兵庫、島根、富山、福岡、鹿児島、神奈川、そして高知が新しく加わって、名古屋、石川ということなんですが。
内野さん: 追加公演も東京で決まって。
藤井アナ: どんなところに注目して観ていただきたいでしょうか。
内野さん: どんなところに注目!? だってオレしか注目できないよ! オレしかいないんだ。
前半ね、女座長の有森さんのお芝居も本当にすてきだし、それに負けないように頑張りたいなと思ってるし、とにかく自分の中で、いろんな挑戦がある作品なので、「舞台の内野、こんななのか」っていうね。
能町さん: 今、テレビで見てる方なんか、(イメージ)全然違う。
内野さん: 全然違うと思いますね。
あっ! でも少し、女形、母親役なんかも「こうやって演じるんだぞって」あるんですよ。
それもあるので、多少、活きてるのかもしれない。

<すっぴん!インタビュー 内野聖陽 後編へつづく>

Related Articles関連

Latest新着

トップページへ戻る